独楽ログ〜こまログ〜

45歳、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証。

スペイン旅行 その16〜サグラダ・ファミリアの苦難

 出発、さっそく試練

 ともかく、まだ開けたばかりの薄暗い8時半、ホテルの目の前からタクシーに乗る。陽気なお兄さんが「サグラダ・ファミリアいいね、きれいネ」的なことを(たぶん)言いながら、連れてってくれる。ここでもやはり狭い空間に押し込められ、「このドア、どうやって開けるんだろう? もしかして運転手がロックしてるのか?ラッシュだから道は混んでいるのか?」などとざわざわと不安が始まり、「タクシーひとつ乗るにもこんなんだから、私の旅は試練なわけだわ」と改めて痛感。乗り物に乗らない旅なんて、徒歩旅行以外ないのだから。しかし誰もわかってくれないので、口には出せない。初めて見るバルセロナの街に一生懸命意識を集中させる。

 道は運よく空いていて、15分もしないうちに到着した。バルセロナのタクシーはボラれることもなく、安いしよいらしい。ただ、運ちゃんはほぼ全員、スペイン語しか話してくれない。10ユーロ払う。

 

なにはともあれサグラダ・ファミリア

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⇧すっごく寒かったが、天気はよかった。空が驚くほど美しい。朝の光のなかで見るのが最も美しいと言われてるらしい。

 

 タクシーの窓から初めて見たサグラダ・ファミリアは、やはり「おおお!」と思うものがあった。これを観にあんなにたくさん準備をしてたくさん飛行機を乗り継いでやってきたのだ、という感慨も合わさって、「ついに」感がすごかった。

 9時になったらすぐ入れる。ハイシーズンだと朝いちの9時でも行列がすごいらしいので、よかった…。

 

 外から観ても、中から観ても、人間が宇宙を作ろうとした気持ち(?)がひしひしと伝わってくる。確かな、ひとつの世界を提示してあげなければ、多くの人の心は路頭に迷う。こここそが、あなたが目指すべき場所なのです、と言われている気がした。有機的なガウディのデザインは、動き出しそうななまめかしさ。

 

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 聖堂内は宇宙なのだから広大な空間で、そのスペーシーな美しさに圧倒されるが、それにしても寒かった。最高気温5℃とか7℃という予報だから、朝のこの時間はたぶん3℃とかだろう。聖堂内はさらに3℃くらい低い気がする。なぜ? でも人もけっこういるのに、寒くて寒くてたまらないのだ。歩いても寒い。止まったらもっと寒い。これがオフシーズン観光の醍醐味だね…と思いつつ、地下のミュージアムを発見。なんと、実際作業をしている工房なんかがあったりする。ここは寒くない。あったかいわけではないが、寒くない。建設当初の絵なんかも見れて、かなりおもしろい。

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⇧地下工房。模型がいっぱい。

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 ⇧どんな物事にも始まりがある…ということを教える写真。1904年の建築当初。なんというか、衝撃。

小さな小さなエレベーターで生誕の塔を昇る

  9時半になると、エレベーター(これも苦手…超狭い5人乗っていっぱい)を使って、生誕の塔へ(受難の塔でもよいけれど、ガウディが生きてるときにできたということで、こちらが人気)。地上メートルの戸外に出る。わかってはいたのだが、実は私は高いところも苦手。下半身がびりびりしびれてくるのを感じながら、なんとか写真を撮り、写真におさまる。たるんだ顔を残さないため、ひたすら口角をあげて笑う。

 でもたしかに、ここから眺めるバルセロナは素晴らしい。高いところが苦手でも、やはり来るべきだろう。

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 ⇧ほら! 

