独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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パン・ド・ロデヴでなくてもいい?

 

 

4月2日(火)

晴れ

 

 この日から姪っ子が同居する。ふたりで超緊張しつつ、午前中をすごす。

目玉焼きプレート

 

4月4日

なげやりなピザトースト

 

 

4月7日

 

 

パン・ド・ロデヴ3回目

結構ふくらんだのだが…

大きな気泡はどこにもない

 2回目の完成写真がない。撮ってないのかな。たぶん、前回のせたあんバターのパンは2回目なのだろう、1回目よりまともな内相をしていたから。

 しかし1回目はパンというよりピザのような、到底パンドロデヴとはいえないしろものができたのだが、これがなんだか妙においしくて、「こういうパンなのです」ということにしちゃってもいいのかな、とすら思った。これは私にとっては革命的な変化で、いつも「正解」を目指して挫折してきたので、「あ、そうか、別にこれを正解にしてもいいのだ」などと”ごく自然に”思いつくっていうのは…なんというか…すごいわけですよ。

 ということで、「正解」を焼きたいなと思いつつ、焼けなくてもいいかという感じでトライが続く。上が3回目。正解でなくてもいい言いつつ、初回のようなでろんでろん状態は嫌なので、粉を吸水のよいものに替えてみた。

スローブレッドクラシック 165g

キタノカオリ 50g

セーグル 35g

水 225ml 90%(180+足し水30+25)

モルト 少々

塩5g

 

 粉を替えたおかげで90%の水を入れても扱いやすい生地になったのだけど、おかげで上の写真のように食パンのようになった。まあこれだといつも作ってるカンパーニュと変わらないわけで…。それよりも気泡が密だし…。おいしかったけど…。

 しかも二次発酵を30分と短めにしたせいで、下がつまっている。発酵不足。この二次の時間をどうしたらいいのか、本(前回写真アップ忘れてすみません。追加しました)によるとみなさん40分とか短めで、それを真似するとこうやって下がつまるわけで、たぶんここが一番のポイントなのだろう。ここを見極めればたぶん次の段階に行ける。

 それにしてもこの「たし水」、バシナージュというのだが、これが結構おもしろい。70%の水でこねて30分おいて、しっかりとつながった生地に更に水を加える。最初全然吸わない。無理だろ、と思いつつやってるとだんだん吸ってくる。最後、いい感じの生地なる。この過程がおもしろいのだ。昔チャレンジして全然だめだったけどな…。キタノカオリを加えているからできるのかも。

 で、一次終了後、”でろんでろんのようでいて、でも芯もある”みたいな生地になる。わずかに形を保つくらいのゆるさ。これだ。たぶんこういう感じ、という確信も生まれる。問題はこのあとどう最終発酵させるかで迷ってるけど、一次まではここでいいはず。のんびり探求しよう。

 

今年の桜

今年はなんだかんだと4月に桜を楽しめた

 

4月の新しい試み・パン・ド・ロデヴ

こなログ

 いや別に4月だから、というわけではないのだが、なんか新しいことが多いなということで、いろいろ挑戦したい気分である。

タルトタタンの新形態

4月1日

23℃

さくさくした台のためには、分離したほうがいいよね…

 まずはタルトタタン、いつまでたってもゼリーのようにペクチンで覆われた美しいヤツはできないのだが(カドは立つ。でも表面の一部がいわゆる”脳みそ化”する)、前からの懸念事項、ブリゼ生地をさくさく食べるために、下にしかずに独立させる、食べやすいようにクッキーのように小さく作る、というやつをやった。

 まあこれは、生地にりんごの汁が染みてそこがいいのだ! という人もいるだろうからアレなのですが、我が家では「なによりさくさく食べたい」という希望が多くあり(ふたりだけど)、今回こうやって小さくカットしてバニラアイスとともに添えてみた。

 思いつきなので、どう盛っていいかわからない。でもすごくおいしかったので、これでちょっとがんばってみよう。

 

パン・ド・ロデヴに挑戦開始

みためはこんな感じで、カンパーニュの美しさからは遠い。

でもこれはこれで美しいのかな? 

