独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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梅雨なので、ゲランドの塩で梅干しを漬けよう

夏が来る…。

 いつのまにか7月になってしまった。人を一気に年取らせる季節、夏。なにかを試すかのように容赦なく太陽が照る夏。なのに多くの人が愛する夏。私は愛していない。夏は毎年私を弱らせる。今年もさっそく、ここ数日の猛暑ですっかりぐったりしてしまって、どうやって、少しでも快適に過ごそうかと考える暇もなかった。いつも考えているわけではないのだが…。夏にはなにもできない。ただ生きてるだけでもう精一杯である。

 

しかしまだ梅雨でもある 

 しかし、正確に言うといまはまだ梅雨なわけで、梅雨に主婦がすることといえば梅仕事。私は大の梅干し好きで、誰も食べる人がいないというのに(夫の唯一の嫌いな食べ物、それが梅干し…)毎年5kg頼んで、しそ漬け、白梅漬け、甘酢漬け…と、いろいろ漬けている。そしてひとりで食べている。なんというかなかなか贅沢な趣味である。ていうか、実際書いてみると哀しい。

 とくに変わった漬け方をしているわけではないのだが、その梅仕事をいちおう書いてみようと思う。

 ※前回書いた飴色玉葱の活用方は、次回…。

 

 

 うちの梅干しの、唯一の特徴らしい特徴、それはゲランドの塩で漬けることである。最初は日本のおいしいと言われている塩で漬けていたのだけど、ある年、切り替えたら、かなりはっきりと味が変わった。塩みがまるくなり、あきらかにおいしい。家庭の梅干しなので塩分を減らすのも怖く、うちはいまのところ14%で漬けているのだが、それゆえに塩の味がかなり影響してくるのか? とにかく全然味が違ったので、それ以来、梅干しは必ずゲランドの塩で漬けることにしている。

⇧ゲランドの塩は粗塩と顆粒があるけれど、ちゃんと梅にまぶるように顆粒を使う。楽天などでまとめて買うと1kg700円くらいで買える。いまのところ、これが底値。

 

 梅干しも、最初の数年はいろいろなところで買ってみて失敗したり成功したりなどして、結局ここの梅がいちばん立派で美しく、そしておいしい、ということで紀州小阪農園さんで定着した。しかし、今年はかなりの不作だとかで、5kg7000円した……痛い。これは痛い価格だ。いつもは5千円台くらいで、それでも高いなあ…と思いながら買っているのだが。でも、こちらの梅はいつも期待を裏切らない。

 ⇧梅はきれいだなあ

www.kosakanoume.com

 

 

 作り始めの頃は、このサイト、四畳半の住人、をめっちゃ参考にさせてもらっていた。よくわからないのだが、四畳半で、独自の生活を送る男性のサイト、である。無駄(だと思う)な費用を極限までおさえ、しかし同時に豊かに暮らす、を実践している、なんか仙人のような方なのだ。四畳半で暮らし、銭湯に通い、梅干しを漬け、わかさぎを釣り、自転車に乗り、ガス台を掃除し、寒い冬の四畳半でいかに温まるかを考える。その他生活のすみずみまで自分の納得したやり方をみつけて実践している。ブログなんてものが現れる前からみっちりとしたサイトを作っていて、インスタ映えなんて1ミリも考えず、しかし多くの人の生活を豊かにしてきた(と思う)。私も梅干し作りを始めたときから、長年にわたって愛読させていただいている。ここに来ると、そのびしっとした生活哲学に、なんだか身がひきしまる。ご興味ある方はぜひ。

homepage45.net

 それで私も梅干しの漬け方を身につけた

 で、そんなこんなで試行錯誤しながら10年くらい梅干しを漬けて、どうにか自分のやり方ができてきたのでここに最低限守るべきことを書いて見る。

 大事なことは、とにかくカビさせない。カビさせないための梅酢をさっさとあげる、の二点だ。

 なので、注意点は

●梅酢がすぐ出るよう、完熟梅を使う

●梅干しを洗ったあと、ようく、ようく水気をとる。

●焼酎も使うし、パストリーゼ(さとうきびから作ったアルコール食品殺菌スプレー)もばんばん使う。できた梅干しにお酒の匂いとか、しません。

●道具はきっちりパストリーゼで消毒。手も消毒。

●重しは梅酢をすばやく出すため、最初はきっかり、梅の2倍。

●塩がまんべんなく行き渡るようにする

 

というところだろうか。

具体的な手順は

 

1届いた梅を数日放置して完熟させる。うっすら黄緑が残っているようなものがまじっているなら、ぐっとこらえて真っ黄色~オレンジになるまで待つ。待っている間、家中があまい梅の匂いでいっぱいになる。これは素晴らしい数日である。

 

2傷のあるものとないものに選別する。傷はカビのもと。きれいなものだけを梅干しにする。はじかれたものは甘酢漬けかジャムになる。

 …が、しかし、正直言って、この傷ものの選別はかなり難しい。ごく小さなシミがある梅干しも多く、これ、傷? 傷じゃない?と判断に苦しむのだ。本に載っている「こんなのはNG」という梅は明らかに傷ついてるものが多いので、ごくごく軽いシミや傷はどうなの?という疑問が残ったままである。しかしここ数年は、勇気を出して「これはきれいだから大丈夫!」と採用する傾向にある。もったいないし。実験しないと永遠に答え出ないし。今のところ、カビてないので少々の難(傷のすきまから果肉がのぞいている傷はたとえわずかでもだめですよ!)はOKのようだ。

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⇧こんな感じの、傷というか線、のようなものは許容範囲にした。

 

 選別後、水に1時間漬けてあくぬきをする。(完熟していれば漬けなくていい、という説もあり)。水に漬けた完熟梅がまた、美しい!

