独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

MENU

スペイン旅行記 その0〜メンタル弱めの人間による、あまり役立たない海外旅行の前ふり

最初はレジャーなのに、だんだん修行とか試練にすりかわっていく…

 ブログをさぼっている間にスペイン旅行をしてきました。どうしてもマドリッドプラド美術館で見たい絵があり、でもスペインに行くのに、ガウディ見ないの?という思いももたげてきて、バルセロナマドリッドの行程です。さらに、この2つの間のちょうど中間にあるサラゴサという古都(なのかな?)にも立ち寄りました。

 

f:id:camecon:20170204083219j:plain

↑空がとびきり美しかったサグラダファミリア訪問日。そのかわり、激寒の最高気温7℃…。

 

 10月に予約して、1月に決行。その間にどこに、どうやって、なにしにいくのかを、ひたすらネットや本をにらみながら検討、実行、キャンセル、そしてまた実行…を繰り返してスケジューリング。

 いつもそうなのですが、この準備段階が大変すぎて行く前にへとへとになり、PCの前にいるのもいいかげんうんざりして、あげく持ち前の不安症も出てきて、なんかもう行かなくてよくなってきた…とまでなり、しかし、そこを行かない訳にはいかないのでふんばり、がんばって(?)行ってきました。

 

閉所恐怖症の人間には、あらゆる乗り物が試練です

 そもそもへたれでびびり、かつ飛行機(というか、閉所恐怖なのでエレベータを含むあらゆる乗り物すべて)恐怖症の私には、言葉のわからない外国に、自分で一から計画して行く(夫も同行してるけど)というのは、最初はレジャーなのだけど、だいたい途中から試練というか修行にすり替わります。行ってる途中は、レジャーと試練のミックスになります。どの程度試練なのかというと、今回の旅は、スペインだったからなのか、運がよかったからなのか、食べ物系がことごとく大当たりで、カロリーいっさい気にせず好きに食べていましたが、帰国したら2kg痩せていました。…驚き。

 

 じゃあ添乗員つきのツアーにすれば?という感じですが、小さい頃から団体行動がなにより苦手なので、「集合」とか「解散」とか、もう絶対だめです。だいたい、行きたいとこしか行きたくないし、食べたいものが食べたいので、誰かにその選択をお願いすることはちょっと考えられない。

 

 そんなわけで、ここ数年、ほぼ年に1回、どこかへ旅行していますが、今までのところ、楽しい経験ができて、がんばって行ってよかったなあ!と思います。思い残すことも必ず出てきます。で、じゃあ次はこうしよう、となんか妙なやる気が出てきます。

そんなわけで、数ヶ月して旅の疲れが取れると、また行きたくなる…というサイクル。よし、もっと行ってもっとタフになろう、なんて思ったりするのです。次はもっとうまくできそうな気がする、とか思うのです。

 まあ、宇宙飛行士にでもなれそうなほどメンタル強い夫からすると、「は? 修行? なんの話?」とあしらわれるほど、私の挑戦及び冒険は、あまりにも私限定のささやかなもので、それを痛感するたび寂しい気持ちになるのですが、まあ、人はみんな違うよね、個人差っつうものが、と基本事項を唱えて乗り切ります。

 

ほとんど最後の欲望、「知らないとこが見たい」

 洋服、高級レストラン、リゾートホテルに、車、家具、食器、家電…等々、ほとんどあらゆるものへの激しい欲望が(ほぼ)消滅した40代なかばの今、強烈にあるのは、「見てない場所が見たい」というものです。「もう先がないから、今のうちに見ておかないと」と痛感します。誰かがエッセイで、年をとってくると、「ものが欲しいのではなく、体験が欲しくなる」と書いていたのですが、これは通常(?)の変移なのでしょうか。

 若いときは好奇心もろくにないだめ人間だったので、「知らない場所を知ったときの興奮」をほとんど経験していなかったのですが、ここ十年くらいは、その興奮がなにより楽しい。近所を散歩していても、新しいルートを発見すると、うわ!と思う。たぶん、2年前に鬱がなおったのも関係していると思う。「世界っていろいろとおもしろいんだ」と、最近本当につくづく思うからです。そして、世界の見え方は、こっちの気持ちひとつで全然違うんだ、と。

 日常が倦んでくると、外国旅行のサイトなど見て、うわー、行きたい行きたい、と思いをつのらせます。とくに最近は美術評論家の中野京子さんのエッセイ(すごーくおもしろい!)を片っ端から読んだせいで、「ヨーロッパの美術館は一通り回らなければ」という気持ちも強く、ああ、次はどこへ? いつ? と年がら年中思っているような状態。

 

f:id:camecon:20170204084003j:plain

↑たぶん地元のお客さん用の、おつなバルセロナのカフェにて。おっさんたちの渋いこと、フロアのタイルが美しいこと! スペインでは愛らしいおっさんを山ほど見ました。

1回の旅行で10か月はいける

 そして、いざ旅行を決めてから、当日まではだいたい数ヶ月。その間にあれこれ----行くべき場所、食べるべき場所はもちろん、機内快適グッズとか、最良のガイドブックはどれなのかとか----調べて、手配して、キャンセルして(絶対、なんかしらキャンセルする…)、資料集めて読み込んで、想像して…へとへとになりながらも、充実した日々を送ります。

 で、旅行して、終えてからは、「なにもかも忘れちゃうから、なにもかも撮っておく」というモットーのもとに撮りまくった1000枚近くの写真を、何度も眺めて、反芻する。さらにかの国について勉強したり、見たことのある、でも以前とは全然違う目で見れるかの国を舞台にした映画を見直して、あ、これ、あそこだったのかー、なんて驚いたりする。

 …と、そんな具合で、一度旅行するとだいたい半年は楽しめるのですね。旅行先を決める前からも含めると、10か月くらいいけるかも。

 そして、行くと、自分のなかに新しい物語が生まれる。今回は、プラド美術館の絵をより面白く見るため、かなり真剣にスペインの歴史も学んだので、あれこれ読んだ知識+現地の体験が合わさって、長ーい長ーい大河小説を読み終わったかのような充実感。そして、かつての、「スペイン=ペドロ・アルモドバルと美食の国」程度だった頃の自分とは、もうなにもかも見え方が違う、ということを、日常のいたるところでひしひし感じて…なんともおもしろい。

 この記憶がいったいなんの役に立つのか、と聞かれると正直困るのだけど、なんというか自分の内部が新しいなにかで満たされた、すごくいい気分になります。

 うん、そうです。すごく自分の内部が瑞々しいような感じなのです。