3月30日

晴れ

25℃

 

(すいません順番が…4月でもなかったな…)

 一時期ネット製パン界で猛烈に流行った「高加水」パン。あ、いまも流行ってるのかもしれないが、そういうところをのぞかなくなってしまったので、私のなかでは終わってしまったってだけなのだが…。「もう加水80%バゲットとか、いい。70できれいに焼けるならそれでいいよね」と勝手に結論づけて心穏やかに生きていたのだが、ときどき加水100%とかのスーパー高加水パン、パン・ド・ロデヴ(もしくはパン・ペイザン)を焼いてみたくなることがあり、試しては撃沈していた。

 で、いつものカンパーニュに入れるグリストミルという粉を切らしていて、そうすると露骨に味が落ちるのでなにか別のパンを…たくさんある中力粉をメインに使うパンを…ということでまたチャレンジすることにした。

 

著者の普及委員会の活動は終了したらしい。残念

 ネットでレシピを漁ったのだがいまいち確証が得られず、この本を購入。結局、私の永遠の課題、”大きく、ランダムに伸びた気泡”が、カンパーニュでもバゲットでも得られないままなので、ロデヴだってそういう気泡が必要なので同じところで悩む。バゲットだと「イーストで、発酵温度を24度以下にして、一次はしっかり&二次は短め」が気泡の鍵のはずなのだが、ご存知のようにちゃんとできたことがほとんどない。

でも理論上はそう言われている。

 この本では「バゲットは230〜240度で焼成するけど、ロデヴは250度で爆発的な火力で一気に立ち上がらせる」的なことを言っているシェフがいて、「おおおおー!」。新発見。そしてみなさん、「ルヴァン種を使いつつ、イーストでアシストする」とも言うので、そうかそうか、ホップ種だけでは無理ね、と解釈。イーストも使おう。

 

一回目 

 まずは加水90%で。粉は

セーグル(ライ麦) 35g

等・トラディション・フランセーズ 215g

 

 でろでろ生地だけど、かろうじて芯がある、という生地がおそらく理想なのだけど、いまひとつでろでろしたまんま。たぶん30分おきに何度もパンチを入れることをしなかったからかも。あと、ラ・トラもだれやすい粉だった気がする。

 まあ、それでも意外とふくらみ、食べたらおいしくて、気泡はだめだけど次がんばろーと思えた。

うーん。ひどい。でもおいしかったよ…ドライトマトをちらした

パンドロデヴとあんバター

たまに登場する甘い朝ご飯。パンはかるく炙る

 挑戦はつづく。

こなログと居候登場の話

こなログ

 サボり気味に加えここ数日旅行記をちまちま書き続けていたので、肝心の朝ご飯記録が全然取れていない。なので3月7日とか大昔のログから…

 

3月7日(木)

曇り

11℃

 

キタノカオリプルマン

これはなかなかいい出来

皮つきサンドイッチ、誰もやらないけどおいしいよ…

 焼きたて食パンはやわらかすぎて切れないのでサンドイッチにするのは1日たってから、がお約束だけど、そこをあえて無視すると当日限定の皮つきサンドイッチができる。ハードパンとは違うけど、食パンの皮も当日はかなりおいしいのだ。たまごサラダにピクルスとチーズを混ぜたものを挟んでいろいろ我が家風のたまごサンド。この日は夫の誕生日だったので、皮は譲った。

 いやでも、焼きたて食パンを薄めにスライスすることはおすすめできませんが…。パン、潰れます。

 

3月9日(土)

晴れ

11℃

チーズトーストの中東風プレート

フムスに唐辛子ってかけるっけ…?

