独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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ミルサー、誰も使ってないの?

お菓子作る人ほど、ミルサー使おうよ!

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 ミキサーとかクッキングカッターの類いは何台か持っていますが、ダントツで使えるヤツなのが、このイワタニ ミルサーです。料理はもちろん、お菓子&パン作りにも欠かせない。だけど、離乳食とかスムージーとか粉茶なんかに使うイメージで、お菓子作りに愛用している印象はあまりない。ものっすごく多様に使えるのに、知名度低くて残念なので、自分の愛用ぶりを紹介してみたい。これはIMF800-DG(上の写真、amazonから借りました…)

 

 もともとは朝の野菜ジュースを作るために購入した。2004年頃のこと。店頭の販促ビデオでジュースを作っていて、それが定価は8千円(うろ覚え)だが、4千円くらいの値段がついていて、ひかれた。

 以来12年、この高さ27cmほどのちっちゃいミキサーをひたすらに使い続けている。別に壊れていなかったのだが、なんとなく新しいのが欲しくて2008年に一度買い替えたが、それ以降元気に働いている。追加でガラス容器やカッターをいくつか買ったりなど、後追いも欠かさず。そろそろまたカッターを買い足したいと思っている。

 

まずは朝の人参りんごジュース

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ジュースを作るには、ひと工夫が必要。このミルサーは水分がないと回らないので、野菜のすきまにりんごジュースを入れている。

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ジューサーではないので、繊維もいっしょくたの、どろっとしたジュースができる。私はこれをそのまま飲む。さらさらのジュースを作るタイプのジューサーは、かすが出る。カレーに入れて、とよく言われるが、毎朝出るかすをそこまで活用しきれる自信もなく、捨てるのもしのびなく、まるごといただくのがよいと思うので、長年このスタイルで飲んで(食べて?)きた。おいしいですよ。(写真が異様に暗いのは、私が夜明け前に起きるからです…)撮影当時はチアシードを入れて飲んでいた。今はやめた。

 

冬の定番、ポタージュ

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 ポタージュは野菜を炒めて少量の水でとろとろに煮ておいたものを、そのとき食べるぶんだけこの容器に入れ、牛乳を加え、回す。そのままレンジで温めて(蓋ははずします)いただく、というのが最近気に入っている作り方。牛乳を煮立てすぎる心配がなくていいし、スープ全部を作り置きして温めるより、フレッシュな風味でいただける気がする。写真はかぼちゃ。

 

ドレッシングは年中定番

 ドレッシングは、これで作るとそのまま付属の保存蓋をして冷蔵庫に入れられるのが非常に便利。容器に目盛りがついているので、なにかたすときにも使い勝手がいい。

 

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 ⇧赤タマネギ、梅酢(梅干しでも可)、メープルシロップ、オリーブオイルで作る、超お気に入りの赤いドレッシング。

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⇧きれいなピンクに! もちろん普通の玉ねぎでもいけます。とにかくうまい!

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とくにツナと相性がよい。アボカドと合わせると、色がきれいでうれしい。

 

お菓子作りにこそ、ミルサーを!

 しかし、とにもかくにも製菓である。ミルサーのすごさは、お菓子を作る人にこそ実感してほしい。

 

高価で酸化しやすいアーモンドプードルも作る!

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 グラノーラをしょっちゅう作るので、我が家にはつねにアーモンドスライスがあるのだが、たとえばパウンドケーキに少しアーモンドパウダーを入れたい、と思ったときなど、このスライスをミルサーでパウダーにする。少々粗めでも構わないなら小容器で(なぜか大ではうまくできない)、しっかりパウダーにしたいなら、一度小で砕いたものを、さらにパウダー容器(緑茶パウダーなどを作るときに使う極小容器)でもう1回砕くと見事な粉状になる。スライスよりも劣化の早いアーモンドパウダーをわざわざ買う必要がない。

 ちょっと気合入れておいしいものを作るときは、皮付きのマルコナアーモンドをホールで買います。茹でて、半分だけ皮をむき(これくらいがちょうどいい香ばしさになると思い)、140度のオーブンで10分程度ローストし、やはりミルサーでパウダーに。とても香ばしい香りがして、なぜ焼き菓子にアーモンドを入れるのか、改めて納得します。いつもはほら、レシピにアーモンドプードルと書いてあるからと、自動的に入れてただけなんだけど…。砂糖や粉みたいに当たり前のようにアーモンドプードル入れるから…。

 

粉糖も!

 これも、あっ、切らしてた…でもちょっとだけ必要なのよね…、ということが多い素材。そんなときは、グラニュー糖を同じようにしてパウダー容器にかけると粉糖が出現する! 

 

ほうじ茶パウダーだって、スパイスだって!

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その他、ほうじ茶風味のケーキを作るもこれで茶葉を粉砕するし、ホールスパイスしかないけれどパウダースパイスが欲しいときも、同じようにして粉にして、茶こしでこして使う。ホールスパイスはわりと保存がきくけど、スパイスはすぐ香りが飛んでしまうので、できるかぎりその場で使うぶんだけホールから挽きたいのだ。もちろん、コーヒー豆だってひける。

写真はほうじ茶パウダー入りの生地で作ったシフォンケーキ。杏とホワイトチョコレート入りです。

 

ひとくちぶんの生クリームも瞬時に!

 さらに感動の発見は、ひとくちぶんの生クリームを泡立てられること。シナモントーストが好きでたまに家で作るのだが、シナモントーストには絶対生クリームが欲しい。でもひとりぶんだし、すこしでいい。そのために大きなハンドミキサーやボウルをごそごそ取り出すのが、本当に億劫だった。手で泡立てるなんて論外。しかし、あるとき、小容器に生クリームを少量入れて回したら、10~15秒程度で見事なホイップ状態になった。泡立て器もボウルもいらない! クリームがあまったら保存蓋をして冷蔵庫で2日間もつし、 これは大発見である。

 

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⇧黒糖シナモントースト、きなこいり。

 

さらにパン酵母までも…

 

 パン酵母の種継ぎの必需品でもある。ホップ種を起こすとき、小容器にふかした芋、りんご、塩麹、水、ホップ液をいれてペースト状になるまで回す。

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 ⇧これを元種、水と混ぜて保温、発酵させるのです。

 

実はレモン果汁もいける!

