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独楽ログ〜こまログ〜

45歳、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証。

スペイン旅行記 その21 オンライン英会話の意外な効用とサラゴサの駅

サラゴサの日

 

 バルセロナ最後の夜。快適で安くてほくほくだったBホテルのお風呂をためようとしたら、赤い水が出てきた。がーん。建物古いってみんな書いてたから、こんなところでツケが…。しかし、色が消えるまでお湯を出して、あとはよしとする。アフリカで泥水のシャワーを喜々として浴びていたキョンキョンを思い出して、私も喜んで浴びる。

 フロントに電話して文句を言うような生活はもうしないのだ、うん。

 

たしかに英語は上達していた。と思う

 バスルームのライトが消えかかっていて、ちかちか点滅すること、赤水が出たことをチェックアウトのときにフロントに告げる。しかし「バスルームのライトが点滅する、たぶん切れかかっている」という簡単な英文が通じない。そのときフロントにいたのはふたりだったのだけど、ふたりともきょとんとしている。おかしいなあ、と思って、ゆっくり、はっきり、繰り返したら、わかってくれた。

 このとき私はオンライン英会話の威力を思い知った。通じなかったのに? いや、そこではなくて、通じなかったときに、私が全くパニックに陥らずに、「この人たちは英語があまりできないからわからないのだ。しょうがない。もっとはっきり発音しよう」と、ごく自然と上から目線が沸いてきたことである。そこには「この英文は絶対正しいのだ」という自信があったというわけである。だから言い回しを変えたりせず、同じ文章を繰り返した。

 誰とも会話せず、ただ長年英語の勉強をしてきたときには、これはなかった。実際現場で使って、少しでも意味不明な顔をされたら、もう冷や汗が出てパニックになり、あとはさらにしどろもどろになって会話崩壊、というのが常道だった。しかし毎日50分、フィリピン人と会話していたら、自然と今、自分の話している英語が、どのくらい正確なのかわかるようになったのだ。毎日、「これ、通じる? あってる? あ、この言い方はいいのね?」と確認しながら会話していたら、その感覚が自然とつかめるようになった。

 通じなくても全く動じない自分にかなり驚いた。こんな意外な場面で物事の成果というのは確認できるものなのだ。

 

バルセロナサンツ駅

 そんなこんなを経て、出発。バルセロナ・サンツ駅7時すぎ発のAVEに乗らなければならない。格安チケットだから変更不可。真っ暗な夜明け前の街にスーツケースをひきずって出る。サンツ駅はとてもでかくて、楽しそうな店がいろいろとやっていた。サンドイッチデリ、カフェ、マクドナルドに生ハム屋(ここはクローズしてたけど)まで。ちなみにこちらのマクドナルドにはクロワッサンがある。

 

 

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 ヨーロッパのサンドイッチというのはどうしてこんなにおいしそうなのだろうか。食べたくてたまらないが、サラゴサでの食事でがんばりたいので、ヨーグルトでこらえる。でもこのヨーグルトがめちゃめちゃおいしかったのだが。濃厚、まろやか。しみじみうまい。やっぱり乳製品はヨーロッパにはかなわないのかなあ。

 

 バルセロナからマドリッドまで600kmくらいあるので、じゃあせっかくだからどこかで降りてみようということになり、真ん中のサラゴサにしてみた。世界遺産の教会や宮殿がある古都。という情報しか得られず、まあ、ぶらつくかあ、と思っていたのだけど、これも突然出発直前に、「いや、もっとなんかあるだろう、見どころ、食べどころが!」と思い立って、しつこく検索したら、「サラゴサはおいしいバルで有名な街」だとのこと。ほらやっぱり! なぜ今までの検索(結構してたんだけど…)で出てこなかったのか。

 いくつかのブログやtrip adveiserを読み込んで、ここはうまいでしょ!という店をピックアップ、着いたらここへ行き、午後2時すぎにはあちら…と目星をつける。ランチの店は人気店らしく、予約を受け付けていたのでメールを書いてもみた。返事はこなかった…。一生懸命辞書をひきひき、スペイン語で書いたのに。やはりド頭の「Hola!」を「Holla!」と間違えたのが効いたのかな…。かなり長く書いたのに、無視されてとても哀しい。

 まあでも、おいしそうな店はいくつもあるので、代案はいくらでもあるので、あまり気にしていなかった。

 

AVEって快適なのだ!

