独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

MENU

マイル修行2022③ 宮古島−2 

宮古島到着

この日の宮古島は気温28℃

 そういうわけで、ほうほうのていで到着。着いてからの移動手段は、レンタカーかレンタサイクルかバスかタクシーか、と実は悩み続けていたのだが、前日に「バスはめったにこないから地元民さえ使わない。タクシーも空港や大きなホテル以外では捕まらない」と読んで、前に那覇空港でもらってきた「宮古島ガイド」パンフにあるバスルートマップを読んで、さぞバスが発達してるのだろうと思っていたのが間違いだったと知る。

 レンタカーを調べると、もともと高かった値段(当日返しで¥11000が最安値)が3万5万とすごい価格になっていたのでナシ。そうすると計画していた「伊良部大橋を渡って、シギラ黄金温泉に行く」プランもナシだ。飛行機が遅れて到着が11時半すぎ、帰りは16時半発で、滞在可能時間が短いからだ。宮古に来て橋を見ないのって…とは思うが、もともとはポイントを貯めるためのマイル修行。最初は東急リゾートでお茶飲んで帰るつもりだったからいいのだ、と割り切る。が、ホテルのシャトルバスは宿泊客以外は500円だか800円だかかかり、しかもタクシーなら15分程度のところ、あちこち回るので50分かかるという。なので結局タクシーにする。シャトルバスの人に「帰りのタクシーは、温泉に入る前にフロントで手配したほうがいいですね」とアドバイスされた。移動、なかなか大変らしい。

 

 タクシーに乗り込みシギラ黄金温泉へ、と告げて運転手さんとあれこれ話す。「橋、見たかったんですけどね〜逆方向ですもんね〜」などと言っていると、「来間大橋なら同じ方向だよ〜」と言うので行ってもらうことにする。道中、ひたすらさとうきび畑のみ。市街地は全然違う方向なので、ここらは畑と、たまに民家、しかないのである。すごい。那覇と全然違う。これぞ島、という感じ。気温28℃、しかし風が乾いていて気持ちいい。

見渡す限り畑

来間大橋を渡ったあと。これが宮古ブルーか!

 親切な運転手さんは「渡らないと意味ないよー!」と言って渡り、展望台まで連れてってくれた。あたりには人っ子ひとりおらず、このまま流されてなにか悪いことが…と思うほどの強引さで、展望台では私のiPhoneまで奪い、「ほら、そこ立って! カシャ! ほい次はここね! はいオッケー! で、ここもねここも!」と私を激写する。実は激しい車酔いで死にかけていた中高年である私。それでも全力で笑顔を作る。あまりにも具合が悪くて、もうどうでもいい、という自暴自棄状態だったので、すべて彼に言われるがまま。あとで写真を恐る恐る見ると、見事に年齢を重ねた自分が青い海とともに写っていた。

 その後、いざシギラ黄金温泉へ。が、乗って5分、とうとう我慢できずに「実は車酔いが…」と告白して飛び降りる。吐く寸前までいくが奇跡的にこらえられた。奇跡だった。というのは、中高年すぎて再び癖になった車酔いは、子供の頃と違って突然猛烈な吐き気が襲ってきてそうなるともう吐くしかないという、暴力的な吐き気なのである。しかしこらえた。あたりをぐるぐる歩き回って胃をさすり、どうにかこうにかこらえる。吐くところがなかったからだ。飛行機のシートにあるエチケット袋、あれ、次からは必ずもらって帰ってバッグに入れとこう、と強く誓った。

 優しい運転手さんは「車酔いか! ほら、前乗って、前! 後ろはね、酔うんだよ、よけい揺れるからね! ほらっ」と前に乗せてくれ、スピードも落としてくれて、温泉まで連れていってくれた。

宮古はね、川がないんだよ、だから海がきれいなの」

「ここらへんのきれいな海はね、ほら潮の香りがしないでしょ。きれいな海って香りがしないんだよ、あとね、くらげも出ないよ。ここはね。宮古でも汚いところはあるからね、そこでは出る」