  去年の発見は、レモン果汁のつくりかた。果汁のつくりかた?絞るだけでしょ?と思われるかもしれないが、さらにあらず。

 自家製ジンジャーシロップにマイヤーレモンを搾って飲むのに凝っていたときのこと。普通に搾るだけだと、果汁の取れ高が少なすぎるので、白いワタごとミキサーにかけてレモンペーストにすることにしたのだ(種はとります!)。

 

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 ジャムのレシピ本のなかで、柑橘果汁を搾って使うのではなく、房ごと刻んで入れてジャムを作っていて、そこからヒントを得た。試してみたら苦いどころかかなりおいしく、異物感を感じることもない。しかも取れ高は果汁のみのときの3倍以上。なので、もう果汁は搾らないことにした。

 

レモンとオレンジのかけあわせ、マイヤーレモンはとくにおいしいと思う。

まず4つに切ってから、みかんの皮をむくような感じで皮をむき、そのままか、大きすぎるなら適当にカットして、容器に入れ、まわす。

 

匠も使う小さな巨人、ミルサー

 こんなに使えるのに、台所のちょっと高さのある引き出しにおさまってしまうところがなおすごい(使うときはひきだしを空けっぱなしにして回す)。

 高さ27cm、幅11cm、奥行き13cm。いわゆるジューサー、ミキサー、カッターのなかではダントツにコンパクトではないか?

 あ、音はうるさいです。数少ない欠点ですが、あれだけなにもかも粉々にしてくれるのだからしょうがない、と、とくに不満にも思っていなかった。が、いつのまにか、静音タイプまでできていた……。

 

 パティシエなどがよく便利な道具として紹介するのはミキサー類は、キッチンエイドやクイジナートなどばかり。たまにバーミックスとか。ミルサーは誰も使わないのかなあ、便利なのになあ。でもかわいくないもんなあ(欠点その2)…とさみしく思っていたら、ひとり見つけました。

 しかも匠だった。エーグルドゥースの寺井則彦氏が、著著のなかでこの人を推しています! なんだか身内が出世したような誇らしい気持ち。あそこのケーキが異常にうまいのは、やはりミルサーのおかげなのか…。

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日曜の午後に塩バターサブレを焼く

エルメのサブレブルトンを作るの巻f:id:camecon:20161205152748j:plain

 最近食べたい、作りたい、と思うのは“なんのへんてつもない”お菓子。ただのバタークッキーとか、ただのクラッカーとか、プリン、シュークリームetc。なんでだろう、これも年のせいだろうか。もともと、凝ったものに挑戦したいタイプでもないのだが、最近はとみに「なんでもないお菓子」を上手に焼けたらいいなあ、とよく思う。

 日曜の午後、おやつのお菓子を焼こうと考えて、目にとまったのがこのピエール・エルメのサブレブルトンのレシピ。装飾なしの丸いサブレ、というのがたまらなくおいしそう。塩で有名なフランスのブルターニュ地方のサブレ、という意味なのだろう、このサブレも塩が効かせてある。異様にバターが多い配合だから、つまり塩バターサブレ。そうそう、こういう普通のクッキー、焼きたいです。

 

罪悪感がくせになる(?)バーショコラのデザートプレート

 ピエール・エルメ、ときどき?と思うお菓子にも当たるが、だいたいはすごくおいしい。一時期は表参道のサロン、バーショコラにデザートプレート目当てに毎月通っていた。タルト、グラスデザート、ミルフィーユ、ボンボンショコラ、マカロンが一皿にぎゅっと並んで2000円以下、というのは今考えてもやっぱりお得だった。カップの紅茶が900円くらいして、これを頼むかどうか、毎回懊悩していた。おやつに3000円って、贅沢すぎる…しかしあのデザートを冷たい水でいただくのは………うーん、悩ましい。せめてポットの紅茶だったらまだオーダーする言い訳にもなるのだが…。

 サロンがリニューアルしてその月のデザートプレートの内容が、店の外からはわからないようになってしまったこと、値上げしたこと、なのに、内容が明らかに以前より見劣りするようになったこと、ミルフィーユでなく、シュー皮使用菓子の登場頻度があがって、このシュー皮がいつも湿気てる…等の理由で行かなくなってしまったのだが、でも今こうして書いていると、ああ、おいしかったなあと感動が蘇って、やっぱりまた行こうかなあと思ったりする。過剰にゴージャスな空間で過剰に贅沢なおやつをいただく、あの罪悪感もなつかしい。

サブレブルトンから学んだこと 

 というわけで、エルメはとてもおいしい。彼のレシピで、素人が作っても、成功すればすごくおいしい。彼のレシピはときどき「こんな作り方あるんだ?」と思うような、いわゆる王道とはちょっと違う方法もよく乗っていて、おもしろい。このサブレブルトンも、見慣れたサブレのレシピとはちょっと違っていた。

 バターと小麦粉がほぼ同量で、その粉のうちの2割がコーンスターチで、さらにさくさく感を出すために加熱した卵黄を入れる。

 ふーん…バターめっちゃ使うなあ…加熱した卵黄にそんな効果あるのかな…などと思いながら作ってみる。バターが多いから、生地を伸ばしているとあっというまに柔らかくなりすぎる。これを冷やし冷やし、型抜きしたあともしっかり冷蔵庫で冷やしてから焼く、というのが大事なようだ。

 さらに、砂糖は粉糖を使う。うっかり粉糖をそのまま加えて、ところどころダマになったものをつぶしてまわるのにとっても時間がかかって後悔した。そうだった、粉糖は粉ふるいで濾して使わなきゃいけないんだよなあ。しょっちゅう作っていないと、こういう細かいことを忘れてしまう。

