独楽ログ〜こまログ〜

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【2021年3月追記あり】うちのパンはホップ酵母です

自家製酵母と苦闘すること、5年…

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 自分でパンを焼いてかれこれ9年くらいになる。最初はもちろんイーストで。1斤に5gぐらいインスタントドライイーストを入れ、でもなんだかべちゃべちゃで膨らまない、とか、膨らんだ気がするけど固くて重いとか、ぱさぱさじゃん!…等、そんな必ず通る道をくぐりぬけて、普通のパン焼き主婦になることができました。

“おいしくふくらんで当たり前”までにかかった時間、なんと5年。長い…。パン教室とかいけよ……。もう時間ないのに……。まあ、でもこういう遠回りをするとなんでも身にしみこむから、そう悪いことでもないと思うんですけどね。しかし効率悪いな。

 

 まともに焼けるようになるまでにここまで時間がかかったのは、修業の途中でイーストではなく自家製酵母にはまってしまったから。自家製酵母で焼いたパンはすごくもつ。ずっとおいしい。冬なら1週間くらい大丈夫。もちろん乾いてはくるけど、ちょいと焼けばおいしくなる。焼かなくても、3日くらいは余裕でしっとり。イーストパンの、翌日のかちかち感が哀しくて、そしてどうにもあの匂いが苦手で、パンは自家製酵母で!と思い込んでしまった。

----バゲットイーストのほうがおいしい、という不思議な矛盾にもあとで気づくのですが。

 

りんご酵母は諦めた

 ともかく、四苦八苦してりんご酵母を起こし、なんとか膨らむようにはなった。でも、どうがんばってもレシピ本写真の2/3くらいまでにしかならない。要は酵母の力が弱かったから、なのだけど、当時は酵母を強くする方法とかいうのが、さっぱりわからなかった。本もネットも読みあさったが、食パンが型上5cmになる方法は書いてなかった。パンは生き物だから季節によって膨らみ方が違うので、毎回ギャンブル気分で焼いていた。

 なにがきっかけで始めたのか忘れたが、どうしても力の弱いりんごを諦めて、レーズン酵母にし、それからホップ種も起こすようになった。ホップ種で焼くと、自家製酵母特有のずしりとした重さが軽減されて、軽く焼き上がる。でもイーストよりは食べごたえある。自家製酵母で軽く、かつおいしい食パンを焼くには、ホップにするしかないのだな、と痛感した。

 最初の種起こしは1週間毎日大変なのだけど、そこで種を作れば、あとは1~2週間に一度種継ぎすればいいだけなので、レーズンのように毎日毎日粉を加えて等あれこれしなくていい。そして、米麹を使うせいか、レーズンやりんごのように、今回酵母起きないよ?ということがない。

 

 ちなみに、なぜか起きてくれないレーズン酵母に、ホップ種を一滴入れると、超元気になる。発見した当時は感動したけど、数年後、それはあくまでホップ酵母が起きてるだけでレーズン酵母が起きてるわけではない、とどこかで読んで、そりゃそうか…と思いましたが。でもまたレーズン酵母起こしたら、たぶんホップ入れてしまうと思う。清々しいほど元気に発酵してくれるから。

 

作り方と材料と道具 

ホップ酵母のレシピはシニフィアンシニフィエ志賀勝栄さんの「酵母から考えるパンづくり」を参考にしています。

 

一番種 (つくりやすい分量)

材料 ホップ液(乾燥ホップの実6個と水50ml強を鍋に入れて沸かし、沸いたら弱火で5分煮出し、こしたもの)50g フランスパン粉 30g 熱湯39g 芋(茹でてつぶす)75g りんご10g 水(32℃くらい)70ml 米麹2.5g

 

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⇧ホップ液をつくる。小鍋に水とホップを入れ沸かす。沸騰したらごく弱火にして5分煮出す。茶こしで漉す。

 

 

1日め

ボウルに粉と熱湯をいれ、よく練ってでんぷん化させる。2容器にホップ液を入れ、芋とりんごを入れる。31に2を加えて泡立て器でよく混ぜ、米麹も加えてさらに混ぜる。26℃になっていることが理想。4ラップをかけて28℃で18時間発酵させる。5時間ごとに混ぜる。

 

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⇧私のゆで芋のつくりかた。じゃがいもを2~3等分してレンジ容器にいれ、水を大さじ1入れて(蒸し煮風にするため)、ふたをして4分加熱し、皮をむき、室温まで冷ます。鍋で普通にゆでてもよい。

 

 