 自家製フムスと中東風香菜とひよこ豆のサラダ添え。圧力鍋で煮るひよこ豆は相当おいしい、缶詰とは別物、という記述を読んでひよこ豆購入。「ひよこ豆、おいしいなあ〜!」と思ったことはあまりないのだが、フムスは好きなのだ。で、乾燥豆を買ってやってみたら、確かにおいしい。確かに缶詰とは別物かも。缶詰のときに口のなかに感じるざらっとした食感が苦手だったのだけど、こちらにはそれがないような。茹でたてに塩をふってつまみぐい、が止まらなくてこまった。で、それにいまや貴重品となったオリーブオイルと茹で汁でクイジナートにかけてあっちゅう間にフムスができた。

 おいしいおいしい、これからもっとひよこ豆を極めようと思ったけど、これ作ったのが3月初旬で今4月中旬。残りを汁ごと冷凍したのだが、あれ、フムス以外ってどんなものが作れるんだっけ? とそこから失念していて困っている。まだフムス作るか…。いやでもカレーとかスパイスいろいろ使うおかずとか、なんかいろいろあるはずなんだが…。これも1ヶ月前に買った乾物のひよこ豆も待機してるし。加齢による忘却パワーが強すぎるおかげでなにかに夢中になってもあっという間にそれを忘れてしまう。ひよこ豆の場合は、毎日冷凍庫でストックを見かけて「どうしよう」と思うのでそれはないけど、でもあの「もっとひよこ豆を!」というパッションはどこへ。

 

3月12日(火)

10℃

タイ風チーズトースト

なんでもチーズトーストに乗せるとそれなりに味がまとまる不思議

 たぶん前日の昼がタイ風ひき肉炒めだった。

 

3月14日(木)

晴れ

16℃

 

セーグルカンパーニュ

詳細はなにも覚えてない…なんかでもうまくできた

 なにしてたっけ、覚えてないや…と思ったが、いやいや、この一月は4月から我が家にやってくる姪っ子を迎えるために夫とふたりで家中を掃除しまくっていたのだった。そうだった、大変だったのだ。シニアになる直前に、いきなり18歳の娘ができてしまうという衝撃。しかも子供の頃以外、ほとんど知らない。でも、二人きりの生活で満足しすぎてついに飽きが来てなくもない感じだったので、喝を入れるために家に来てもらうことにした。そうそう、姪っ子はダンスを学ぶために東海地方から東京にやってきたのである。9月からは渡米するので、その間の仮住まいの家を探して困っていたので、”とりあえず”うち来る? だったのが、いつの間にか9月までどっぷりいることになった…。

 久々に起きた大事件・大変革である。

タイ&マレーシア旅行2023④ ペナン島ジョージタウン編

エキゾチック、かつゆるゆる。ペナンはすべてがちょうどよい

 だいぶお久しぶりに、去年の11月の旅行記のつづき。

 

「どこか行きたい。アジアならエアが取れる」という理由で今回バンコク(タイ)、ペナン(マレーシア)、クアラルンプール(マレーシア)、というラインナップになったのだけど、「タイ料理食べたい」と夫がいい「都会だけでなくてリゾートにも興味がある」というので、タイのリゾート地を探しまくっていたのだが、ここはベストシーズンじゃない、あそこは混雑しすぎてる、あそこは山しかない等、決めかねていたところ、あれ、帰りはクアラルンプールなんだからマレーシアのリゾートでもいいのでは、と思いつき、調べてみたらペナン、ボルネオ、ランカウイと素敵なところがいっぱいあるではないか。しかも「どういうわけかマレーシアはすごく安い」ということで、都会も田舎もラグジュアリーホテルがめちゃリーズナブル。なんだ、マレーシアいいじゃないか! ということで国を移し、ではなぜペナンかというと、”町歩きとリゾート両方楽しめそうだから”。…あれ、これすでに書いたかしら…すみません。

