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独楽ログ〜こまログ〜

45歳、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証。

大久保カレー&スパイス散歩

スパイシーカレー魯珈に行ってみた

 

 大久保はスパイスを買うため、たまーに行くのですが、しばらく行かないうちに、カレーの大人気店ができてたらしい。みんなが動く週末はじっと我慢し、月曜になったのででかけてみる。ついでに、治りかけの腰には歩くのがいちばんよい気がするので、散歩も兼ねて。

 

 カレーの店は「スパイシーカレー 魯珈(ろか)」。東京駅のおいしいカレー店、「エリック・サウス」に7年いたという女性がひとりでやっている店らしい。そこで修行したカレーと、さらに彼女が愛してやまない魯肉飯(ルウロウハン・台湾の豚バラ煮込みかけごはん)の両方が食べれるという……個人店って、好き勝手やれて本当にいいなあ。

 昨年12月にオープンしたら、立て続けにテレビ取材が来たらしく、あっという間に大人気店に。おかげで月曜の昼でも並ばなければならない…。

 

 

 小さな小さな店で、ほそーいカウンターにぎゅっと並んで食べる。この狭さでは店内撮影は不可能だ。なかなかかわいい店なのだけど…。

 

 へそ曲がりだからなのか、名物魯肉飯&カレーが一緒に食べれる魯珈プレートではなく、カレー二種盛りにしてしまった。ちょっと後悔…。でも魯肉飯とカレーがけんかしそうな気がしてしまったのだ。ああ、でも両隣の人がともにプレートを食べていて、うう、味が知りたい…と激しく後悔。

 

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 2種のカレー、私は一押しというラムカレ(左)ーと本日のカレー、カリ・サピ。インドネシアの牛肉カレーだそうな。これはグリーンカレーのようだった。ココナッツミルクの味がした気がしたが、キャンドルナッツでこくをだした、と書いてある。おいしい。ラムカレーはスパイシーですっぱくて、どんぴしゃり、私の好み。玉ねぎのアチャールを大量に一緒に食べると、なおすっぱ辛くて、おいしい。なるほどー。人気店になるだけあるなあ。

 

 店の外にはずらずら人が並び、店内はぎっしり人が座ってて、それをたったひとりで女の人が切り盛りしている。カレーを用意し、客と会話し、電話に出てテイクアウトの注文を受け、カレーをサーブし、会計をし、テーブルを片付ける。これらを急いでるふうもなく、しかし猛スピードで、笑顔でやっている。これはすごい技なのではないだろうか?

 

 この愛のフライヤーを読めばよくわかると思うのだが、このオーナーさん、かわいらしくて情熱的、驚くほど感じのよい人である。人は、ここまで感じよく人をもてなせるものだろうか?と文語的に疑念を呈してしまうほど、完璧で素晴らしい接客。明るい、元気、気配りあり。お客さんも彼女と話すのが楽しくてたまらないようだ。カレーの話とか大久保という場所についての話とか、いろんな人とずっと会話している。ものすごい空腹でやってきた私は、さらに20分外で待ったあとだけに、「ああ……そうやってあなたが店主に話しかけると、私のカレーを作る時間が……」とまた狭量な考えを抱きながら、じっとカレーが来るのを待っていたのであるが…。

  チャイやラッシーも飲みたかったのだが、全然まったくここでくつろぐという雰囲気ではないため、諦める。

 

 おなかいっぱいでふうふう言いながら、新大久保のスパイスエリアへ向かう。新大久保駅の手前、マツモトキヨシの脇の道を左(向かって新大久保駅の場合)に曲がると、インド&イスラムエリア。大久保自体がかなり異国雰囲気満載の場所だが、なかでもこのストリートのエキゾチックさときたら…。家の近くにこんな場所があるなんて、本当に不思議だ。

 

「スパイス料理をいろいろしてみたい。でもスパイスってあれこれ揃えると高いよねえ」と思いながらググっていたら、大久保で買えばめっちゃ安いという情報を得たのである。このエリアには何軒もインド&イスラム食材屋があって、見比べるのも楽しい。

 

↑歩いてると最初に現れる店。

 

⇧ブレまくりでも、この店の野放途な感じは伝わると思う。

 

 この店の何に注目すべきかというと、とても日本とは思えない店内の荒れ具合である…。鳩とか平気で入り込んでるし。整理整頓という言葉、たぶん店主および店員は見たことも聞いたこともないのであろう…と思われる、異国チックな乱雑さ。でもおもしろい。店員さんはぎょろっとした目つきが本当に怖い。私が店内を長い間あるきまわっていても、何も言わない。けれど、いざ会計すると、にこっと笑って、「これでヨロシですか」と言ったりするのだ。なんだ……いい人なのか…。店に出入りするのはすべて外国人で、彼らと外国語で喋り続けているから、日本語なんて必要なさそうなのだが、ちゃんと「ヨロシですか」などというオモテナシ用語をマスターしている。

 

 何回か通ってわかったのは、この店にかぎらず、みんな店でうろうろする私に、決して声はかけないということである。どれだけ「なにか探してそう」な顔をしていても、どれだけ彼が暇でも、決して声はかけない。おそろしい目つきで、ただなにかを睨んで黙っている。もしくは、仲間と話し込んでいる。だが、こちらが声をかけると、喜んで話し出す(なんだかどこぞの国でも同じだった気が…)。笑顔もどんどん出る。日本語は、日常会話はもちろん接客用語もマスター。…というのが、彼らの基本姿勢らしい。

 

 二軒目はここ。「JANNAT」。

ここはきれいなのである。店主が几帳面なのだろう。一軒目で「本場感」を味わったあと、「でもいくら本場っぽくても私は日本仕様に慣れてるからつらいなあ…」と心が折れかける、しかしこの店が現れてほっとする、というのを、来るたびに繰り返していることに気づいた。

 

↑スパイス、豆類、調味料類がずらりと並んで楽しい。

 

↑発酵コーンの粉、とか…。なにを作るものなのだろう?