 

 高いところも大好きな夫は、自殺行為(と、私には思える)のような場所にまで降りていって、自撮りをしている。私からすると、そこはもうほぼ空、だった。おまけのような手すりのある、外に張り出した小さなスペース。ミニミニバルコニーといった風情で、人ひとり入れるかどうか、という空間だ。その手すりは低く、足元ががらんどうに透けて、真下が見える。

 

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「ここからの眺めはすごいから、ぜひ来てみなよ」と散々誘われるが、どうしても足が動かなかった。というか、今立っている場所だって、なかなか限界なのだ。

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⇧こんなものも観れる。果物、かなあ。

 

 塔から塔へ、絶景を眺めながら渡り廊下的な細い通路を渡る。

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⇧もうひとつの塔へ向かっている。 

降りるのも美しくて、苦痛

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 もうひとつの塔につくと、そこから帰りは螺旋階段を使って降りる。この螺旋階段もほれぼれするほど美しいのだが、踊り場は一切なく…ないよね、螺旋階段だもの…自分がどのあたりを降りているのか、この階段はいつになったら地上に着くのか、まったくわからないまま、ひたすら円を描いて降り続けなければならない。しかも、途中で何度も枝分かれ(螺旋階段が枝分かれ? でも実際そうだったのだ)して、道がひとつではなく、本当にここでいいのか、激しく不安になる。そのうち目が周り、気持ち悪くなってくる。しかし止まれない。止まるところがないから。ひたすらに回転していなければいけない。下をのぞいても、カタツムリのような美しい形状があるだけで、ゴールの気配すらない。

 たぶん、これも異世界へのトリップ等に必要な修行の一環なのだろう。螺旋階段はすみからすみまで美しかったけれど、でも苦痛! 名所旧跡っていうのは本当に苦痛だ!

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 ⇧完成予想図。なんと、真ん中の一番太く大きな塔がまだ手付かずなのだ!ということを知る。完成予定は2026年。観たいけれど、どれだけ混むのかと思うと…。

 

 

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⇧現代美術風、古典風、地獄風、天国風…いろんなテイストといろんな世界が面ごとに存在している。世界そのもの、ということなのかしら?

ミュージアムショップで旅の命題をみつける 

 見れば見るほど発見があるので、どれだけいてもたりないようなサグラダ・ファミリアだが、塔を降りたあと、周囲を何周かしてようやく一区切り、ミュージアムショップをのぞいて去ることにする。

 ミュージアムショップというのはたいていどこもおもしろいが、買おうと思うものには出会えない、というが定説(私のなかの)だ。ここも同じ。「私がデザイン担当だったら何を作るだろう?」と想像しながら、デザイン担当者の苦悩や喜びなどもイメージしつつ、名作にからめた日常グッズを丹念に見る。でも苦悩というか、名作にあぐらをかいて適当に作っただろう?というものが多いのも事実。ただ写真をプリントしただけの、元値は安そうなマグカップとか……ひどいなあ。そろそろ新しいマグカップが欲しいので、一生懸命見るけど、どれもひどい。この旅では、「ミュージアムショップで素敵なマグは見つかるのか?」を裏テーマにしよう、と決めた。そしてここにはなかった

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⇧各国語のガイドも。中国語だとアントニオ・ガウディとはこう書くのか…。

散策。いちばん好きなもの。

 地図を見ながら(いやこの⇧の地図では歩けないけど…)、散歩して街を眺めながらカサ・バトリョカサ・ミラへ。やっと落ち着く。太陽はぐんぐん昇り、寒いけど青空はますますきれい。これだよ。知らない街をきょろきょろしながら歩く。これが一番楽しいよ! ようやく、心からリラックスしてきた。気になるところは写真を撮る。気が向いたらカフェにも入る。

 

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⇧スペインの街はタイルがきれい! とか。

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⇧天気がよくてよかったねえ、とか。

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⇧スペインの愛らしいおじいさんたちだよ!とか。

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⇧中国からの団体客の記念撮影も微笑ましく…などと言い合う。ここは教会のすぐ隣の公園。松が多くて、どことなく日本風。

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⇧ガウディ作、ベンチつき街頭。すごいよね…。こんなに美しくて2つの用途がある。

散策は続く。