独楽ログ〜こまログ〜

45歳、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証。

スペイン旅行記 その19 〜バルセロナ3日め、グエル公園とニノ市場

バルセロナ3日め

 

 バルセロナ最後の日(正確には出発は明日早朝だけれど)。グエル公園、ニノ市場、グエル邸、ジョアン・ミロ美術館、カタルーニャ美術館カタルーニャ音楽堂と、観てないものがまだまだあるのだが、捻挫した連れ合いがいては、とても無理。しかも「少し仕事がしたい」などとも言う。

 思い切って少数に絞り込む。とにもかくにもグエル公園ジョアン・ミロ美術館、ニノ市場だけは行きたい。あとは時間があれば…で諦めよう。うーん。くやしい。はがゆい。なぜもう1日増やさなかったのか…。もう二度と来ない可能性が高いだけに、簡単には諦めきれない。次こそ、旅行の日程は「多すぎない?」くらいで組もう、と固く誓う。

 

 バルセロナの観光施設の入場料はやたら高いので、朝8時半までに入場すれば無料というグエル公園はぜひこの時間に行きたい。タクシーで20~30分かけて夜明けのほのぐらい街を、8時到着目指して向かう。日の出は8時15分だから、まあ8時ならそれなりには明るいだろう、という計算。

 グエル公園→ニノ市場(mecado del Ninot)で朝ごはん→一旦ホテルへ戻る→夫は仕事→午後、ジョアン・ミロ美術館→カタルーニャ美術館(ミロのすぐ近くなので時間あれば)という行程を組む。朝ごはんは、市場まで我慢。夫が近くの乙なカフェで搾りたてのオレンジジュースとバナナ、コーヒーを買ってきたので、あとは荷物にまぎれていたスナックなどでしのぐ。ホテルのビュッフェ以外、手近な朝ごはんスポットというものがないんだよねえ、ほんとに…。そもそもほとんど店が開いてないし。

 

 しかし唯一開いていたこの地元民専用的なカフェはしぶかった。たむろが目的で、味は二の次的な雰囲気なのに、ジュースはその場で絞るというのがさすがスペイン、なのだろうか。タイルの美しさ、おっさんたちがかもす魅力もさすがスペイン。

 

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まずは早朝グエル公園

 夜明けのグエル公園。この日も気温2℃とかで猛烈に寒かったけれど、やはり天気はよくて、実に美しい! アジア人観光客がけっこういたのは、どういうことなのか。アジア人は無料にとびつくということか。アジア人は早起きなのか。それとも単にアジア人観光客の数が多いのか。

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 バルセロナを一望する高台で美しい眺めを堪能して、やみくもに山の上のほうにあがって散策。あとでこれが大きな失敗だったと気づくけれど、これはこれで楽しかったので、まあいいか。

 失敗というのはつまり、グエル公園の目玉、トカゲのベンチなどはすべて有料ゾーンにあって、無料で入った我々はまずここを観て、そこからゾーンを出て山を散策するべきだったのに、なんとなく足が赴くままに山へ行ってしまったのだ。気づいたら八時半をすぎていて、有料ゾーンにはもう戻れなくなっていた。まあ遠くから眺めたけど…。しかし、さしてくやしくもならなかったのは、この場所がなかなかよかったからである。街の眺め、美しい日の出、山歩き。ガウディの作ったダリいわく「砂糖菓子のような」建物たちもある程度は見れたし、まあ、いいでしょう。とするしかないでしょう。

 

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⇧素晴らしいミモザも見れたし。

 

 よくなかったのは、「じゃあバスを乗り継いで市場へ行ってご飯を食べよう」というときになって、私がバス乗り放題パスを忘れたこと。それでなくても空腹なので、夫は怒った。そして私が、毎回旅行で「乗り物パス」とか切符をなくすことまで思い出して、私を責める。えーん。そう、毎回、便利だから財布ではなくて服のポケットに入れて、そのまま翌日別の服を着てしまうんだよね…。

 しかも、厳しい寒空の下。もうしかたない、タクシーで行こうぜ、となったはいいものの、肝心のタクシーが全く見当たらない。グエル公園は町外れの山の入り口のようなところにあるので、こういうことが起きるのだ。かなりの時間、大通りとタクシーを求めて、気まずい雰囲気で歩き続けるふたり。寒いしおなかすいたし、ホテルにもパスがなかったらどうしよう、という不安もあり、なかなかきつかった。

 

 しかしようやく1~2km歩いてタクシーをつかまえてニノ市場へ着いたら、運がまわってきた。

 バルセロナでどこか市場に行きたい。でも有名どころは賛否両論で「観光客目当ての適当な食べ物を高く売る」「人がすごくて疲れる」的な意見も多く、まあ、それはそれでいいか、期待もせずに…と思いつつ、ではどこに行けばいいのかと迷い続けていたのだが、出発2日前、最後にもう一度情報を洗おう、と書店で立ち読みしたガイドブックで、ニノ市場のことを知ったのだ。

「新しくて、地元民ばかりがいて、すいていて、穴場」ということで、ここだ、ここしかない! トリップアドバイザーで調べても、酷評している人は0だったし!