 

↑食品屋には必ず電話が売ってる。異国の地での(まあ異国じゃなくても、だけど)まず最初に必要なもの、ということなのだろうか。そしてだいたい数人たむろして、おしゃべりしている。

 

 広い、きれい、明るい。そしてなによりうれしいのが、スパイスを小分けにして売ってくれているところだ。たぶん、通常売ってる300、400、500gくらいの箱入りスパイスを、この店でいちいち開封して小分けにしているのだろうと思う。

 

↑こんなふうに。だいたい普通のスーパーの1/3くらいの値段で買えます。

 

 この店のお兄さんも、仁王のような顔で黙っていた。だが、私がレジに品物を持っていき、「お願いします」というと、にこーっと笑って、「はあい!」と言った。そして、「これ、2つ種類あるけど、これでいい?」と聞いてきた。チリパウダーが2種類あるらしいのだ。見た目はまったく同じ、赤いパウダー状。

「これ、ガーナ産でスーパースーパーホット!ね。いい?」

「え、だめだめだめ、そこまでホットじゃなくていい」

「じゃ、こっちでいいよ、きっと。こっちはインド産ね。あっちは350円だけど、こっちは200円」

「へー。見た目全く同じなのに…」

「僕たちも辛い好き、だけどこれはだめね、もうほーんのちょっと入れても、もうすごいね、辛くて辛くて辛くて」

「そうなんだ…こわい…教えてもらってよかった。ガーナの人は辛いのが好きなのね」

「そう。一度辛いの食べちゃうと、慣れちゃうからね」

「物足りなくなるのね」

「あとね、いつも辛いものに食べてる人はね、辛くないもの食べるとおなか壊しちゃうね」

「えーっ、そうなの!?」

「そうね。壊しちゃう」

 

 基本、人と交際しないのだが、店の人とあとくされない話をするのは大好きなのであった…。クリーニングのおばちゃんとか…。そのおかげでなんだかえらい有益な話が聞けた。

 気が大きくなった私は、「写真撮ってもいいですか?」とまで聞いた。勇気を出して。ふだん絶対そんなこと聞けないのに…。そしたら「いいよーいいよー、もうどんどん撮って!と両手を広げた……。なんか感動。これぞ“心が開けてる”人なのかも。「あ、お兄さんも撮っていい?」とさらに食い込むと、もっと笑顔になって「えーっ、いいよ! どうぞ!」。

 

↑みよ、このフルスイングな笑顔。今書いてても、なんだかほろりとしてしまいそうなほど、ナイスなお兄ちゃんだった。

 ↑これだけ買った。クミン、コリアンダーマスタードシードターメリック、そしてチリパウダー。ムングダール(緑豆)。ムングダールをのぞき、全部で2千円しなかったと思う。家に着いて荷物をあけたらいい香り!

 

 その後、大久保での第二の使命、業務スーパーへ。ラップ放浪の旅を続けていた私は、最終的にここの「プロ好みのラップ」がベスト、だと結論を下したのである。だから買い込まないと。

 切れにくい、密着感あり、100Mで大容量。これを使うと、サランラップとか、すぐ切れるからやってられないです。100均のラップは無添加かもしれないけど、ただのビニールだし…。すべての100円ラップがそうではないのだが。

 しかしこの間仕事したベテラン料理研究家の先生は、「結局サランラップが一番よね」と言っていて、私はなにも答えられなかった…。ここで争うのはよくないと思った…。人の好みっていろいろだなあ、と強く思ったので、ラップを使うたびに先生の顔を思い出す。

 

 ともかく、私はこの「プロ好みのラップ」が好きなので、業務スーパーの前を通りかかったら必ず買わなければいけないのである。家の近所にはない。

 

↑しかし、レジがものすごい列だった…。この人たち全員、レジに並ぶ人らです。果ての果てまで人の頭が見える。ここいらの飲食店従業員が大集合してる感じ。みんな買い物の量がものすごいから。

 

 なんとか買い終えたあと、腰をいたわってすぐ電車に乗るか、西新宿まで歩くか悩むが、歩くのが好きなので無理して歩いてみる。新大久保~西新宿まで、ごみごみした住宅街をちまちま抜けていき、ふと大通りに出ると高層ビルが!というのが結構楽しいのである。

 

 西新宿のタリーズでようやくお茶の時間。午後1時すぎ、昼寝しているサラリーマンがたくさんいて、いろいろ思う。それでなくてもこのへんを歩くと、ほぼ全員会社員で、非会社員でない私はいろいろともの思うのである。

 昔、先輩フリーライターが、「銀座とか歩くと、自分以外は全員カタギに見えて、なんか居心地悪いのよね」と言っていた。自由奔放に全力で自由業を謳歌しているような人だったので、そんなこと思うんだあと意外だった。つまり、「できれば会社員になりたかったな」と思ったりするってことだよねえ…と。私の場合、安定して働ける会社員に対する憧れ、尊敬、僻み妬みそねみ、がないわけではないのだが、こういう勤め人天国のような場所を歩いても、とくに気が滅入るわけではない。ただ、みんな毎日ここに通って働いてるんだなあ……としみじみ思うだけである。帰りはこういうとこで飲むんだろうなあ…とか。私とは全然違う生活送ってるんだなあ。毎日、なにを楽しみに暮らしているのかなあ、とか。

 

 こんなに西新宿について書くなら、高層ビル写真の一枚でも撮るべきだった。後悔。

次回行ったら撮って、アップしよう。