 ちなみに、粉糖の多くは、かたまらないようにコーンスターチが入っている。私はそれが嫌で砂糖100%のものを使っているので、こういうことが起きる。そんなことも忘れていて、今思い出した。まあ、今回はコーンスターチ入りのサブレだから入っていてもいいのか? …いやいやいや、それとこれとは別の話。

 

それは衝撃の食感だった 

 そして、サブレが焼きあがった。

 食べて「うっ!」と衝撃がくるほどおいしかった。コーンスターチと加熱卵黄の効果で、さくっさく。軽い、すごく軽い、でもバターの味わいは濃厚。ゲランドの塩がまたいい感じに効いている。なるほど、こんな味と食感になるのかあ~、と感動した。

 生地の厚さは5mm指定で、気持ち厚めなのだが、それもこの独特の生地を味わうためなのかもしれない。断片がね、本当においしそう!

 

 実は……7,8年前、たしか作ったのだ、このサブレ。だけど、おいしいなとは思ったけど、それ以外なにも覚えていなかった。なにも感じなかった。当時はこの食感の新しさに気が付かなかったのだ。恥ずかしいことに。だから一度作っただけで、二度は作らなかった。

 この8年の間に、たくさんのサブレを食べて、ようやくこのレシピの偉大さに気づいたということか。そういうことなんだろうな。

 そういえば、当時は地方に住んでいて、喫茶店でお菓子を焼いていた。クッキーの詰め合わせを作っていて、いつも新しいクッキーレシピを探していたのだが、そのときはクッキー生地を湿気らせずに、ジャムをはさむためにジャムの糖度はいくつにしたらいいのかとか、チョコレートをきれいにかけるにはどうしたらいいかとか、そんなことを考えていた。なんの変哲もない、ただの塩バターサブレなんて、つまらなくない?と思ってたと思う。味がわかっていないということに加えて、そんな嗜好がこのサブレを素通りさせてしまったのだろう。

 ふー。いろいろと時間がかかるなあ。

 そして、以前、つまらないと思ったことのなかに、本当は…今なら…おもしろいと思えることが、どれだけあるのか、という話でもある。

 

エルメのレシピ本には夢と発見がある

ピエール・エルメが教える」シリーズは、焼き菓子とヴィエノワズリーとチョコレート菓子の3種類出ていて、どれも使えます。王道のお菓子本とは違うこと(&配合)がちょいちょい書いてあって、こんなのもありなんだーと勉強になる。私はこのシリーズで、パンの二次発酵も冷蔵庫でやっていい、と知って、衝撃を受けました。そんなことが書いてある本は他にどこにもなかったのです(探したのだ、結構)。

 そして各菓子についているエルメさんのお言葉が、独特でまた素敵。

 

例えば ケーク オ シトロンは、

 このパウンドケーキをレシピ通りに仕上げると、うっとりするほど柔らかくまろやかな感じになります

とか、

ケーク イスパハンには

 このパウンドケーキはかりかりしたフォンダンの薄層に覆われていますが、実は、とてもソフトでとろりとしたテクスチャーこそが持ち味になっているのです。

とか。

 

 このサブレブルトンについては、

  オーブンで焼いているときは、サブレがまんべんなく薄茶色に色づくように注意してください。そうすれば申し分ないテーストが得られます。

  である。たしかにこのテースト(!)は申し分なかった。

 

 

 

【2021年3月追記あり】うちのパンはホップ酵母です

自家製酵母と苦闘すること、5年…

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 自分でパンを焼いてかれこれ9年くらいになる。最初はもちろんイーストで。1斤に5gぐらいインスタントドライイーストを入れ、でもなんだかべちゃべちゃで膨らまない、とか、膨らんだ気がするけど固くて重いとか、ぱさぱさじゃん!…等、そんな必ず通る道をくぐりぬけて、普通のパン焼き主婦になることができました。

“おいしくふくらんで当たり前”までにかかった時間、なんと5年。長い…。パン教室とかいけよ……。もう時間ないのに……。まあ、でもこういう遠回りをするとなんでも身にしみこむから、そう悪いことでもないと思うんですけどね。しかし効率悪いな。

 

 まともに焼けるようになるまでにここまで時間がかかったのは、修業の途中でイーストではなく自家製酵母にはまってしまったから。自家製酵母で焼いたパンはすごくもつ。ずっとおいしい。冬なら1週間くらい大丈夫。もちろん乾いてはくるけど、ちょいと焼けばおいしくなる。焼かなくても、3日くらいは余裕でしっとり。イーストパンの、翌日のかちかち感が哀しくて、そしてどうにもあの匂いが苦手で、パンは自家製酵母で!と思い込んでしまった。

----バゲットイーストのほうがおいしい、という不思議な矛盾にもあとで気づくのですが。

 

りんご酵母は諦めた

 ともかく、四苦八苦してりんご酵母を起こし、なんとか膨らむようにはなった。でも、どうがんばってもレシピ本写真の2/3くらいまでにしかならない。要は酵母の力が弱かったから、なのだけど、当時は酵母を強くする方法とかいうのが、さっぱりわからなかった。本もネットも読みあさったが、食パンが型上5cmになる方法は書いてなかった。パンは生き物だから季節によって膨らみ方が違うので、毎回ギャンブル気分で焼いていた。

 なにがきっかけで始めたのか忘れたが、どうしても力の弱いりんごを諦めて、レーズン酵母にし、それからホップ種も起こすようになった。ホップ種で焼くと、自家製酵母特有のずしりとした重さが軽減されて、軽く焼き上がる。でもイーストよりは食べごたえある。自家製酵母で軽く、かつおいしい食パンを焼くには、ホップにするしかないのだな、と痛感した。