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 3サラシやペーパータオルでしっかりと水気をふきとり、なりくちを竹串で取り除く。なりくちにたまっている水をちゃんととりのぞく。ここがカビやすい場所だとのこと。

 

4消毒した容器に焼酎を適当にまく。梅の14%の塩を用意し、底面にひとつかみまく。ごくわずかでよい。

 

5小さなボウルに焼酎を入れ、梅干しをひとつずつ、洗う→塩をまぶす→容器に並べる。なりくちにしっかり塩を詰める。隙間なく詰めたいので、きっちりきれいに並べていく。

 

⇧焼酎で洗って

⇧塩をまぶす。

 6一段並べたら塩を表面にまぶす。一段目などは、塩が上の段から降りてくるので少なめでよい。

 

75を繰り返す。最後に焼酎を適当に入れ、残りの塩を、ふたをするようにまぶす。パストリーゼもしっかり噴射。

8梅の重量の約2倍の重さの重しをのせる。私はガラス皿をふたがわりにのせ、ラップ→ホウロウやガラスボウ

 

ルのような酸に強い素材の皿かボウルをのせ、そこにジップロックに入れた砂糖や小麦粉の袋(重量が簡単にわかるから)を乗せる。

 

⇧ふたは閉まらないので、数日はこんなタワーが。左がパストリーゼ。

9一晩で梅の8割、まる二日で梅がすっぽり隠れるくらいまで梅酢があがるのが理想。梅酢があがれば、殺菌してくれるのでカビの心配はほとんどなくなる。

 

⇧1日後。ここまできたらもう重しは梅と同量でよい。梅が全部浸かれば、それより軽くてもよい。

 ちなみにゲランドの塩で漬けると、梅酢が完全な透明でなく、少々濁ります。最初はカビたのかと思って冷や汗が出たけれど、その後無事に梅干しになり、以後何年も繰り返しているので、これはゲランドの塩の特徴というだけでカビではないようです。海藻なんかが混じってる塩だからかな、と私は考えているのだけど…。

 

 10しそ梅干しにするなら、赤しそを買ってきて塩もみし、(じくや茎をのぞいた赤紫蘇の葉を洗って水気をのぞき、少量の塩をまぶしてもみこむ×2回、でアクを抜いたもの)加える。赤しそを加えるとカビやすくなるのでしっかり梅酢にすべてが使っているかを確認し、こまめに様子を見る。

 白梅干しも作りたいなら、しそを入れる前にとりわけておく。

 

カビたら? 

………実はまだカビたことがないので、なにも言えません……。しかし対処法はいろいろあるようです。四畳半さんなどを参考にしてください。

 

11ある晴れた夏の日(秋でもいいけど)に、三日三晩干す。途中で天気が悪くなるなどしたら、連続した三日でなくてもよい。そのたびに梅酢に戻さなければいけないけれど。

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⇧何年か前の写真。まだあと2日くらい干さなければ、という感じです。でもすぐ食べるなら、半干しの梅もまたよし、です。 

 

↑左が2016年作、右が2015年作(紫蘇が多いのでかなり赤い)、手前の小さな瓶は…いつかな2013年くらいかな? 3年もたつと、色も形状も明らかにかわり、そしてぐーん!とおいしくなる。なので古いのもとっておきたいのだが、実はなんだかんだと食べ切ってしまいがちで、古漬けが楽しめない…。

 で、傷ものはさしす梅干しと

↑傷ものは甘酢漬けに。横山タカ子さんの「さしす梅干し」。去年作ったら、かなりおいしかったので、今年も。さ→砂糖、し→塩 す→酢に漬けるから、少々傷のある梅でも大丈夫。本当は、しばらく漬けたら干すのだけど、私は干さないで食べてます。干さなくてもジューシーでおいしい。漬け汁でドレッシングを作ると、これまたとてもおいしい。たぶん、はちみつをたしてペリエで割ったらおいしいサワードリンクになると思う。

www.kyounoryouri.jp

 はちみつ梅ジャムになる

↑完熟梅の美しさを長いこと堪能できる、ジャム。いろんなやり方があるけれど、今は梅の20%の砂糖をまぶして水分を出し、その水分で煮たら、種をとりのぞいて30~50%のはちみつを混ぜる、というやり方で落ち着いている。うーん、なんて美しいオレンジ色。種をとりのぞくのが結構一苦労なのだが、友人の母は「種をとらないという選択」をした、という! 自家用なら全然ありかも。今回もさんざん悩んだあげく、魔が差してとってみた。まあ、見た目はきれいですよね、とったほうが。

 

 2月の厳寒のときにかわいらしい花を咲かせて、その後青々とさわやかな葉を繁らせ、五月になったらいい匂いをふりまきながら、美しい青い実をつけて、しばらくするとそれがオレンジになって、こんなおいしいものになる。梅って……なんて有能なんだ、としみじみ感服するのだけど、それを梅干しを憎んでいる夫に言ってもいまひとつ伝わらず、またここでも孤独を感じる雨の夕方であった……。

 ランニングコースにある梅の木。なぜかいまだに青梅。