独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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タイ・マレーシア旅行2024⑥ ペナン島 シャングリ・ラ ラサ・サヤン ペナン篇2

”なんもしないリゾート”の独自メソッド開発

 貧乏性なので「なにもしない海外旅行」をしたことがなかった。このペナン島シャングリ・ラで初めて体験した。3泊4日、ほぼなんもせず。ただぐうたらして過ごし、そんなのはすぐに飽きてしまうだろうと思ってたけど、意外に飽きなかった…。

ロビーラウンジ。ラサ・ウィングに泊まると、ここで1日中コーヒーが飲める。
3時からアフタヌーンティ、5時からはカクテルタイムに。すべてフリー。

 4日間は規則正しく過ぎた。7時過ぎに朝食に出て、10時ぐらいまでふたつの朝食エリアにおり(後述します)、昼前からプールエリアに行って読書しつつ泳ぐ。マシントレーニングを行ったりもする。2時すぎに部屋に戻りシャワーを浴び、3時になったらロビーでアフタヌーンティをいただき、また部屋に戻ってベランダでごろ寝読書。5時になったらロビーに行き(カクテルタイムは外のテーブルにいた)、おなかを満たす。腹ごなしにホテル内の庭、ビーチ〜近くのナイトマーケットなどを散歩。帰って来てお風呂。寝る。このサイクルを3日間。

 すっかり小食なので朝しっかり食べたら昼はいらず、3時頃「お腹空いたね!」とラウンジに行くのがちょうどいい。そして5時からのカクテルタイムはすごく充実しているので、これまた夕食がわりになってしまい、つまり全然食費がかからないという経済効率の良さ…。いろいろよくしてもらったこともあり、もう少しお金使ってあげるべきだった、と後悔するほど使わなかった。敷地内にひとり一小屋(?)という素敵なエステサロンがあり、タイでマッサージしたのでいいやと受けなかったのだが、次回は必ず受けよう、と誓う。

 

 いちおうホテル近くにスパイスガーデンや蝶の博物館的なものもあり、出かけることもできるが、「蚊が多い」のレビューを見て断念。東南アジアの蚊はやばい。でも別に行かなくてもよかった。なんというか、だらだらするのに忙しかった。

奥の夫にピンがきてるため、ぼけててすみません…

 ラサ・ウィングの特典、毎日アフタヌーンティ。東京のホテルのような食べる宝石的繊細さはなく、素朴です。そらそうか。ただであのレベルのアフタヌーンティが出てきても困る。味も素朴。でもなかなかおいしい。

メニュー。しかし明らかに実際来たものと違う…

プロフィットロール、緑茶フィナンシェ、モイストチョコレートケーキ…じゃないよね。たぶん前日のメニューなのだろう。まあいいか。ここはマレーシア。

 

カクテルアワーは外で

 なぜかラウンジにずらりと並んだカクテルスナックの写真がない。すみません。のんびりしすぎなのか。ナッツやドライフルーツ、チーズのほかにかなりの種類の惣菜(ていうのか? おかず。サラダから揚げ物から煮物から)が並んでいて、味もかなり良くて衝撃。これをぬるい風に吹かれて飲んで食べて、なくなったらおかわりに行って、各国から来た、たくさんのお客さんたちを眺め勝手に想像し……楽園である。

ナイトマーケットへ行く途中にはたくさん土産物屋が出ている。
あやうくこのライト、買いそうだった。かわいい。

 日が暮れたら、ビーチ〜隣の系列ホテル、シャングリ・ラ・ゴールデンサンズの庭〜外へでてナイトマーケットへ。ゴールデン・サンズはファミリー用大型ホテルで、ラサ・サヤンとはまた違った雰囲気で楽しい。

 

 ナイトマーケット隣には、ビーチにテーブルが出ていて、暗いなかでみんなごはんを食べている。

そこへウマに乗った警察官? ガードマン? がやってきた…めっちゃシュール
実際はもっと真っ暗です

屋内食堂もにぎわっていた

ウェデイングパーティの準備も毎日目撃

最初はこんなの作ってて

「なんだろう…」「イベント? パーティ? 明日から週末だから」などと言いつつ、あれこれ推測していたが、

 

あ、結婚式だねー、と翌日判明

で、いよいよ当日

昼に写真撮影などして、

 夜にパーティ。夜中までパーティ。部屋にも喧騒が届いてきて、花火大会みたいにイルミネーションも輝き、うわー、楽しそう。新郎新婦は中国の方らしい。


朝食は2つから選べる

朝食レストラン、フェリンギ・グリル。すごく素敵なんだけど、
屋外席がないのでクーラーがきつかったことだけが……

 ラサ・ウイングに滞在すると基本の巨大朝食会場、スパイスカフェ(昼からはレストランになる)でのビュッフェだけでなく、バーがついたよりフォーマルなレストラン、フェリンギ・グリルでもいただける。フェリンギ・グリルはオーダー式、ということだったけど、メイン以外のパンやフルーツ、サラダなどはビュッフェ式。メイン料理も「何度もでもアンリミテッドでオーダーできるわよ」とのこと。「アンリミテッド!」と思わず声をあげてしまったけど、海外旅行で弱ってる自分はとてもそんなに食べれるわけもなく。