 最初の種起こしは1週間毎日大変なのだけど、そこで種を作れば、あとは1~2週間に一度種継ぎすればいいだけなので、レーズンのように毎日毎日粉を加えて等あれこれしなくていい。そして、米麹を使うせいか、レーズンやりんごのように、今回酵母起きないよ?ということがない。

 

 ちなみに、なぜか起きてくれないレーズン酵母に、ホップ種を一滴入れると、超元気になる。発見した当時は感動したけど、数年後、それはあくまでホップ酵母が起きてるだけでレーズン酵母が起きてるわけではない、とどこかで読んで、そりゃそうか…と思いましたが。でもまたレーズン酵母起こしたら、たぶんホップ入れてしまうと思う。清々しいほど元気に発酵してくれるから。

 

作り方と材料と道具 

ホップ酵母のレシピはシニフィアンシニフィエ志賀勝栄さんの「酵母から考えるパンづくり」を参考にしています。

 

一番種 (つくりやすい分量)

材料 ホップ液(乾燥ホップの実6個と水50ml強を鍋に入れて沸かし、沸いたら弱火で5分煮出し、こしたもの)50g フランスパン粉 30g 熱湯39g 芋(茹でてつぶす)75g りんご10g 水(32℃くらい)70ml 米麹2.5g

 

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⇧ホップ液をつくる。小鍋に水とホップを入れ沸かす。沸騰したらごく弱火にして5分煮出す。茶こしで漉す。

 

 

1日め

ボウルに粉と熱湯をいれ、よく練ってでんぷん化させる。2容器にホップ液を入れ、芋とりんごを入れる。31に2を加えて泡立て器でよく混ぜ、米麹も加えてさらに混ぜる。26℃になっていることが理想。4ラップをかけて28℃で18時間発酵させる。5時間ごとに混ぜる。

 

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⇧私のゆで芋のつくりかた。じゃがいもを2~3等分してレンジ容器にいれ、水を大さじ1入れて(蒸し煮風にするため)、ふたをして4分加熱し、皮をむき、室温まで冷ます。鍋で普通にゆでてもよい。

 

 

2日め

材料

ホップ液12g(1日目の1/4の量で仕込む) フランスパン粉20g、熱湯25g、ゆで芋38g、りんご8g グラニュー糖2g 水67g 米麹2.5g

作り方

1日めと同様に仕込み、水を加えたあと、グラニュー糖を加える。さらに1日めに作った元種75gを加え、混ぜる。温度と混ぜることも同様。28℃で18時間。

 

3日め

 

材料

ホップ液12g 元種62g フランスパン用粉10g 熱湯12g ゆで芋5g りんご5g  グラニュー糖2g 水105g 米麹2.5g

 

作り方

2日めと同じに仕込み、発酵させる。

 

4日め

材料

ホップ液12g 元種50g ゆで芋37.5g りんご5g グラニュー糖2g 水147g 米麹2g

 

作り方

2日めと同じ。熱湯で練った小麦粉は不要。

 

5日め

材料

ホップ液12g 元種45g ゆで芋37.5g りんご4g グラニュー糖2g

水152g 米麹2g

 

作り方

4日めと同じ。

 

6日め

材料

ホップ液12g 元種40g ゆで芋37.5g りんご4g グラニュー糖2g

米麹2g 水160g

 

 材料

じゃがいも りんご 米麹 乾燥ホップ グラニュー糖

 

 

種継ぎ

材料

じゃがいも80g りんご10g 米麹10g 乾燥ホップ20g グラニュー糖7g 水60ml(ミネラルウォーターか浄水) ホップ種80ml

 

作り方

1芋は一番種と同様に茹でる。ホップも同様にホップ液を作る。

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2 ミルサー容器小に2の芋と小さく切ったりんご、米麹、冷ましたホップ液を入れ、ミルサーがまわる程度に水(分量外)をたし、回してペースト状にする。

 

3 保存容器に前のホップ種を入れ、ペーストを加える。400mlになるまで水をたし、グラニュー糖を加えて混ぜる。

 

5 27度で18時間保温。ときどきかき混ぜる。ふたは密閉せずにわずかに空気が入るようにする。

【追記:2021年3月23日】

 今は発酵時間は12時間にしています。酸味を出しすぎないため。

 

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⇧18時間発酵後。ガスがめいっぱいでて膨張したあとが見れます。耳を近づけると、きゅうーきゅうーと鳴いています。これがたまらなく愛おしい。赤ん坊のようです。

 

ポイント

●道具はよく洗い、保存瓶は煮沸して殺菌します。

●材料の分量は厳密でなく、多少の増減は問題ありません。でもじゃがいもとホップ液は当日作ったものを使います。

酵母が死んでしまうので、芋とホップ液はきちんと冷ましてから使います。

●じゃがいもはしっかり火を通しておけばかたまりのままミルサーにかけてOK。

でもりんごはわりとしっかり小さく刻んでおかないと、塊のまま残ってしまいがち。できればりんごは別にすりおろすのがおすすめ。

●ホップ種は1か月くらい冷蔵庫に入れたままでも発酵してくれます。でもやっぱり、1週間~10日くらいで種継ぎしてあげたほうが、酸味も少なく、酵母も元気いっぱいでめりめりパンが発酵するので、おすすめです。

 

【追記:2021年3月23日】

  ロティ・オラン堀田誠さんの著書『誰も教えてくれなかった プロに近づくためのパンの教科書 発酵編』のホップ酵母の作り方には、保存期間は2、3日とあり、これを読んで以来4日おきに酵母を仕込むことにした。(←5年経ってブログの口調が丁寧語ではなくなっているのです。すいません)

 すると、大変お恥ずかしい話なのだが、焼成中のすっぱい匂いが激減した…。実はいつも焼き始めはすっぱい匂いがしていたのである。焼き上がる頃には消えていたので、こんなものかなと思っていた。でもやっぱり酵母が新しいとこの匂いは減るのである。

 しかし、多少はしていた。仕方ないのかと思っていた。

 が、本日、まったくしないという日が訪れた。

 酵母仕込んだ初日(保温後、一晩寝かしたもの)で焼いたもの(後日「こなログ 3月23日」としてにアップします)は、焼き始めも焼き終わりも焼いてる間も、香ばしい香りしかしなかった。なんということだ…。こんなことも可能だったのだ。しかし、酵母仕込み初日の種で焼いたのはこの日が初めてではない。なぜこの日だけ? いや、ほかの日もしてないときがあったのに、気づかなかっただけ? 