「海で泳げるのは28℃までだね〜それすぎるともうだめだね」

 などといろいろ宮古情報を教わる。ずっと宮古なんですか、と聞くと

「うーん、いろいろだね。ここ来るまではいろいろだったよ」とのこと。

 そして帰りも迎えに来てくれるというので時間指定をして別れる。

 

シギラ黄金温泉

温泉とプールが一緒になったリラクゼーション施設

 いつのまにかこのマイル修行は「全国泳ぐ旅」になっていて、必ずどこかで泳ぐ、だめなら温泉、みたいな裏テーマができていた。宮古島のホテルでビジターで泳げるプールがあるところが見つけられず、諦めていたらここを発見。宮古島の一大リゾートエリアであるシギラグループのなかの温泉、ということらしい。

入館料 平日大人1530円。土日祝祭日は100円アップ。レンタルタオル込。

システムがややこしいのだが、水着着用のプールエリアと裸の温泉エリアがあるということ

すごい数のプール及びお風呂があるのである

 かなり広い面積にいくつもの風呂やプール。しかし広すぎて多すぎて、把握が難しい。とりあえず水着を着て、プールエリアに行く。が、プールは温水ではない。運転手三の言うとおり、気温28℃は泳げるか泳げないかぎりぎりであった。そしてすぐに「このまま泳いでいただ凍ってしまう」と断念。パンフによると、冬季は温水になるらしい。

「あーあ、全然泳げなかった。ここで泳いだら車酔いやら飛行機酔いやら、持病の目痛、首痛すべての不調を解消できたかもしれないのに…」と水着を脱いで温泉につかる。簡単な覆いだけがある半露天風呂で、洗い場も半露天。周りには鬱蒼と木々が茂る。なかなかいい気分だ。そこでじっくり湯につかっていたら、どんどん身体が温まり、あ、これならいけるかも、ということでさらに限界まで温まって、もう一度水着を着てプールへ戻る。冷たい! 気持ちいい! 浮き輪ではしゃぐ子供らのわきでただひとりスイミングキャップにゴーグル、競泳用水着で真剣に泳ぐ。水がめちゃくちゃ気持ちいい。飲んだわけでもないのに「おいしい水」な気がしたのだが、気の所為なんだろうな。いやでも「気持ちいい水」だった。

 たっぷり堪能してまたお風呂に入り直す。風呂場で、どこがプールなのか風呂なのか水着はどこで着るべきなのか、途方にくれていたおばあさんを助けしていい気分にもなる。おばあさんはその後も、脱水機の操作などあらゆることに迷い続け、ずっと「ほんと、全然わからないわあ、困ったわあ」と大きな声で嘆いていた。そのたびに私が助ける。かわいらしいおばあさんだったが、だんだん呆れてきた。私も相当物分りの悪い人間だが、この人は私の上だな…これではいままで生きてくるのは大変だったろう、と最初思ったのだが、いや、人に頼るのがめちゃくちゃ上手な人なのかもしれない、頼れるだけ頼り、甘えられるだけ甘えて生き抜いてきたのだろう、いい悪いではなく…それもまたヨシ…いろんな生き方があるのだ……などと考え直したり。

 本当なら旅行シーズンは9月で終わりらしく、10月の平日はお客さんもほどよい入り。家族連れや友達同士など属性はいろいろ。ひとりで来てるのは自分だけだが。

裸族気分を味わう

 おもしろかったのは、風呂エリアもかなり広く、すべて露天。つまり、庭のなかに風呂が点在して、各風呂ごとに結構歩いて移動する。裸の人たちが当たり前の顔であちこち移動しているのを見ると、なんというか……ものすごく不思議。突然、裸族の村に来たような錯覚を覚えた。それくらいおもしろい体験だった。砂浜が見える展望風呂にひとりで浮かんでいると本当に時間と場所を忘れてしまう。

shigira.com

島の夏は気持ちいい

 運転手さんが「あのあたりにカフェ? うーん。ないかもねえ。なかにあるよ?」と言っていた通り、出たらなにもなさそうなので、あがったあとはなかのカフェでマンゴージュースでひとやすみ。吹いてくる風がひんやりしてめちゃくちゃ気持ちいい。同じ28℃でも東京と全然違う! 元気になった気がする。