夜はとくにアジアちっくに盛り上がる

 ペナンは昔から貿易港で栄えており、マレー人中国人イギリス人インド人、とスーパー多民族シティ。なかでもメインシティであるジョージタウンはコロニアル風と中華風マレー風が渾然一体となった町並みが素晴らしく、マラッカとともに世界遺産に認定されています。風情たっぷりの建物を眺めつつ食べ歩きすると最高、というふだんからひたすら次に食べるもののことを考え、かつ散歩ばかりしている我々にはぴったりなエリアなのである。ここのエアビーに3泊し、残りはリゾートエリアでホテルステイするという計画をたてた。今回はまず、ジョージタウン散歩記録。

 

 今回の宿はショップハウスという店舗と住居が一体となったペナン特有の建築様式の建物を一棟借り。ブルーマンションというペナン随一のオールドスタイルホテルが管理しているらしい。

いわゆるペナンの古民家? を再生したエアビーホテル

なかもめっちゃ素敵。奥がキッチンとダイニング。

バスルームも広大。バスタブが映らないくらい。しかしこのあと事件がおこる

2階リビングエリア。手間にベッドがある

 もちろん、もてあますくらい広い。いちいちトイレに行くのにものすごく急な階段を登らねばならず、まあいろいろと不便なのだが、なにしろ素敵なので居心地はいい。

 …が、この宿に関してはとにかくついてなかったようで、ホストは大変親切であったにもかかわらず、「台所の水が流れない」とか「風呂の湯が出ない」とかいう連絡に返事が来ず、このやり取りはとても疲れた。洗濯機も動かなくなり、これはすぐに修理の人をよこしてくれたのだが、説明を聞いてたらどうやら連続運転したのがまずかったらしく、「壊したの、自分?」と申し訳なくなって男性2人にチップを渡したのだけど、チップの相場もわからず、しかもつい昨日までいたタイのレートと勘違いして、結局ふたりで5千円くらいあげていたことに気づいたときの衝撃よ…。しかもそのせいでのちのちクアラルンプールで「現金が足りない!」と慌てふためくことにもなり。まあ、こうして書いてると「旅だなあ旅」という感じなのですが。全ての失敗が”味のある思い出”になるのが旅のいいところだ。

 ともかく、台所の水問題はちょっとした操作で治ったけど、風呂のお湯は出ないままだった。部屋のライトのスイッチが10個くらい並んでいて、出かけるときに全部消したら、そのなかのひとつが給湯スイッチだった、という理由だった。しかもそのことに気づいても、給湯器のスイッチを一度切ると一晩くらいかけないとお湯が沸かないらしく………。冷たかったなあ、水シャワー。それまで様々な行き違いもすべて「でもいい人だから」で許してきたのだが、この水シャワーで軽くキレたので、評価は設備のところは低くレイティングしてしまいました。「こんなにたくさんスイッチがあるのに、なんのスイッチなのか全く説明がないのはいかがなものか。シャワーは水しか出ませんでした」等。そして、もうエアビー、自分だめかも、と思った。

 宿について鍵の受け渡しがどうとか、鍵の開け方(だいたい変なコツがある)に悪戦苦闘して、部屋に入ってあらゆる使い方を試行錯誤し…とかいうのがエアビーの醍醐味なのだけど、「もうあかん」と思った。ホテルにしよう。ホテルがいい。バンコクに続きペナンでもエアビーならではのトラブルに見舞われて痛感した。もう民泊は卒業だ。自分はいい年なのだ。余生はホテルで普通に甘やかされて過ごしてもいい…はず…。もしくは、オーナーのいる家の部屋貸しか。エアビーの醍醐味はやはりこっちかも。気は使うけど、やっぱり家主がいるほうがおもしろい。

 

日中はジョージタウン散歩

 朝市からナイトマーケット、海辺。ペナンはなんとなく歩くのに楽しい街だった。いろんな人種のいろんな文化が入り乱れて、そうすると食事も入り乱れて飽きる暇がない。

商店街の店先

 ペナンではホワイトコーヒーというのが定番らしい。

 