 ともあれ今は、酵母はできたてがいい、という結論です。

books.rakuten.co.jp

 

 一番種を仕込む1週間は面倒くさい! とても面倒くさい‼︎ でもそのあとは簡単です。ぜひこの1週間を乗り越えて、ホップライフを楽しんでみてください。 

 

 

生き方とか価値観とかいう前に、単なる「慣れ」の問題なのかもしれない

テレビがある生活、ない生活

 テレビを最近つけなくなった。早朝起きてから11時くらいまでと、夕方6時半からだいたい9時くらいまで、必ずNHKがついていたのだが(民法はCMが苦手なので…)、ある平日の7時半頃、ニュースが終わってなにも観たいものがなく、思い切って消してみた。他の投稿でも書いたが、某「睡眠」本に、「夜、テレビがついていないと寂しいと感じるのは、脳が興奮しているから(だから眠れない)」という一文を読んで、「あ、この寂しい気持ちは異常な状態なのだな」と、妙に納得したのだ。

 テレビがついていることが日常になってしまうと、消すのが怖くなる。地上にひとりぼっちのような、とんでもなく寂しいことのように思える。だから、べつに観たい番組でなくても、不快でなければつけていたのだが、勇気を出して……というか、突然、あの一文のおかげで、さっと意識が切り替わって、消してみることにしたのだ。

  

 そしたら、静寂が妙に心地よくて、これは発見だった。以来、ほとんどテレビをつけなくなった。観たい番組は録画しておいて、観るぞ!と態勢を整えて観る。

 

 むかーし、テレビのない生活を数ヶ月したことがあって(理由は忘れた…)、そのときも、そんなこと可能なのだろうか?と思ったが、慣れたらものすごく快適だったことを思い出した。新しい人生を手に入れたぐらいの新鮮さがあり、今後の自分はもう以前とは違うだろう、なんて思ったりもした。

 

 でも、いつのまにかテレビをつける生活に逆戻りし、それがないことは考えられない強い感覚も再度植え付けられた。朝起きて、まずNHKの「おはよう日本」をつける、のが絶対、になってしまった。

 

 人はなにかに慣れる。どんなつらいことにも慣れるといい、それが救いのように感じるときも多いけれど、同時にこの“慣れ”にがんじがらめになってしまうものなのだ。

 

起きてる時間はずーっと誰かと一緒にいるひと、いないひと 

 たとえば、私は20年くらいフリーランスのライターをしていて、その後自分の店を持つための修行として、飲食店のキッチンアルバイトなどをして土日祝日はほぼ働いていた、というような生活しかしたことがなく、会社員になったことがない。長年、外出するなら街や店が空いている平日に、ひとりででかけることが習慣化してしまって、いまでは土日に盛り場(!)に行くことは考えられない。

 そんな生活をずっとしていると、平日、オフィス街でのランチタイム時、同僚たちと連れ立って食事に出るたくさんの人たちを見るたびに驚愕するようになってしまうのだ。つまり、「朝からずっと同じ部屋で、大勢の人間とともに仕事をしていて、なおかつ昼ごはんさえ、同僚と会話しながらとらなければいけない! 地獄のよう!」。

 私からすると、ようやく訪れた休憩時間すら、他人に気を使って、気分のよい会話をしなければならないというのは拷問以外何者でもなく、そんな生活をしていたら精神がおかしくなってしまうのでは?と真剣に思うのだが、考えてみれば多数派はあちらだ。

 週5日、朝の9時から、大勢の人間と机を並べて仕事をし、昼は仲間と連れ立って食事に出て、終わったらまた机に戻って仕事をして、夜になったら今度は飲み会もしくはデートにいき、10時過ぎに帰って、1時間くらいテレビを観て寝支度をして、寝る。6時間後に起きる。

 そんな生活を、ごく当たり前のように送っている人のほうが圧倒的多数なのだ。私は、そこに過剰に驚く自分に驚く。それは私の生活とは、あまりにもかけ離れている。え、それじゃひとりの時間はいつ? いつくつろぐのですか? なにか考えたいというときはいつするの?と尋ねずにはいられない。

 

 そういえば、近所にあるスパイス居酒屋。料理が安くておいしいのでたまに行くのだが、そこには「毎日来る」常連さんがたくさんいる。話をちら聞きすると、どうも昨日もおとといも来てるらしい。毎日何時間も居座るらしい。なにをしているのかというと、ひとりで来て、スマホを観ながら酒を飲みつまみを食べ、ときどき誰かを電話で呼び出したり、店の人や他の常連客と口をきいたりしている。

 酒を飲まない私は、そこでまた驚く。毎日、ここでこんなふうに夜を過ごすのか…。昼は働いてるんだよね? え、週末は仲間とキャンプ! それじゃあ…それじゃあ、自分のこと、なにもできなくない?

  

 でも、会社勤めに慣れた人には、きっとそれは苦痛でもなんでもないのだ、と今更ながら気づいた。だって、それに“慣れている”から。常に周囲に人がいて、会話していることが常態なのだ。

 私がこういう生活に恐怖を感じるのは、私がだいたい一人で過ごしていて、“慣れていない”から、というだけなのだ。もちろん、彼らからみたら、私のような生活は恐怖そのものだろう。「誰とも人付き合いしない毎日って何?……寂しくて死んじゃいそう」。

 「慣れ」が価値観をつくる?

