独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

MENU

コウナゴモロヘイヤトースト

8月8日(月)

晴れ

34℃

 

コウナゴ・モロヘイヤトースト

なかはモロヘイヤを茹でて叩いたもの、佃煮

 佃煮にはピーカンナッツが入っていて、これが大変よい仕事をしている。

 

漫画

『ひとりでしにたい』(講談社) カレー沢薫

 大好きだった叔母が孤独死していた…という話の導入だけ読んで、ああ、これは自分が読まなければ、と思って1巻買ったのだけど、怖くて読めなかった。気が滅入る今後の日本社会、そして自分の姿をつきつけられるのだろうと思って。なので買ってから数ヶ月放置していたのだが、ついに読み始めた。図書館にもあると知り、2巻を予約して、もうすぐ借りられそうだからである。

 予想以上に厳しく、予想以上におもしろかった…。これはすごい。現代日本の闇、全部引き受けますみたいなまるごとパッケージ。孤独死だけではなかった。年金だの熟年離婚だの生活保護だの投資だの、それらシステムの現状とその意味についてわかるだけでなく、そこで生きる人間の心の動きも活写! たとえば、「孤独死したくない。やはり今からいっぱい人付き合いしとかなければ」と焦る主人公が、弟嫁と突然仲良くなろうと連絡を取り始め、取ったはいいけど、言うに事欠いて「子供にフライドポテト食べさせるのって、よくないらしいよ〜」などとLINEで助言。善意で。それで弟に「やめてくれ。しばらく連絡してくんな」と諭され…。どーんと傷ついてようやく主人公は「老後、孤独にならないために関係をもとうとするエゴ」を自覚する。思わず顔をそむけたくなるリアルな行動・心情が満載で、しかもカレー沢氏独特の笑いでそれらをどうにか鬱に持ち込まずに着地させる。単純に実用書として役に立つだけでなく、ああ、この先行きくらい社会で生きてるのは自分だけじゃない、と妙に慰められて最高である。そして図書館で借りたので、すごく久しぶりに紙の本で漫画を読んだ。うわー、やっぱいいなあ、紙、としみじみ思った。

 漫画って、あんなに描くの大変そうなのに、すごい勢いで読み飛ばされてしまったかわいそう、などと思っていたが、あまりのおもしろさに没入してぐいぐい読み飛ばす、この快感って漫画にしかない。この中毒的な気分の高揚は漫画だけが生み出せる。おもしろいドラマを一気見するのも同じようだが、やっぱりあれともまた違う。というわけで、読み飛ばしてすみません。作家さん。でも全身で没入してるんですよ。