御当地グルメはニョニャ料理

初日の夕食はここで。ニョニャ料理とは、中華とマレー、2つの料理が混ざりあった貿易町らしい様式。発祥はペナンと同様、交易で栄えたマラッカ。

外観もかわいいニョニャ料理レストラン、Tina's Kitchen

カラフルなニョニャ料理

 そういうわけで、見た目からして中華のようなマレーのような。スパイスをたくさん使うのも貿易街ならではなのかも。でも味付けはかなりマイルドで、タイ料理なんかとはだいぶ違う感じ。おもしろい。お母さんと娘さんがやっていたので、どちらがTinaかわからないが、むちゃくちゃいい人たちだった。マレーシアでは「びっくりするような素敵な笑顔」をする人とか「むちゃくちゃ親切」な人に多く会った。外国でこういう人たちに会うととても救われる。おっかなびっくり旅しているので。

 

ペナンは夜、ひらく

 夜になると人通りがどっと増える。あちこちでナイトマーケット(おもに飲食)があるからか。旅行客だけでなく地元の人もみな外食するようだ。

 夜になるとますます楽しげな雰囲気になる。

外で食べるのが好きみたい

ステージまであるいわゆるフードコート

大人気の飲茶店。看板と店の様子を夜に撮り、翌日昼に行くことに

飲茶を乗せたワゴン(写真手前右)がテーブルを回ってくる

で、オーダー。お茶の提供の仕方に驚く

 2回目をオーダーしようとしたら、「1回だけ」的なことを言われて、え!となったけど、しばらく待って別の人のワゴンに声かけたらあっさりOK。なんだったの?


2日めの朝食は大人気カフェ、Loong Fong CAFE

店内もエキゾチックでめちゃかわいい

ペナン名物、カヤトースト!

なんと生卵をトーストサンドにつけて食べるという…

 カヤトーストとは、ココナッツミルクと卵のペーストというかジャム。これをはさんだトースト・サンドイッチを、なんと生卵(というか超半熟?)にひたして食べる。アジア通の方々にはおなじみのものなのだと思うが、なんかすごい食べ物だ。なんでも、他では超半熟な殻付き卵が湯に入って出てきて(ここで茹でてる?)、それを割って食べるのだとか。なんの予備知識もなくオーダーしたら、隣の中国人ファミリーが卵に浸して食べていて、「おおお…」となった。そんで、これがけっこうおいしかった。トーストしたパン、甘いジャム、とろっとした卵がからみあって、前から知ってるような新しいような不思議な味わい。

名前忘れた…シロップ漬けフルーツ&ゼリー、なのだと思うが

 そしてもうひとつ、フルーツとゼリー。なんの期待もせずに頼んだからか、一口食べて”!”というおいしさだった。バンコクでも同じようなシロップ&フルーツをカペラバンコクエステのあとで出されたが、あれも異様においしかった。

 給仕をしてくれたお兄さんが日本通で、「日本語、スコシワカリマス」と言うのでいろいろしゃべった。

桟橋の先にあるものは

 で、散歩。その昔、移住してきた中国人が自分たちの居場所を作るため、海のはしっこに荷揚げ用として使っていたはしけの周囲に家を建て、そのへん一帯を自分たちファミリー(みんな同じ姓)の居住区にしてしまうというすごいことをしたエリア、クラン・ジェティ。地面が続いているようだが、木の板は桟橋、ゲートの向こうは海なのだ。そして両サイドの家は水上家屋。

 ↑これはたぶん、李さん一族の橋、って意味。英語だとLee Jettyというらしい。

 で、ゲートをくぐっててくてく歩いていくと…

海だった! 当然だけど

 なんだかめちゃ美しい眺めだった。海の向こうにマレーシア本土が見える。

www.oricon.co.jp

 

窒息しそうなほど豪華絢爛なプラナカンマンション

 プラナカンとは、15世紀頃からマラッカ、ペナンなどに移住してきた中国人のこと。彼らはこの貿易街でしたたかに商売し莫大な富を築いた。ここは19世紀の中国の富豪の住居&オフィスだった建物を公開し、プラナカン文化をたっぷり堪能させてくれる観光施設です。インテリアだけでなく暮らしぶりもわかるので軽いトリップ感覚も味わえる。