 当然ながらここには決定的な価値観の違いというものがあるのだけど、それよりもなによりも、最大の問題は「慣れ」なのかもしれない。なにかの事情で、私が彼らのような生活を送ることになったら、最初は地獄のようでも、半年も繰り返していたら、当たり前になるのかもしれない。居心地よくなるのかもしれない。

つまり、生き方とか考え方とか価値観とか、そういうものの前に、単なる「慣れ」があるだけのかもしれない。

「慣れ」が、人の価値観を作る。強力に。そしてがんじがらめにする。でも、抜け出すのはきっと思っている以上に簡単なのではないか。

 でももしそうならば、ちょっとエネルギーを出して、慣れから脱出すれば、意外とかんたんに「なりたいけど、なれない、と思っているもの」になれるかもしれない。「絶対無理」と思っていた生活も、とにもかくにも始めて、慣れるまで数週間~数ヶ月がんばれば、案外かんたんに変貌できるのかもしれない。

 そう考えてみたら、なんかちょっと世界が広がった感じがした。自分の可能性は、思ってるよりも多くて、広いのかもしれない、なんて思えてきて。

 

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 ⇧新宿小田急の「カフェトロワグロ」にもひとりででかけた。1500円でりんごと根セロリのサラダ、くるみのビネグレットソースで、というサラダと、パンと、飲み物がつく。どんなものがくるのだろう、と思っていたら巨大な美しいサラダが来て、ちょっとうれしかった。すぐ食べ終わっちゃったけど…。

おまけ⇩ 
予算1600〜円のこのカフェ、にぎわっていたけど、客は99%中高年〜初老の女性だった(ただひとり、美意識高そうな30代男性が1400円のモンブランを食べていて光っていた)。高いお金を出してデパートでお茶を楽しむ、という行為は昭和40年代生まれを最後に、絶滅しかかっているのかもなあ。さみしい。

 

 

 

自家製ジンジャーエールを飲んでばかりいると、生姜煮ができすぎる その1

自家製黒糖ジンジャーエールを毎日飲むのが楽しみで

 

 お酒を飲めない体質なので、夜のお楽しみがありません。夕方に走るせいか、酸っぱいものばかり食べているせいか、喉もよく渇きます。それで、自家製ジンジャーエールを作るようになりました。

 黒糖とグラニュー糖で薄切りにした生姜を煮詰めてシロップを作り、これにレモンを加えて、お湯かペリエで割って飲むのです。シロップを作ると、大量に生姜煮ができあがります。これをなんとか活用できないか考えて、いろいろレシピができました。

 

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⇧できた生姜シロップと、黒糖生姜煮と、レモンペーストと、ジンジャーエール。上に浮いているのはレモンペースト(混ぜなかった)と、ペリエの泡です。

ジンジャーエールをいれたグラスはダイソーのうすはり。100円でここまで…と感嘆のため息をもらしながらいろいろな形を買い、数年で割れて(私の扱いが悪いから)、唯一残った方です。でも一番お気に入りの形。

まず生姜黒糖煮をつくる

生姜煮の作り方の前に、自家製ジンジャーエールを紹介していいでしょうか。常備するようになってかれこれ3年くらいたちます。その間にレシピも変化しました。

刺激的な生姜の辛み、黒糖の滋味深いこく、レモンの酸味。まさに大人のソフトドリンクです。真夏のうっとうしい夜、これを冷たいペリエで割ると、さらに辛くなって最高です。

毎年5月中旬になると、Amazon楽天で、24缶入りを4ケースまとめ買いして夏に備えます。このくらい大量にまとめ買いすると1缶(330ml)50円くらいで買えるのです。

 

 はたまた、真冬にあつあつのお湯で割ると、全身にじんわりと熱がまわって、張っていた気がゆるんで、これまた眠り薬としてこれまた最高です。とくに甘いものを好むタイプでもないのですが、これはけっこう、しっかり甘くして飲むのが好きです。そういう飲み物です。

 

 毎日飲むので、そうそう贅沢してられないし、100%黒糖では重すぎるかな、ということで、だいたい糖分の60%が黒糖で、残りはグラニュー糖です。黒糖も、一時期はお金をけちって加工黒糖にしていたのですが、やっぱり純黒糖にすると断然おいしいので、ここはけちるのをやめました。

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⇧富澤商店のブロック純黒糖、いいです。シロップの味が変わります。波照間島の黒糖って、なかでもおいしいらしい。

 

 できたシロップは冷蔵庫で2週間は余裕でもちますが、できたてから2日くらいまでが抜群においしい。それ以降でもおいしいけど、一段、味が落ちます。なので、最近はたくさん作ったら、半分は冷凍庫にしまっています。ジャムのように煮沸した瓶に真空状態に密閉してもいいと思います。

 

 レモンも、国産レモンのある季節は面倒でもレモンのペーストをミルサーで作って(つまり、外側の黄色い皮をのぞいたあとの、レモンの白い袋ごとミキサーでペーストにする)、それを入れるようにしています。これも、市販のレモン果汁…たとえ有機レモン100%のストレート果汁でも)より数段味がよくなる秘訣です。猛烈にフレッシュで、酸味のなかに自然な甘味があり、そしてなんだろう、うまみ?とにかく複雑で奥深い味になるのです。ストレート果汁でもじゅうぶんおいしい。でも生レモンペーストで一度飲んでしまうともう戻れない…そんな味です。

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 ⇧親戚が送ってくれた、庭になったメイヤーレモンを、ミルサーでペーストに。果汁絞るときの3倍くらいとれ高あります。苦くないし(メイヤーだから?)、ゴミも出ないし、よいですよー。

 

ジンジャー黒糖シロップ

 

出来上がり約1200ml

生姜 700g

黒砂糖 700g

ラニュー糖 500g

水 300ml

(好みで)八角、シナモン、クローブ 適宜

 

作り方

1 洗った生姜を薄切りにして大きな鍋に入れ、砂糖をまぶす。4時間程度おいて、生姜から出た水分で砂糖が溶けるまで待つ。

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⇧生姜のスライスの上に砂糖をのせて、水分が出て砂糖が溶けるまでじっとまつ。

