独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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大阪に行った2024 前編

大阪二泊三日出張旅行

 去年の話、全力で追ってます。今回は11月の大阪旅行について。

 

 夫が大阪・神戸のお客さんに会いに行くというので、ついていく。「こんな駅前一等地を緑のなごみ場にするなんてすごい」と評判のグラングリーンと、塩田千春の展覧会が見たかったのだ。

羽田へ向かうモノレール。朝も夜もわくわくする
バスで行くのが簡単なのだが、あえてモノレール

 安かったので、新幹線ではなく飛行機で。羽田へ行くという面倒、荷物検査の面倒、閉所恐怖を増幅させる仕様、ゆえに万が一降りれない状況(雷とか)のときのために、ipadpodcastや漫画を多めにDLしておく面倒……様々な障壁を乗り越えて、飛行機を選んだ。20年ぶりくらいのJALである。各座席にモニターのついた最新機材の時間を選ぶ。とはいえ、飛行機マニアでもないのでたった1時間乗るだけでは明確なANAとの違いはわからず…。しかし快適に着くことができた。安堵。

 

りくろーおじさんのチーズケーキ

”自分はだめでした。レーズンが苦手すぎて…”とか姪っ子が言っていて

 伊丹に着くと、夫が「ちょっと仕事したい」というので、空港内フードコートへ行くと、りくろーおじさんの店を発見。今回、いわゆる「大阪名物」をあれこれ試してみたいと思っていたので渡りに舟だ。おいしいおいしいと評判を聞くが、姪っ子はだめだというので、いったいどういう味なのか? ずっと確認したかった。結果、おいしかった。よほどレーズンのラム酒がきついのか? と思っていたけど、そんなこともなく。やわらかいけどもちっとしている独特の食感としっかり濃いチーズの味わいが絶妙で、「なるほど、人気になるかも」と思った。一緒に頼んだカフェラテも、濃厚で好感。着いた早々、意義あることをした気分になる。

 

まずは万博記念公園

万博記念公園は伊丹と街なかの間にあるので、飛行機で来たら行きやすい

 塩田千春とグラングリーンのほかに、なにかもうひとつ…と大阪観光情報を漁ってたら現れた国立民族学博物館。そうだ! 前回(4年前くらい)休みで行けなくて、すっごく悔しかったことを忘れてた! そうだそうだここに行こう! と俄然盛り上がる。しかも博物館がある万博記念公園伊丹空港から梅田へ行く途中にある。

園内、めちゃ広い。入口から博物館までたっぷり10分歩く

 広大で気持ちのいい園内。そびえたつ太陽の塔大阪万博が行われたのは1970年。昭和45年。エネルギーいっぱいだった昭和を、令和6年に思う。せつない。

むちゃくちゃ中に入りたかったが、時間と体力を考えて断念

後ろはこんなだった!

 こんなもの作ろうと発想すること、実際作ること、ものすごいエネルギーがいるよなあ…。

 

国立民族学博物館についた

万博記念公園の奥にある

入った瞬間、ワンダーランド。楽しすぎる

世界中の民族のライフスタイルを展示

インドのお祭り

世界のチャルメラ分布図。世界にはこんなにチャルメラが…

インドネシア? サテを売る屋台。むちゃくちゃかわいい

 地球上のさまざまな人々の暮らしと歴史が一度に見れる。スケールが大きすぎてめまいがする。いろんな「美」があるんだなあ………。

東北のこけし分布図。

 むかーし、「こけしなんて、二度と流行らないし愛されないだろう」と、強く思ってたら、十数年後にブームになって本当に驚いた。自分の先見性の無さに…。ごめんなさい。あれ以来、いろんなことを「絶対」と簡単に断言しながら、心中で”でも違うかも”と思うようにはしています。ごめんといえば、さまざまな民俗にリスペクトを込めながら紹介するここの展示に、なんとなく太平洋戦争に対する全世界への詫びを感じた。「すみません本当に…これからは尊重いたします」という。気のせいかな。

 ちなみに、国立歴史民俗博物館という、非常にまぎらわしい名前の施設が千葉にあります。

園内で秋を満喫。いい天気だった

 毎回書いてるけど、いやほんと、11月って最高だった。乾いた風。日々うつろう木々の色。気温20℃前後。外歩くだけで気分上々だった。年が代わって去年の旅行記を書くなんて興ざめ、と思ってたけど、しばらくたってから書くと忘れていたことをいろいろ思い出して、また旅行してる気分になれてなかなか良いです。ああ、今はもう違うんだなーという時の流れも感じられる。

