独楽ログ〜こまログ〜

45歳、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証。

スペイン旅行記 その25 マドリード到着と2つの教訓

マドリード到着!

 極寒のサラゴサから快適なAVEに乗ってマドリードへ。車内のモニターで明らかにソープオペラ風のドラマをやっていた。男女が薄暗い部屋でいちゃいちゃしたり、痴話喧嘩をしたりするドラマを、乗客みんなで共同モニターで眺めるのってなんだか不思議…。

 

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 マドリードの駅はすごく東京や名古屋の新幹線駅と似ていた。異国情緒はゼロ。これからAir bnbのホスト、初対面の人に会うので緊張してなんというかそれどころじゃなかったというか。人の波に乗ってタクシー乗り場へ行き、ずらりと並んでいた一台に乗る。まずここで過ちを犯す。

 

宿まではわずか1km

 乗り込んでから行き先を告げる。距離にして1kmしかないので、ごめんね、と言いながら(というか表現しながら)住所を告げる。すでに車を出し、同時に住所をナビで検索している運ちゃん。到着地がここから1kmであることに気づいて、叫び出す。「☓☓★☆△○♡~ウンキロメーター!」ウンキロメーター=1kmだけ聞き取れた。そう、彼は怒っているのだ。あちゃー。私たちはにまにましながら、「だよねー。やだよねー、1kmなんてねー。ごめんなさいー」と謝ったり笑ったりしてごまかす。そんななか、プラド美術館やその隣の公園などを目に入れつつ…。

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怒りは何語でも伝わる

 夫は乗車したときから自分の携帯のグーグルマップを見つめている。そしてしばらく走ったあと、「ん? こいつ、なんか違うとこ走ってるぞ」と言い出した。え? ええ? だって間違えのようのない簡単な1本道だったじゃない? 「違う。全然違うとこ行きだした」…なるほど、近すぎるから遠回りして乗車賃稼ぐのか! ひどい! なんてことだ! でもこんなときなんて抗議すれば? おろおろする私。そしてため息をついて「ああー。ついてないー。なんて車に乗ってしまったんだ」と愚痴る。

 夫は携帯をにらみながらぐい、と前に身を乗り出して前方を指さし、「おい! 道違うぞ! ちゃんと走れ!」と怒鳴りだした。ひえー。この人が怒鳴ってる! いつも頼んでもモノをしゃべらない無口な男なので、私のほうが驚く。しかも日本語で怒鳴ってる。運転手もすごく驚く。さっきまでにやにやしていた東洋人がいきなり怒り出したんだから、そりゃ驚くか。「あわわわ……」と私と同様、うろたえだす運転手。

「こら! わざと間違えるな! 近いからって遠回りなんかするな! ちゃんと行け! ほら!」さらに怒鳴る夫。運転手は「チャントイケ△○□~ハポネス!♡☆□☓☓!」と動揺の反応で何か言ってる。たぶん「チャントイケって、日本語だろ!?そんなのわかるかっつうの!」と言ったのだと思う。私は、こういうときは日本語で怒鳴ればいいのか、としみじみと感心してしまった。激しい感情ってのは、何語でも通じるのねえ…。

 もしこの運転手が、恐ろしい男で、開き直って怒鳴り返したり、どんどん違うとこ走り出したりしたらどうするのだろう!? …と私はなお怯えながら状況を見守っていたのだが、運良く運転手は、気の小さな男で完全に気合い負けしてしまったようだ。いじいじした様子で方向転換して無事私達を指定の住所まで送り届けてくれた。しかも、カッカした様子でトランクから荷物を出そうとする旦那を制して、「僕がやるよ…」とばかりにスーツケースを降ろしてくれたので、まあ気はいいのだろう。

 夫も値引かずにメーター通りの料金を払ってあげていた。そしてあとでぷんぷんしていた。これは思いやりなのかなんなのかわからない。いつも値引けるときはとことん値引く関西人なので。

 

 ここでの教訓は、タクシーに乗る前に、「短い距離だけでいい? いいね?」ときっちり確認したほうがいいということと、非常時は日本語で堂々と大きな声で言えばいいのだ、ということ、でありました。

 

ホストのマリアと対面!

 そしていよいよホストのマリアと対面。部屋の素敵な感じと写真の痩せた面立ち、事前のメールもかなり素っ気ない様子からして、「隙のない知的な女性」と思いこんでいて、「怖いひとかもなあ」と怯えていたのだけど、ドアを開けた瞬間、まるっきり思い違いだったとわかる。めちゃくちゃ人懐っこい笑顔と消え入りそうなかわいらしい声で「hello~!」と迎え入れてくれたのだ。

 かぼそくて、はかなくて、少女がそのまま大人になったような。初対面の東洋人を心底うれしそうに迎え入れる。この笑顔で、「あー、よかったー! この人は大丈夫!」といきなり安堵してしまう私も単純すぎるのだが、そのくらい威力のある笑顔だった。

 

 写真で見る以上に素敵なアパートメントを、丁寧に案内してくれる。本当に下手なホテルの数倍素敵で驚いてしまう。これはすごい。どんな状況でも対応できるよう、ハードルは上げないよう上げないようしてきただけに、想像以上に素敵な部屋とマリアの対応に感動。

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⇧すべての場所が完璧に整えられている。

 

 リビングでかなり長い間話し込んだ記憶があるのだが(途中夫が、ふたりとも、そんなに話すなら座ったら?と言ったから)、なにを話したのか全然思い出せないのはなぜなのか…。

たぶん、「プラド美術館に行きたいの」とか、そんな内容だったと思うのだけど…。あ、あと「海に近いバルセロナに比べてマドリードは湿気がないのよ」とかそんな話したっけ。「ずっとマドリードで暮らしてるの」とか。

 まあともかく熱烈に歓迎されて、後半の旅が楽しく始まったことに深く感謝。

 この日はサラゴサで食べすぎたこともあり、近所をぶらっとしただけで(でもこういうことが楽しいのだが)、寝てしまった。

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⇧ちいさくてかわいらしい、私たちの部屋。写真で見た通り、やはりふたりではこのベッドは狭すぎるのでは…と思ったが、実際体を横たえてみると難なく寝れて、すごく不思議なベッドでした。プライベートバスもつき。

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⇧毎日、このようにテーブルセッティングされている!とあとで気づいて驚く。缶にはビスケットと紅茶。小皿には(いまはない)チョコレート。なにもかもかわいらしくて、しみじみ感激。

夫はまだタクシーの運ちゃんに怒っていて、「その怒りを撮っておいてくれ」というので、こぶしを握っている。