独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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こなログ トマトトーストプレート

1月30日(日)

くもり

8℃

 

トマトトーストプレート

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私は食べなかったので味が不明…

 トマトをいっぱい並べて塩を振って焼くトースト。あれ、なんか斬新な気がする…。トマトに火が入って味が濃くなるのがポイント。と思って夫に出した。パン・コン・トマテのイメージ…。前の晩に夕食を食べたからか? この日の朝は私はパンは食べなかったらしい。

 

 姪っ子が芸大受験のために上京した。いつのまにかそんなことするまで絵を描いてたらしい。驚き。これから1か月美大受験専門予備校に通い、特訓するんだそうな。芸大はある意味東大より難関で、5浪6浪当たり前の世界らしい。

 母親、本人、妹、と3人で新幹線に乗ってやってきた。姪っ子は大きな画板(っていうの?)を抱えている。「東京怖い。来ちゃあかん気がする」という母親は、新幹線で酔う(!)ほど都会慣れしておらず、かわいそうなほどげっそりとやつれていた。5人で山手線に30分以上乗って、これから暮らす寮へ。

 近くでお昼を食べたけど、初めての東京一人暮らしで姪っ子は「おなかすきません…」とつらそうな顔。仲良しも妹も、こちらは陽気な子ではあるのだが、これから離れ離れで「めっちゃ寂しいですう〜!」。うーむ。旅立ちのとき。しかしあの生意気だった姪っ子が我々に丁寧語使ってるよ…。最後に会ってから十年しか経ってないのだが。子供の十年はでかい。

 手続きしたら、明日から通う、専門学校へ。さらに「芸大の場所も確認したい」というので、また山手線にえんえん乗って上野へ。そしたらちょうど卒展をやっていた!

「受験生のつきそいで、確認のために来ました」ということで入れてもらい、屋外の展示だけちらっと観れた。いくつか観たものみなおもしろかったのだが、たとえばこれ。

 

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タイトルも作者も不明…すみません

 

 ドライバーが漕ぐと、すべての車輪が思い思いの方向に動く。アイデア、大きさ、美しさ、すべてに圧倒される。車輪が動いてるさまが、なんとも美しいのだ。この鉄骨のベース、56個の車輪、全部用意して組み上げたのか…などと考えるとさらに感慨深い。こういうことを大真面目に、大枚はたき、ものすごい時間と労力を使って行うのが芸術なのよねえ、などと街場のおばさんはため息をつく。

 芸大の卒展の素晴らしいところは、作者が作品の脇に立って、いちいち説明してあげているところである。屋外、寒空の下、うろうろしながら、鑑賞者がなにかつぶやくと、「あっ、それはですねえ」と説明してくれる。興が乗れば会話する。作者とともに作品を見ながらあれこれ好きなこと聞けるっていう状況はあまりないことなので、すごいと思った。私も聞きたいこといっぱいあったのに、ひとつも聞かなかった。なぜだろう。ま、他の人と話してた、すごく寒かった、正規で入ってるわけじゃないから申し訳ない、などといろいろ理由はあったのだが、帰宅してから千載一遇のチャンスを逃した、とひどく後悔。

 

 作品の周りをうろうろし、説明してまわる作者はまるで住宅展示場のセールスマンのようで、こういことをちゃんとやるのってすごいなとも思う。「説明なんかしたくない。それぞれで感じてください」というのが通常だと思っていた。自分の作品を言葉であれこれ語るのはそんなにかっこいいことでもないだろうから。それをやってるのはすごい。事実、この10日前に見た某美大の卒展は説明なかった。作者もいなかった。

 それにしても。こういう才気あふれる人たちがぎっしりひしめいて、それぞれの作品に集中しているなかで四年間すごしていたら、よほどやりたいことが明確か、メンタル強くないと潰されちゃうだろうなとも想像してぞっとする。芸大、入れたら夢のようだけど、入ったら入ったで地獄が待ってそうだ。卒業したあとどうする問題も大変そうだしなあ。それでもいいなあ、と思うけど。学生は上野の美術館がすべて無料らしい。なんという贅沢。

 

 帰りは、マンボウでがらがらの東京都美術館のカフェでお茶をし、「芸大受験にはこのりんごを描かなきゃいけないってみんな言うけど、あたしはこんなりんご描きたくない、だってみんな同じなんですよ」という姪っ子の主張を聞く。「どうしたらいいかアドバイスしてあげて」と義妹の母が言うので、「芸大用りんごの描き方マニュアルがあるんでしょ? それをまず完璧に描いて、そっから、でもあたしはこれは描かないって言うほうがかっこいいんじゃないの?」と夫婦でもっともらしいことを助言。納得いってない顔をしていた。気持ちはわかるなあ、と若き日の自分を思い出す。

 

 家でHPの卒展サイトで数々の作品を見ていたら、わくわくが止まらなくなった。「なにしてもいい」という自由で楽しい気分が湧き上がる。

 で、もっかいちゃんと予約して見に行こう、と夫と話し合っていたら、気がついたら終わっていた! なんてことだ! 来年こそ!