 

owl-green.hatenablog.com

↑ここで丁寧に解説されています。

 

 いやあもう、とにかく濃密でぎっしりでカラフルで緻密。ヨーロッパの宮殿も同じ感覚を味わったけれど、日本の「余白の美」って、本当に少数派なのね…。

クリスマスの飾り付けもこの通り。ツリー1本では足りない

ダイニングルームは座っただけで満腹になりそうな

 1時間くらいじっくり見てまわっていたら、夫が具合悪くなってきた。あまりにも濃厚で窒息しそうとのこと。彼はヨーロッパでもタペストリーが苦手でやはり途中で城見物をリタイアしたことがあったけど、大陸特有のインテリアにやられてしまうようである。ここ数年突然木高所恐怖症になったり、濃密インテリアにやられたり、怖いものなしだった彼も年くってだんだん弱くなっている。もともといろんなものが苦手な私は、かえって平気なのがおもしろい。「身体が弱い人のほうが長生きする、なぜならば常日頃自分の身体に注目しケアばっかりしてるから」という話を聞いたことがあるけど、それに近いのかも? 中庭に連れてって一息つかせる。

カフェ難民になって困っていたら

 プラナカンマンションをあとにし、海辺を歩いていたのだが、どこにもお茶をするところがない。地図にあった海辺のカフェもやってないし…。いやまあ、スタバはあったのだけど、別にペナンでスタバに入らなくても…と通り過ぎたら、あとは全然なかった。もう結構限界かも、と突然疲れに襲われていたらホテルが現れた。

ペナンではシックなホテルとして大人気、23Love lane

「23Love Lane」という名前の宿で、高評価ホテルとして名前は知っていた。やはりいろんな文化がミックスしたような建物で、”素敵だな〜”とのぞいたらお兄さんが庭を掃除している。勇気を出して「バーはある? 今やってる? ゲストじゃないけど利用できる?」と聞いたら「いいよ」と入れてくれた!

”カフェってわけじゃないkどロビーでお茶を出してあげるよ”と

 要はホテルのロビーでお茶していいよ、とのこと。左奥に見えるのがフロント。すごい、ゆるゆるしてなんていい雰囲気なのだ…。お客さんが、ときどき奥から出てきてはまた消えたり。ふらっと到着した人たちもいた。レモネードとビールを頼んだときに、このお兄さんがめちゃいい男だったことに気づく。

僕がレモンを絞ったよ、と

 そんないい男が絞ったレモンで作られたレモネードを、ここに泊まったらどんな感じかなーと想像しながら飲む。おいしい。たっぷり40分くらい休んでしまった。

www.23lovelane.com

↑ゲストルームも載ってる。すごくかわいい。

カレーと惣菜のワンプレート飯、ナシ・カンダールにはまる

 夜、というか遅い昼はどうしようと思っていると、すでにグーグル・マップでがんがんに調べていた夫が「ここはどう?」と出してきたのが、カレー定食ナシ・カンダールの食堂だった。「NASI KANDAR BATHUSA」。どう発音するのかもよくわからないが、グーグルでは妙に熱いレビューが書き込まれているので行ってみる。

お客のいないところを撮ったけど、夕食時は並ぶ人であふれかえっている

 右のショーウインドウのなかにお兄さんがいて、そこで食べたいものを指差すと、一皿に全部持ってくれる。そして最後は必ずカレーをソースのようにまわしかける。かけるカレーはお兄さんが勝手に決める。

地元の人でいっぱい、これぞアジアな店内

夫のプレート

わたしのプレート

 カレー数種のほか、キャベツやいんげんなどの野菜のおかずも数種。だいたいみんな3,4種類オーダーするようだ。栄養バランスも抜群な気がする。ほんとにアジアの人は野菜をよく食べる。