 

 

2 1に水を加えて火にかける。沸いてから20分ごく弱火で炊く。出てきたアクは丁寧にすくう。→できあがり。

 

こつ1 生姜と砂糖は1:1でなくていい 

 世に出ている生姜シロップのレシピは、だいたい生姜と砂糖が1:1です。私もそうやって作っていました。でもあまりにも簡単になくなってしまうので、実験的にどんどん生姜を減らしていきました。今の段階では生姜700gに砂糖1200gくらい。これでも充分に生姜のおいしさは出るし、残った生姜煮でマサラティーを煮出しても、なおおいしいので、これでよしとしています。

 

こつ2 どっしりした刺激を求めるならひね生姜を

 新しょうがで作るレシピもありますが、私はひねのしっかりした味を好みます。新しょうがは優しいというか、シロップとしてはちょっと頼りない味になる気がします。逆に生姜の刺激は強すぎる、という方には新しょうががおすすめです。

 

こつ3 黒糖を炊くとものっすごい吹く

 鍋はできるだけ大きなもので。黒糖を炊くと、ものっすごい吹きます。鍋からあふれてベタベタになり、泣きたくなるので、大きめの鍋で、最初から弱火で気長に炊くのがおすすめです。

 

こつ4 砂糖が溶けるまでがまん

 砂糖に生姜をからめたあと時間をおくことも大事です。生姜からしっかり水分が出て、砂糖がほぼ完全に溶けるまで放置して、それから火にかけます。さらさらのシロップにするために、煮るときは新たに水を足すのですが、それでも生姜からしっかり水分を出してから煮たほうがうまみの出かたが違う気がします。放置するのはだいたい4時間くらい。

 

こつ5 アクは絶対とる

 アクはしっかりとること。だからあんまりほっとけません。こまめに見に行って、とれるだけアクをとります。味に差が出るので、ここも手は抜けません。私は鍋の前で本を読みながらお世話したりします。

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⇧アク取りって、結構楽しい。これもダイソーで買ったこの網が異様に使いやすいです。軽くて、ちょうどいい面積で、網が細かい。がんがん洗浄機にかけても耐えまくる。もちろん100円。アルミ製の、なんとなくベトナム雑貨ちっくなところもよい。

生姜煮の活用法は次回!

キタノカオリ100%の食パン!

キタノカオリは100%で使いたい

 

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 パン焼きの楽しみのひとつは粉の使い分け。ちょっと凝った本だと、ひとつのパンで4種類使ったりします。伸びのよさを出すためにビリオンを、さくみを出すためにリスドォル、風味を出すために1割はグリストミルを…てな具合です。我が家にもだいたい8種類くらいの粉があって管理が大変なのですが、「みんなが言うほどそこまで違いがよくわからない」というのが実情です。

 ですが、そんな鈍めの私でも、この粉の独自性はしっかりとキャッチしたのです。

国産強力粉、キタノカオリ。

 これで焼いた食パンを食べてから、ああ、もう食パンの粉は探さなくていい。これだけ食べていればいい、と強くはっきり思ったものです。

 わりと前から使っていたのだけど、他の粉と混ぜて使っていたので、あんまり良さに気づかなかった。ただ、“国産なのに、外国産のようによくふくらむ”という特徴だけをいただいていた感じです。でもあるとき、どこかのブランジェリが、「この粉は混ぜるよりも単独で使うほうが生きると思う」と言っているのを読んで、あ、そうなのか、と思い、100%この粉で試しに食パンを焼いてみたのです。そしたら、衝撃だったのです。酵母は自家製ホップ種。

 驚くほどふわっふわ。しかし菓子パンのようなはかなさではなく、力強く、ふわっふわなのです。これはあまりにも独特の食感です。そして、香ばしく、ほんのり甘い。

 同じ生地で小さな丸パンを作ると、ほとんど餅のよう。ここまで餅のようだと、なぜこんなに餅のようなパンを食べる必要があるのだろう?餅を食べればいいのでは? とすら思うので、もっぱら丸パンにはせず、食パンにするのですが、これを思い切り厚切りにしてたべるのが楽しみです。

 

 あ、いや、焼いた当日~翌日くらいまではやや薄切りにしてたまごサラダをはさんで卵サンドが定番です。これはパンを焼かないので、パンがフレッシュなときしかできない。サンドイッチに使うパンは1日おいてから、という約束事も無視。焼いて2,3時間後に切ります。すごく切りにくいけど。

 ゆで卵にはみじん切りのピクルスを入れるのが好きです。マヨネーズが嫌いなのですが、このサラダにだけはほんのすこしだけ入れます。たまにチーズも入れます。

 

 

トーストアレンジの定番は、

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 ⇧網で焼いて、バタートースト。焼きすぎ? 網でちょうどよく焼くのは、かなり腕が必要です。

ちなみに、トーストってのは、熱源が近くにあるほどおいしくなるんだそうです。ガッテンより。

 

あとはチーズと黒胡椒だけのシンプルチーズトーストとか⇩

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黒砂糖と炒ったきなこ、シナモンをのせて焼き、生クリームをつけていただくきなこシナモントーストとか⇩

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ほかにも、チーズときんぴらごぼうをのせた和トースト、キャベツ&コンビーフソテーのトースト、トマトソース+海苔+チーズの海苔トースト、チーズ+目玉焼き+みじんぎりにしたドライトマト…などなどなど。

食べ物の話っていうのは、書いていて幸せになりますね。

 

最初の1時間半は30℃で

 

 焼くときに気をつけているのは、まずこねたあと90分くらいは30℃で保温すること。自家製酵母のなかでは力強いけれど、さすがにイーストほど強力ではないので、スタート時に温めて酵母を起こしてやることが必要です。とくにめいっぱい膨らませたい食パンの場合は。

 吸水率が高いので、わりとがんがん水分いれます。粉250gで200ccくらいいれても大丈夫です。最初の90分の発酵が終ったあと、かるくたたんであげるとさらに力強い生地になります。