 

ビュッフェもある。スパイスカフェと同じものも多いけど、
ヨーグルトなどはこちらのほうがおいしかった

 朝7時にレストランにやってくるゲストは多くないので、ほぼ独占状態。うれしい。

マレーシアカレーにしてみた。

 マレーシア、中華、ウェスタン、インドともちろんメインも多彩。そしてうまい。

 

そしてもうひとつのスパイスカフェ。…なのだが、なぜか全体をうつした写真が一枚もない…毎朝行ってたのになにをやっているのか。Trip Adviser に雰囲気のわかる写真があったから引用しようとしたら、なぜか↓のようなアドレスしか出ない。すみませぬ…。

 

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g635527-d3202926-Reviews-The_Spice_Market_Cafe-Batu_Ferringhi_Penang_Island_Penang.html

 スパイスカフェは屋内・屋外ともに席数が猛烈にあり、むちゃくちゃ居心地がよい。フェリンギ・グリルがクーラー効きすぎてつらかっただけに、寒ければ外に行けばいい、席はいくらでも(混雑期の混雑時間はそうでもないらしいが)ある、というのがあまりにも快適。で、席数に負けず料理の種類も相当なものなので、麺にしようかカレーにしようかいやいや目玉焼きにクロワッサンも…と悩みすぎて結局何も取らず、なんてことすら起きてしまうほど。

 ただ、まあ、味はそこまで期待してはいけない、という現実もあった。自分で好きに調味料を足せる中華麺がおいしくて毎日食べたけど、なかには?という味のものもあり。が、ここは味よりも居心地の良さが群を抜いているので、まあいいか。

 私たちは毎朝「どっちで朝ごはん食べる?」と悩んで悩んで悩んでいたのだが(

「あっちはおいしい。でもクーラー寒い。長居できない」「でもこっちは味が落ちる」etc.) 、ふと夫が「どっちも行っていんじゃね?」と言い出した。どちらも入る時に部屋番号を聞かれるが、彼らは聞くだけでなにをしてるわけでもないようだ。だいたい「どっちかひとつにしてください」とは言われていないし…………。

 と、いうわけで、2日めからは両方行くことにした。グリルでも大して食べず、カフェに行っても飲み物とフルーツ程度なので許されるだろうと勝手に判断して。問題アリかもしれないので、そのうちこの文章消しちゃうかもですが、いやでもこの方法だと本当にすばらしい朝時間が過ごせるのです。

 7時にグリルに行ってふつーに食べる。それからipadを持ってスパイスカフェへ。外の席でコーヒーやジュースを飲みながら朝食時間が終わる寸前までひたすら漫画『大奥』をipadで読む(だいたい夫は途中で帰る)。その間、飽きると周囲の人々や、我が物顔で歩き回る鳥たちを眺める。ビュッフェを見にいく(ときどきデニッシュなどつまむ)。席替えも行う。あまりににも広い空間なので、何時間いても気まずくない。やってみたら猛烈に楽しくて、「なにこれ、こんな過ごし方、誰も教えてくれなかった!」と感動してしまった。

『大奥』がおもしろすぎる、というのも大きい。何年か前に読んで「すご!」と思ってから「完結するまで読まない」と放置していて、ようやく今回の旅で再び開いたのだ。もちろん最初から読み直す。海外旅行で江戸時代の漫画ってどうなの、と思ったが(昔、ニューヨークで谷崎潤一郎を読もうとして無理だった)、そこの違和感も吹っ飛ばす面白さ。こんなにおもしろい漫画を、ぬる〜い空気の南国で、時間を気にせずおやつをつまんで読み続けられるとは。『大奥』では、いろんな人間がそれぞれ業を抱えて必死で生きていて、なのに運命にあっさりぶった斬られるドラマがえんえん続く。こういう何世代にもわたる、大人数が出てくる物語って、この間まで主人公だった人物がいつのまにか脇役になっている、というのがいいんだよな。いつのまにか、ほんとただ時間経過の作用でスポットライトがずれてあたらなくなる。一巻ではさも重要そうなオーラを放っていた発言や行動が、七巻では「めんどくさい性格によるいつものやつ」みたいな扱いになっていく。みんな主人公だけどみんな脇役、そして大きな運命に波にはあらがえないという人間世界の真理が突きつけられる。いやもう、残酷な話だよな〜と、ときに涙しながらひとりで・ひたすら・漫画読んでる姿ってはたから見たらかなり怖いだろうけど、まあいい。

 

ビーチにあるバーもよい雰囲気

 というわけで、独自のリゾートメソッド(?)を開発したのであった。次はクアラルンプール。