宮古はね、35℃以上になったことないですよ。沖縄もこないだ初めて38℃になったくらいでね。本土の暑さとは違うんですよ。こっちの人が大阪だの名古屋だのに夏、働きにいくと熱中症になって笑われるって。なーんで南の島の人間が?って。でもね、違うんですよ、暑さの質が」

 とも言っていた。そうかー、だからみんな真夏に沖縄行くのかあ。沖縄はハワイみたいなものなのだ。暑いけど乾いている。こんな風が吹いてるなら28℃なんて最高じゃないか。毎年東京の夏でへばっている私はこっちに来るべきなのか?

砂浜散歩

 迎えの車が来るまで時間があったので、周囲を散歩する。散歩。私が最も好きなもので、しかしこの日全然してないもの。すぐ目の前がビーチなので歩いて見る。しかし荷物が重い…。誰もいないので地面に放置してうろうろする。

シギラリゾートのホテルと関連施設が点在する以外、ほとんどなにもない

すごい空を見た

 すぐ近くにクレーンが見えた。これからまたホテルが建つんだそうな。ちゃんと採算取れるのかな…と余計な心配をする。

帰りがまた大変で

 さあ、元気になった、元気に帰ろう、とタクシーに乗ったら、また酔った。ああ…。

さっき吐いとけば酔わなかったのかもしれない。やはりゆっくり運転してくれる運転手さんに申し訳なく、酔ってないふりをして地獄のような体調で空港に着く。着いたら着いたで重いリュックを背負うので、弱点の首と肩、目に直撃、めっちゃくちゃ具合悪くなる。どうしよう、気持ち悪すぎる、飛行機変えて泊まるべきか? とまで考えるがその勇気もない。保安検査を終えて待合室に出ると、巨大な巨大なモニターがそびえていて、大量の光を放っていた。なんのためにこんなヴィジョンが!? 殺す気か! 光に弱い私の目には致死的な光量だ。結局空港の3シートを独占して、頭からカーディガンをかぶって寝る。すいません、本当に、とつぶやきながら。

おじさん、ありがとう

 40分くらい目を休めたらやや復活できたので、酔止めと精神安定剤をダブルで飲んで気合入れて搭乗する。帰りの機材は行きよりよかった。リクライニングも電動だ。ありがたい。16時台発なので食事は軽食。なんと朝食とほぼ同じで、スープがフルーツに変わっただけだった…。ショック。というか宮古日帰り、普通しないだろってことで同じメニューなんだろうか。フルーツはやけにおいしかった。機内が乾燥してるからだろう。ほかは手をつけられず。機内の朝食以外にはマンゴージュースしか飲んでないというのに、食欲ゼロ。

あ、さつまいものロールケーキもついてた。
おいしかったけどこちらの体調問題で一口以上食べれなかった。すみません。

 うつらうつらしながら、機内エンタメの映画『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』を観るというより聴く。映画館で見てすごくおもしろかったので、もう一度観たかったのだ。

結局子守唄になってしまった。また観ないと。


 途中、機内がそこそこ揺れたのだが、「あれ〜気持ちいいなあ〜」と思えたのは薬のせいなんだろうな。安定剤が「効いてる!」と思ったことあまりないのだが、これで確定した。効いてる。確実に。

 

 めちゃくちゃ具合悪くなったが、でも楽しかった、という奇妙な旅になった。でも宮古ブルーがこの目で見れてよかった。

こんな海の色ってあるのねえ