 飛行機に乗るように荷物検査をしてAVEに乗り込む。思ったより快適で驚く。車内もそこそこ広いし、新幹線のようにすーっと走るし、なんというか、すごく乗り心地がいい。隣では背広姿のお兄さんがずっとPCを広げて仕事していて、スペインで背広姿の人って、初めて見たので新鮮。やっぱりいるのか、勤め人も。当たり前か。でもこの国には食べ物や飲み物を楽しげに出すおっさんしかいないのかと思っていた…。

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体感温度を下げまくる広大なサラゴサ

 サラゴサ駅に着いたら、ロシアのように寒かった。雨と雪がちらつく、今回の旅行で最も寒かった日。そういえば昨夜のテレビでも「ここにも雪が! あそこにも!」と非常事態っぽくニュースでレポートしていたっけ。いや、それにしても寒い! このもともとの寒さを、とてつもなくでかいサラゴサ駅構内が、体感温度5℃くらい下げていたと思う。

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 改札を出て、なにしろまずはスーツケースを預かってもらう荷物預かり所に行かなければいけないのだが、これが改札と真反対の端っこにある。⇧この写真の、一番はしまで歩くのだ…。

その距離が長いよ、とは事前リサーチですでにわかっていたのだが、それでも驚きを隠せないほどの距離だった。

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ドームスタジアム並にでかい天井。滑走路を思わせる延々と伸びる線路。こんな空間を暖房で暖められるはずもなく、もうひたすらに寒い。しかも広すぎて寒々しいのだ。大げさでなく、このまま凍って死んでしまうのかも、と思った。そこを、スーツケースをひきずり、黙々と歩く。目的の「改札反対側」は見えているのだが、歩いても歩いても歩いても着かない。砂漠のよう。氷の砂漠。

 建物のスケールの違いは欧米で感心することのひとつだけど、これもまたそうなのであった。

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⇧天井がこれまたかっこいい。

 

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⇧全景。この建物すべてが駅。奥の奥の奥まで続いている…。

 

 あとでタクシーの運転手に聞いたところによると(なぜ解読できたのは、今思うと不思議。こちらがエスタシオン(駅)…ムーチャス…グランデ…と呟いたら、いろいろ教えてくれた)、サラゴサは、マドリッドバルセロナなど、スペインの主要都市から等距離にあるという街で、ハブステーションらしいのである。だからRenfe(スペイン国鉄)も気合いを入れて駅を作ったらしい。だからといってこんなに大きくある必要があるかどうかはよくわからないのだが…。

 

スーツケース預けるのも一苦労 

 ようやく着いて、この瞬間のために覚えてきたconsigna(荷物預かり所)という単語を呟いて探す。広いから簡単には見つからない。ついに見つけたら、そこは鍵のかかった小部屋だった。無人。ガラス張りのドアの向こうに、ずらりと並んだコインロッカーが見える。

 インターホンに、「荷物を預けたい人はこれを押して、誰か来るのを待ってください」的なことが英語で書いてある。

 押してみるが、なんの応答もない。寒いよ寒いよ、と言いながら、押し続ける。そのうち誰かが出て、まったくわからないスペイン語でなにか言って、がしゃりと通信終了。きっと来てくれるんだよね……と信じながら、またしばらく待つ。うー、なげえ。寒い。

 しかし、銃を持ったガードマンがついに現れ、小部屋に入れてくれ、なんとかスーツケースから解放された。ほんとよかった。

 

 身軽になった。では、朝ご飯を食べに行こう。ここは9時からやってるらしいよ。世界遺産のアルファフェリア宮殿の近くで、でも駅からは少しあるからタクシー。  と、活動開始。でも外に出たら氷のような雨がしとしと降っていて、やはり猛烈に寒くて、捻挫が日々ひどくなる(当たり前か。歩いてるんだから)夫とともに、散策どころじゃないなあと意気消沈…。まあとりあえずご飯だよね、とタクシーに乗って、一生懸命住所を伝えて走ってもらった。

 

 そしていよいよこのあと、この旅でもっともおいしい食事をすることになるのであった。