独楽ログ〜こまログ〜

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楽しすぎるマティス展:2023年7月10日追記あり

マティス展へ

最近よく来る東京都美術館

 マティスのこと、何も知らないなーと思っていたのでこの展覧会は渡りに船な感じであった。国内では20年ぶりの大規模回顧展らしい。

 行って大正解であった。めちゃくちゃ楽しかった。

まずなにより、色が美しい

 マティスのスタイルは様々すぎてこれ、という決まったイメージが晩年の切り絵くらいしかなく、それでいままで通り過ぎてきたらしい。でもその自由な感じ、スタイルを探して悪戦苦闘というよりはあれもやろうこれも試そう、というような楽しさがどの作品からも際立って、だから見ているほうも楽しくなる。(実際はよく知らないが…)

マティスがいかにいろいろ描いてるかわかる

 フォービズム(野獣派)の代表ということで、荒々しく、つまりきれいに描こうとしないところがいい。誰もが目指した「二次元の絵を立体的に」でなく、あえて平面で勝負しようとしたところもいい。天邪鬼なのだ。そして決して技巧自慢をしない。絵を描き始めたのがなんと21歳、それも入院中に母親から「暇でしょうから」と画材を差し入れられたから、というのが始めた理由。すごい。力抜けすぎ。それからたった6年で国から2点、作品を買い上げられたという…。「立体の研究のため」に彫刻も行っていたのだが、普通にめちゃくちゃうまくて息をのむ。

 それにしても、”切り絵やろう”ってよく思いついたよねえ。病気で体力がなくなり、それでもできることはないかと探した結果だというのだが…。自由だなあ。彼の軌跡を観ていると「楽しいことって、いくらでもあるんだな」と思わせてくれる。

撮影できる絵はごく一部だった。そのなかのお気に入り

 それでもただただ楽しく描き続けたわけではなく、もちろん他の画家と同じく貧乏と戦いもあった。続けるには並々ならぬエネルギーが必要だっただろう。

 晩年は南仏の教会、ヴァンス・ロザリオ礼拝堂を総合プロデュース、というのも面白すぎる企画だ。当然どこの礼拝堂とも似ていないものができ、今回はその映像も観ることができた。

www.tokyoartbeat.com

 

グッズもすごかった

 展覧会のもう一つの楽しみ、グッズなのだが、これもすごかった。ポストカードはあるのは当然として、それを飾る様々な額を用意し、マウントまで色々選べるようになっている。まずここで「気が利いてるなあ!」と驚き、切り絵をモチーフにしたショッピングバッグなど、すっごいクォリティだなあと欲しくなったのだが、価格もハイクォリティで2万円だったのでやめた…でも今も欲しい。さらにアートグッズだけでなく「生活とともに」というテーマで、フランス雑貨もあちこちに。どうしてだかわからないが、近頃人気のレモンケーキを各地から集めて、それとポストカードのセット、とか、なんか楽しいのだ。最近本当に「雑貨を見て回る」ということが困難で(店がない)悲しんでいたのだが、そのストレスが解消されるほどの品揃えだった。あまりに充実しすぎて何も買わなかったのだが…すいません。

 

ima.goo.ne.jp

kunel-salon.com

 

追記:2023年7月10日

 本日、このグッズがなぜそんなにすごいのか、理由を教えてくれるページを見つけた。このグッズを企画した会社が、売り場の販売員を募集しているのだけど、そこの社長の熱い募集原稿にその答えがあった。

east-inc.co.jp

いつかマティスのショップを手がけたい、ずっとそう思ってきました。

 社長の長年の夢だったそうである。しかしまだマティスはまだ著作権が切れていない画家なので商品化は極めて困難。そこをマティス財団とポンピドゥセンターへ交渉に交渉を重ねて実現したのだとか。

例えばマグネット一つをとっても、角の小さなアールは作品をトリミングしているからと許可が出ず、周囲に余白をつけるよう指示されます。いえいえ、その余白こそ余分でしょう。それならば角アールの無い綺麗な長方形のマグネットをつくってみせます。
すべてのアイテムで、そんなやり取りを繰り返しました。

 なるほど、だからああいう商品になるのか…。納得。

Eastは、この20年ずっと考えていました。
ミュージアムショップの役割とは、
ミュージアムグッズの存在意義とは、
ミュージアムでモノを販売する理想のカタチとは。

僕らはそれらと世界一真剣に向き合う会社でありたいのです。

今回のマティスのショップにも、
そんな思いが詰まっています。

世界初の、世界一のマティス展ショップを
つくりたい。

 素晴らしい。ミュージアムグッズにいつも期待をかけて、そしていまいち報われないと思ってきた自分としては、この言葉は頼もしすぎる。あーもう一回行って迷ったやつ、買いたいなあ。

THE CITY BAKERY BISTRO RUBIN(シティ・ベーカリー丸の内オアゾ

 帰りは最近のお気に入り、東京駅の丸の内オアゾのシティ・ベーカリーのレストランの方へ。お気に入りなのだけど、毎回微妙に納得できないメニューにあたり、しかし「いやきっと次こそは満点になるはず」と信じてトライするこの数ヶ月であった。今回は「もう肉はやめて魚にしよう」と、「あさりと鮮魚のオーブン焼き魚介のスープ仕立て」(2200円 サラダ・パンつき)に。

そしてついに満点のメニューに辿り着いた。

魚と野菜の店、というだけあって、抜群においしかった

 ここの売りはパン食べ放題なのだが、これがうまい。

店内が薄暗くて広くて静かで、めちゃくちゃ居心地いい
これは別日の写真。スープもつけた

メインは料理よりもパンかも? 

 私の周りの女性客たちはいつも皆、何度もおかわりしている。驚くほどおかわりしている。とある女性(三十代か)は3回していた。この糖質が憎まれる時代になあ…。いやでも美味しいのだ。種類は2つしかなくてフォカッチャとバゲットだけなのだが、このフォカッチャにオリーブオイルと塩をつけて食べると最高。パンはもちろんオイルや塩も美味しく、こういうところがたとえ失敗しても「次こそは」とまた来てしまう理由である。セットドリンクにブルーベリージンジャーソーダなんてのがあるのもいい。

 限定の魚介のラザニアが食べたいのだが、いつもすいている時間を狙っていくので必ず売り切れているのが残念だ。