独楽ログ〜こまログ〜

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マイル修行2022 富山篇③ 富山城と美術館いろいろ

富山城周辺の美術館めぐり

富山城を散策し…

富山市佐藤記念美術館

 富山城跡公園のなかにある美術館。富山出身の実業家であり茶人でもあった佐藤助九郎氏が中心になって作られたそう。なるほど、だから館内に茶室があり、喫茶も素敵なわけね。この日の展示は「東南アジアの陶器ーベトナム、タイ、カンボジア」だった。

 

喫茶室がめっちゃ素敵

次は高志の国文学館へ

文学にちなんだ博物館。

 藤子不二雄(ふたりとも)、本木克英、細田守など、文芸作家以外にも富山県はいろいろな才能を輩出していて、ここでも文学に限らず漫画や映画も扱う。なのでおもしろかった。個人的には『美味しんぼ』の作画、花咲アキラ富山県出身だと知れたのがよかった。どうりで都道府県うまいものめぐりで、富山推しが強烈だったわけだ。力の入り具合が違ったものなあ。思えば「のどぐろ」がありがたい魚だということも、『美味しんぼ』で叩き込まれた知識だしなあ。

”こんなに日本人が食べ物にあれこれうるさいのは、『美味しんぼ』のせい”という仮説が我が家にはあるのだが、どうなんでしょう。

”ビールはエビス”

鉄板焼は間違った調理法”

極旨ラーメンの秘訣はナンプラー

”添加物を許すな”

”豆腐とワインには旅をさせるな”

冷やし中華は間違ったメニュー”

”刺し身は釣れたてがいいわけではない”

…等々、日頃信じて守ってる食べ物の掟、山岡から教わってないものがひとつもないという日本人(三十代以上?)はどれくらいいるだろうか(反語)。たとえ、今の若い人は『美味しんぼ』を知らないとしても、上の世代が肌身にしみこませた”山岡の食の掟”は様々な形で彼らに伝えられているはずだ。

 中学生のとき初めて喫茶店で読んだ『美味しんぼ』。周さんが究極のチャーハンの秘訣…鍋を煽って米粒を宙に飛ばし、ガスの炎を直接米にあてるからぱらぱらする…を教えてくれたとき、「はあああああ!」と感動したことをおぼえているのだが、他のどんなことより強く記憶してしまっている。はからずも。

  が、中年になってふと「あの数々の教えは料理の絶対哲学ではなく、雁屋哲という食いしん坊のこだわり、ってだけなのでは?」という視点が(ようやく)できて、以来憑き物が落ちたように私の料理は自由になった…なんてことはないのだけど、なんか自分の中の一時代が終わったような気は、確かにした。(これ、前もブログに書いたっけかな? それほど大きな気づきだったのだ)

 躁鬱の友人が、鬱になると夜中、コンビニで『美味しんぼ』のコンビニ用独自編集版(というの?)を買ってきて、布団のなかでひたすら読み続けるのを習慣にしてたけど、それも考えさせられるものがある逸話だ。『美味しんぼ』だけは、どれだけ疲れていても読めてしまうと強力な浸透力があるのだ…。

 

 ところで、この日の展示は「没後50年 芥川賞作家 柏原兵三展」だった。不勉強にしてこの方の名前すら知らなかったが、面白い展覧会だった。留学してドイツ文学を学び、翻訳を手がけつつ、戦争に行った祖父のことなどを小説にし、「人々が失ったものと日々の暮らしを丹念に描き、日常に潜む歪みや奇妙さに目を凝らし、ユーモアに満ちた穏やかで強い生命力を感じさせる」作品を生み出したという。

 自筆原稿や日記、写真、それから絵画(画家志望だったこともある)と、その足跡が丹念に終えて、よい展覧会を観たときに味わう「伝記映画を観た感じ」があった。

www.koshibun.jp


富山県立近代美術館

 プールの予定を変更してもうひとつ美術館へ行くことに。

30分? 近く歩いてようやく到着、富山県立美術館

 近代美術館へは新幹線の線路を超えててくてく歩く。幹線道路沿いなのでとくに風情らしいものはないが、悪くない。歩くのが好きだから。ようやく着いた近美はものすごく立派で驚いた。すごいな富山のアート力。

着いたらもう夕暮れが始まっていた

 飛行機の時間が迫っているので、なかをじっくり観る時間はなし。評判のよい屋上庭園が観たかったので、ここを優先。

来てよかった! なんかいい眺めである。橋がいい。

 帰りはこの河に沿って富山駅に向い、そこから空港へのバスに乗る。直通リムジンバスと路線バスがあるのでみな混乱して、ほぼ全てのお客さんが運転手さん(路線バス)に「空港へは?」「行きます」とやりとりしてておもしろかった。もちろん私も聞いた。どこが、とうまく説明できないが富山って楽しい街である。歩いていると機嫌がよくなるというか。活気があるってことなのかな。

 

帰りの機内で出た夕ご飯

 どんだけおいしくても機内ではおいしく食べれない。持ち帰るべきなのだ…と、マイル修行はあと1回で終わる、というときにようやく悟った。私は揺れる空間でものをおいしく感じることはできない。でも悟ったのがおそすぎた。弁当を持ち帰ってもよい、と気づいたのさえごく最近で、それまでは食欲ないと断ってたものね…。一口食べてあとは残したりとか…。罰当たりすぎる。で、家についたら安心感からか猛烈におなかすいて。でもこの日は元気だったので、珍しくおいしく食べれた。