2日め

材料

ホップ液12g(1日目の1/4の量で仕込む) フランスパン粉20g、熱湯25g、ゆで芋38g、りんご8g グラニュー糖2g 水67g 米麹2.5g

作り方

1日めと同様に仕込み、水を加えたあと、グラニュー糖を加える。さらに1日めに作った元種75gを加え、混ぜる。温度と混ぜることも同様。28℃で18時間。

 

3日め

 

材料

ホップ液12g 元種62g フランスパン用粉10g 熱湯12g ゆで芋5g りんご5g  グラニュー糖2g 水105g 米麹2.5g

 

作り方

2日めと同じに仕込み、発酵させる。

 

4日め

材料

ホップ液12g 元種50g ゆで芋37.5g りんご5g グラニュー糖2g 水147g 米麹2g

 

作り方

2日めと同じ。熱湯で練った小麦粉は不要。

 

5日め

材料

ホップ液12g 元種45g ゆで芋37.5g りんご4g グラニュー糖2g

水152g 米麹2g

 

作り方

4日めと同じ。

 

6日め

材料

ホップ液12g 元種40g ゆで芋37.5g りんご4g グラニュー糖2g

米麹2g 水160g

 

 材料

じゃがいも りんご 米麹 乾燥ホップ グラニュー糖

 

 

種継ぎ

材料

じゃがいも80g りんご10g 米麹10g 乾燥ホップ20g グラニュー糖7g 水60ml(ミネラルウォーターか浄水) ホップ種80ml

 

作り方

1芋は一番種と同様に茹でる。ホップも同様にホップ液を作る。

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2 ミルサー容器小に2の芋と小さく切ったりんご、米麹、冷ましたホップ液を入れ、ミルサーがまわる程度に水(分量外)をたし、回してペースト状にする。

 

3 保存容器に前のホップ種を入れ、ペーストを加える。400mlになるまで水をたし、グラニュー糖を加えて混ぜる。

 

5 27度で18時間保温。ときどきかき混ぜる。ふたは密閉せずにわずかに空気が入るようにする。

【追記:2021年3月23日】

 今は発酵時間は12時間にしています。酸味を出しすぎないため。

 

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⇧18時間発酵後。ガスがめいっぱいでて膨張したあとが見れます。耳を近づけると、きゅうーきゅうーと鳴いています。これがたまらなく愛おしい。赤ん坊のようです。

 

ポイント

●道具はよく洗い、保存瓶は煮沸して殺菌します。

●材料の分量は厳密でなく、多少の増減は問題ありません。でもじゃがいもとホップ液は当日作ったものを使います。

酵母が死んでしまうので、芋とホップ液はきちんと冷ましてから使います。

●じゃがいもはしっかり火を通しておけばかたまりのままミルサーにかけてOK。

でもりんごはわりとしっかり小さく刻んでおかないと、塊のまま残ってしまいがち。できればりんごは別にすりおろすのがおすすめ。

●ホップ種は1か月くらい冷蔵庫に入れたままでも発酵してくれます。でもやっぱり、1週間~10日くらいで種継ぎしてあげたほうが、酸味も少なく、酵母も元気いっぱいでめりめりパンが発酵するので、おすすめです。

 

【追記:2021年3月23日】

  ロティ・オラン堀田誠さんの著書『誰も教えてくれなかった プロに近づくためのパンの教科書 発酵編』のホップ酵母の作り方には、保存期間は2、3日とあり、これを読んで以来4日おきに酵母を仕込むことにした。(←5年経ってブログの口調が丁寧語ではなくなっているのです。すいません)

 すると、大変お恥ずかしい話なのだが、焼成中のすっぱい匂いが激減した…。実はいつも焼き始めはすっぱい匂いがしていたのである。焼き上がる頃には消えていたので、こんなものかなと思っていた。でもやっぱり酵母が新しいとこの匂いは減るのである。

 しかし、多少はしていた。仕方ないのかと思っていた。

 が、本日、まったくしないという日が訪れた。

 酵母仕込んだ初日(保温後、一晩寝かしたもの)で焼いたもの(後日「こなログ 3月23日」としてにアップします)は、焼き始めも焼き終わりも焼いてる間も、香ばしい香りしかしなかった。なんということだ…。こんなことも可能だったのだ。しかし、酵母仕込み初日の種で焼いたのはこの日が初めてではない。なぜこの日だけ? いや、ほかの日もしてないときがあったのに、気づかなかっただけ? 

 ともあれ今は、酵母はできたてがいい、という結論です。

books.rakuten.co.jp

 

 一番種を仕込む1週間は面倒くさい! とても面倒くさい‼︎ でもそのあとは簡単です。ぜひこの1週間を乗り越えて、ホップライフを楽しんでみてください。