 

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⇧すみません、この写真はここからお借りしました…。

 

 着いてみたら、めっちゃきれいで、すいていて、素晴らしい市場でありました。

 

 何度かぐるぐる歩き回って、どこで食べればいいのか考える。どこもおいしそうで、まったく決められない。最終的にただ直観で選んだのは、タラ(バカリャウ)が売りの店「Penello 1898」。お姉ちゃんがかわいいし、親切。英語もしゃべれる。ここでまず1~2品食べてみて、だめなら次行こう、となったのだが、むちゃくちゃおいしかったので、本腰入れて食べることにする。

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 この店のサイト、動画つきで素敵です。俺たちがどれだけ鱈を愛しているか、を思う存分見させられて、すごくいい。

 

下戸の私は、紅茶を飲む。なにしろ寒くて寒くて、お姉ちゃんに「あのー、なんかあったかいもの飲みたいんだけど…紅茶とか…。ないか。ないよね」と尋ねると、「OK」と言って、どこかへ消えて、しばらくしたら⇧の紅茶を持って帰ってきた。どうやら別の店に買いに行ってくれたらしい…。やさしいなあ。おかわりまで買いに行ってくれたものなあ。おまけにすごくかわいかったし…。イレギュラーなサービスをしてくれるのは、外国ならではだと思う。日本だと「上に聞いてから」が絶対だから。

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 お通し?的なタラの皮の揚げ物が勝手に出てきた。

 

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特製ペーパーマットも鱈。 

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⇧サンドイッチはもちろん、このポテトチップスはお手製?だよね。この厚さ。うまい〜。

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タラのコロッケ(添えられたアイオリソースがうまいのなんの)

サーディンのサンドイッチ

ピンチョスあれこれ

  どれもこれも、予想を超えるおいしさ。おいしそうで、実際すごくおいしい、というのもなかなかないものだ。

 

 そのうち、いつのまにかお姉ちゃんといれかわっていたお兄さんが、

「今日、すごくおいしいタコが入ってるけど、食べる? グリルするんだよ」と

 いうので、うんうんうん、とオーダー。

 出てきたのが、これ。

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 「うおおおお…」ふたりして地鳴りのような声をあげてしまうほど、激うまだった。まるでいつも食べてるように馴染みのある味。それでいて、食べたことない味。そういうものにこんなに遠いスペインで出会えるとは。これはもっともっと食べなくては、と食べ終わるとすぐ惣菜皿の前まで行って、あれもこれもと注文し、満足するまで食べる。

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グエル公園での冷えた関係も即修復。素晴らしいブランチでありました。

 

 

 それにしても、お姉ちゃんもお兄ちゃんも、まあ親切だった。職業として訓練されたホスピタリティとかではなくて、ごく普通の、親切。まさに「気がいい」という言葉がふさわしい。スペインではみんなこんな感じだった。だからこの旅は楽しかった。

 タクシーでもレストランでもカフェでも、決して向こうから話しかけてくるわけではなく、やたらに笑顔をふりまくこともない。けれど、なにかのきっかけで話すようになると、すごく一生懸命教え、案内してくれる。スペイン語、わからない、と言っても、無視してなおいっそう一生懸命話す。このタラの店ではふたりとも英語が上手だったのでそんなことはなかったけど、「ノーイスパニョール…」とつぶやいて首を振る私たちに、よりいっそう激しく、前のめりになって喋り続ける人たち。しかたないから最終的には、すべての問いかけにうなずくしかない私たち。おもしろかったな…。フランスではこんなこと、なかったものな…。

 

 昼前にホテルに戻り、夫は仕事すると言ってどこぞへ消えたので、私はひとりで電車に乗って、グエル邸へ。

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途中、バルセロナ一の名物通り、ランブラス通りにも立ち寄り、ここで革命のあれこれが…と本で得た知識とてらしあわせようとしてみるけど、いまいちうまくいかない。観光客でごった返した、普通の大通りだった。そりゃそうか。

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 途中、リセウ劇場などを眺めつつ、

 

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 グエル邸に辿りついたら、なんと工事中………。先に来ていた中国人の女の子が「ああああーあああー」と、半泣きで落胆。その嘆きがあまりにも激しくて、遅れた私は悲しみそびれ、「あらあ…」とだけ言った。素敵な門構えだっただけに、くやしいが、仕方ない。今歩いて来たランブラス通りを、来たのとは反対方向に散策し、カタルーニャ広場駅→ホテルへ。