 そして、どうしてかわからないのですが、いつも一次はめきめきふくらんでるのに(だいたい90分の保温のあとは1.5倍まで室温で膨らませ、そのあと冷蔵庫に入れて一晩)、二次発酵になるとスピードが落ちる傾向が…。30℃で発酵させても型下2cmになるまで2時間15分くらいかかったりします。冬はもっとかかります。

 焼成は190℃で27分。より濃密な生地が食べたくて、最近はもっぱら蓋をして角食で焼いています。蓋をして焼くときも、型下1cmくらいと、ぎりぎりまで膨らませてからオーブンに入れます。この粉の場合は、これくらいでちょうどいいみたいです。

 

配合は

キタノカオリ250g

塩5g

砂糖15g

バター13g

水150g

ホップ液50g

 

よーくこねた生地を丸パンにすると餅になるけれど、水分を限界までいれ、かつ、あまりこねない&成形もしないチャバタ生地だと、ちょうどいいもっちり感が味わえます。二次発酵の必要もなく(もしくは20分くらい)、簡単にできて朝食におすすめ。 三宿のおいしいパン屋さん、シニフィアンシニフィエにも、いつもいろんな味のキタノカオリチャバタが売ってますよね。

 

 …書いていたら、むらむらとチャバタが作りたくなってきました(なぜ食パンでないのか?)。明日の朝ごはんは、チャバタだな。さて、なにを入れようかな?

 

気がついたら16年走ってた 2

怠け者がなぜ16年も走り続けているのか、の話の続きです。

 

走ることが快感になる

 痩せなくても走るのは、走ったあとのお風呂が癖になってしまったからです。最近は夕方5~6時頃に走ることが多いのですが、汗をたっぷりかいて、へろへろになって、ああ今日もがんばって生きたな。しかも走ったしな。やるべきことやったんだ!という達成感をもって温かいお風呂に入るのはかなり気持ちいいです。やみつきになります。これを何日かやると、走らない日、汗もかかず息も切らさず入浴することが罪悪のような、激しい物足りなさを感じるようになります。

 そして、走ることが習慣になると、数日走らないでいると、身体がむずむずしてきます。身体のあちこちが固められたような不快さが生れてきて、いますぐ、うおー!と外に飛び出していきたくなります。この感覚を持てれば、三日坊主なんてことにはならなくなります。

 

リズムにのる快楽

 だいたい1.5km~2kmすぎると身体がゆっくりと軽くなってきます。そうすると、ランニングハイの一種なのか、苦しくない、という状態になります。自分のなかで“いち、に、いち、に”とランのリズムができあがって、そこにただのっかって脚を出してるだけ、という状態になる。大袈裟にいうとベルトコンベアに乗ってるようなオートマティック感。無理して身体を動かしている感覚がなくなるのです。

 いち、に、いち、に、というこのリズムがどうにも心地いい。私はいつもiPodで音楽を聴きながら走るので、なおさらこのリズムに乗って身体が動くことが快感になります。だいたいヒップホップかR&Bを聴いていますが、適度にゆるいビートのヒップホップは、とくにランニングに効果的です。同じループをえんえんと繰り返すのがとてもランニング的なのです。好きな曲の旬(好きな曲でも、そのときに気分や聴いた回数によって、とびきり好きなときと、トーンダウンしちゃうとき、ありますよね?)に当たると、もう最高です。ものすごい快楽物質が脳から出てるのがわかります。

 リズム運動は脳からセロトニンを出すから云々、ってよく言いますが、それは本当にそうなんだなと体感でわかる。心がどんどん静かに、穏やかになっていく。リズムに乗ることは、たぶん人間の根源的な快楽なのです。

 爆発的に心が穏やかになる

 いろんな人が言うことですが、やっぱり走るのは精神安定に爆発的に効果があると思います。----ただし、私の走り方では、という注釈がつきますが。

 走っているときの、“急いでもしょうがない、脚を右、左、とただ出して、一歩だけ先に進むことしかできないんだから”という感覚、あれが、ランだけでなく自分の生活全般によい意味での諦めを与えてるような気がするのです。日常の様々な不都合事も、まあしゃあないわ、と思えてきます。

 だから、速く走ろうと思ってはだめなのです。速くなくていい、ずっと走れるペース、つらくないペースを探すのだ、という感じでしょうか。

 …とはいえ、どんなに走り慣れていても、毎回走り始めの1kmはつらい。しんどい。めんどくさい。全身が重くてかちこちで、自分のすべてが“いまは走るべきではない”と訴えてる気がする。そういうときに、今から走るコース全体を思うと、本当に気が滅入ります。とてもじゃないけど走り切れる気がしない。

 だからこのときは、もう足下しか見ないようにします。山登りの人が、目の前だけみろ!と言うのと同じです。下を見ると恐い。上を見るとゴールの遠さにうんざりする。だから目の前だけ見ろ。そうすると乗り切れます。人は近視になることも大事なんですよね。゛今、ここ″だけを考えるというのは禅や瞑想、マインドフルネスの基本だし。

 私はさらに、「いつやめてもいい。いつ帰ってもいいんだ」と唱えます。これを唱えて、真下の足下をみつめ、脚を片脚を前に出すことだけを考える。すると、いつのまにか1kmすぎ2kmすぎ…あれ、きょうもいつも通り走れたね、となるのです、不思議と。

 

 この「いつやめてもいい」と唱えるのも、自分にとっては大きなポイントです。人によっては逆に「絶対にやめない」と追い込むことがエネルギーを出すのに効果的だったりするでしょう。たぶんそういう人のほうが多いし、なんなら社会的にも成功しそうな気がしますが…。へたれの私は、自分を追い込まないことが、自分の最大のパフォーマンスを出す秘訣らしい、とごく最近気づいたので、唱えます。

 

 いつやめてもいい、だからもう少し走ってみれば?