3月9日(木)
晴れのち曇り
22℃
キャベツハムトースト
映画『フェイブルマンズ』(2022)
最近、映画館に行くと必ず寝てしまうので、もう行くのやめようかと思っていた。『イニシェリン島の精霊』で寝てしまった数分間が大事なところで、最後までよくわからずに終わってしまったという経験がつらすぎた。映画を観る日にはすこし寝坊すれば解決すると思うのだが、いつも「もっと寝たい…あと45分くらい…」という状態で起きないと夜の寝付きが悪くなるので、「いつもすこし寝不足」でいたいのだ。が、それをやると映画館では寝てしまう。その日眠れないことを覚悟で「眠眠打破」的なものを飲むしかないのだろうか。そうするとその日の夜は確実に眠れない。眠れないというのは私にとってかなり危機的なことなので、できればそれはやりたくない。
…とうだうだやりつつ、巷では次々とオスカー候補作が公開されている。スピルバーグの自伝的映画『フェイブルマンズ』に『エンパイア・オブ・ライト』『逆転のトライアングル』etc. 結局我慢できず、行くことにする。朝は少し寝坊し、観る前にカフェオレを飲んで。
結果、寝なかった。対策のおかげというよりスピルバーグのおかげだろう。眠気の入り込む隙間のいっさいない、相変わらずの職人技であった。最初は「才能に溢れた子は愛情いっぱいの家庭で育つんだねえ…うらやましいのう」などと思って観ていたのだが、それが途中からどんどん崩れていって、それがもうスリリングで、「あ、これはただの家庭の話なんだ」と気づき…。だからタイトルは「フェイブルマンズ=フェイブルマン一家」なのだ。
観終わったあとの「あーおもしろかった」というスッキリ感、これはスピルバーグならではないだろうか。