リッツ・カールトン大阪に泊まる

中の荘厳でクラシカルなインテリアが微塵も想像できない外観

 老い先長くないので贅沢してやろうと、リッツにしてみた。いちおう、旅行関係の仕事もしているのでいろんなタイプの宿に泊まるのも業務のうちなのだ…。

 リッツカールトン大阪は、冗談のように徹底的に重厚で荘厳でクラシカルなホテルである。たまにはこういうのも良い。プールとジムがあるのも高ポイント。先日、去年の買い物記事で書いたモバイルトレーニングシューズを持参する。

 

足袋にソールをつけるという斬新なシューズ

camecon.hatenablog.com

 

理想のスイーツ、クリームデニッシュ

 こちらはホテルのカフェ、ロビーラウンジ。

週末はアフタヌーンティの予約でいっぱいで、予約無しでは入れない

 夜になるとようやくすいてくるが、夜は席チャージ料がなかなかの値段で気軽には行けない。

名物デザート・クリームデニッシュは、シュークリームのバリエーションみたいな感じ

 これは! というデザートをペストリーブティックで発見した。クリームデニッシュ。どうやら名物らしい。薄くて軽い、さくさくのデニッシュ生地にカスタードクリーム、たぶん生クリーム入り。大きいから2つに切ってもらったのだが、ぺろっと食べてしまった。これ、けっこう理想のデザートかも。ひとつの生地、ひとつのクリームのみで超シンプルな構成。斬新なルックス。大きい、でも軽いからもたれない。そしてシンプルゆえに、他のケーキの半分以下の価格で490円(ラウンジで食べると高くなるけど)。栗や抹茶など、季節限定のフレーバーもあり。そうだよ、こういうお菓子が作りたいんだよ……。奥のミニタルトレットはサービスしてくれた。いろいろ不手際があったので…。

 

 いろいろ不手際があったので、いろいろサービスしてもらったが、高級ホテルに泊まるということは? についてまた考えてしまった。とにかく期待してしまうのである。「こんな料金とるんだから、あれもしてくれるでしょう? これは備えてあるでしょう? とにかく素晴らしいんでしょう?」と。なので、なにもかもが減点方式になってしまう。期待以上のサービスがないことにはがっかりするが、それ以上に基礎的なことが欠けてたりすると(例えばチェックイン時に異様に待たされるとか、環境保護とかいってアメニティが全然ないとか、頼んだものを何度も催促しないと持ってきてくれないとか…あくまで例えば、ですが)、がっかりを通り越して怒りに変わる。そしていろんなことに文句を言う自分がクレーマーみたいでさらに不快になる。隠していた嫌な自分が引き出されてしまうのである。「心の広い人になりたいなら、まずは心の広い人のふりをすることから始めるのが有効です(大意)」と村上春樹が言っていて、実践しているのに台無しじゃないか。で、結果、旅の思い出が不快になる。

 こんな思いをするくらいなら、大好きなドーミーインにリーズナブルに泊まって、「狭い…でもま、しょうがないか。この値段でこれだけしてもらってるんだし」などと思ってるほうがよっぽど精神衛生上いいのでは。そういうスタンスだと、多少の粗があっても「ま、いいか。人手不足だしね」となる。自然と。我ながら本当に不思議なのだけど……。どれだけハードルを上げるかで、人格も感情も全然違ってしまうのである。

 そしてホテルってだいたい期待してるとがっかりする。前回のウェスティンホテル横浜は、レビューが結構ひどかったのでものすごくハードル下げて臨んだ。そしたら「え、悪くないじゃん」。その前の二度目のペナン島シャングリ・ラは、初回の感動を期待していたので、いろいろと激しくがっかりした。つまりそういうことなのだ。

 ホテルは期待すると必ずがっかりする、というのは考えてみれば当然かもしれない。人の生活、24時間すべてを面倒みるビジネスだから、粗がないということはまずない。守備範囲が広すぎるし、個人の好みも千差万別。なにかしら不満が出てくる。そこを、ドーミーな気持ちでいれば「まいっか」ですませられるが、リッツな気持ちでいると「どうして!」になってしまう………。つまり、宿代が3万でも10万でもどっちでもいい、くらいの金持ちにならない限り泊まるべきではないのかもしれない。

朝ご飯はビュッフェ。フムスがあってうれしい

 …ということを考えながら朝になった。朝食は場所も内容も素敵だったが、隣にいた外人客の体臭が驚くほど強烈で、そーっと席替えをしたりなど、また一難あった。これはホテルのせいではない…………。

 食事はとてもおいしかった。和洋いろいろあるビュッフェだが、関西だからちりめんなどのご飯のお供が充実していて、たった3日いただけなのだが「やっぱり食事は関西なのかなあ!」と何度も思った旅だった。そして席替え後は快適に過ごすことができ、例によってipadに入れた漫画を読みこんでたっぷり満喫した。

 

後編につづく。