 レビュー通り、どれもめちゃくちゃおいしかった。いつも食べてる? くらいなじみある味。誰もがおいしいと言いそうで、だから高評価なのか。店内も居心地いいし、大当たりであった。

 

お店の情報はこちら↓

 



g.co

https://www.tripadvisor.com/Res

 

 

 

3日めの朝、さいごに食べたのはチャーシュー丼

 グルメ天国といわれるペナンで、毎回ひとつの料理に絞るのが苦しかった…。なにせ中高年、胃袋的にも体重的にもそんなに食べれない。1日2食で十分なのである。さんざん悩んだ末、ジョージタウン最後の朝は、チャーシューがうまいという中華食堂にした。お店の名前……忘れた……すみません。

黄色い建物が目印

店内こんなで、通勤前? のローカルさんたちがひとりで食べてる

チャーシューの下がご飯なのか麺なのか、さんざん悩んで…飯に

 うまい。うまくないわけがない。甘めのたれ、カリっと焼いた皮、ジューシーな実。朝からおなかいっぱいになって、我々はペナンの海辺リゾート地、バトゥ・フェリンギに向かったのでした。つづく。

賞味期限切れ食材消費キャンペーン

こなログ

 小麦粉とか白あんとか、賞味期限切れ間近、もしくはすでに切れてるものがいっぱいあって、一掃しなければ! と思い、たとえ食べるアテがなくてもどんどん作ることにした。知り合いが少ないと「作りたい!」→「でも誰が食べるの?」となって、日持ちのするクッキーならよいが、たとえば賞味期限当日のドーナツなどはとても作る気がしない。が、今回はなんだか作りまくろう、後先考えず、と思ったのです。

カロン フランボワーズ

フランボワーズということで
赤色素を使ったはずなのになぜ?

 どうにかピエが立ってよかった…。しかし焼きすぎた。たぶん温度を十度低く、時間は1分短く、ぐらいがいいのだろう。赤の色素を入れたのにベージュになってるのはそのせいか? とにかくイタリアンメレンゲがうまくできず、これができないとマカロンもバタークリームも作れない(正確にいうとフレンチメレンゲでもマカロンは作れるけど、生地が安定しないので)ので死活問題だが、どれだけやっても失敗する。大きすぎず小さすぎないボウルが必要だ、と前回たどり着いたけど、間が空きすぎてすっかり忘れて同じ過ちを繰り返したり。「完全マスターするまで毎日鬼のようにやる」性格ではないので、こういう非効率的なことが起きる。

 お菓子つくりなどは、毎日やって材料、手順が完全に頭に入っている状態にしておくと俄然成功率があがるのだけど、たまにしかやらないとこれができないのよね…。しかし、大嫌いになるほど根詰めてやるといろいろ不幸になるので、こっちを選択している。

 イタリアンメレンゲできない問題は、もういいかげんキッチンエイドなどのスタンドミキサーを買って解決しようかとも思っている。こういう解決がいいのかどうかはわからないけど…。でも老い先短いし、マシンで解決できることはしちゃおうかなあ。

 ちなみに今回のメレンゲは、少しツノが垂れていて心配だった。ピン、としてなかった。が、どうにかピエが立ったので、「あ、あれくらいなら使っていいんだ」という基準が得られたので貴重な実験だった。こうやってひとつひとつ失敗と成功を確認していくしかない。「なんとなく張りはある気がする。でも少し先端が垂れている。大丈夫なのか…」とおっかなびっくり作りながら、「確か以前観たマカロンマスターのYoutubeで、イタリアンメレンゲはそもそもそんなにピンと角は立ちませんから安心して」と言ってなかったっけ? と、当動画を探したりもしたのだが、その先生がしっかりツノを立てている回しか見つけられず、あれはやっぱり夢か…苦しかったもんなあ、何度も失敗して…などなどの経緯もたどる。

 が、そんなこんなでえいやっ、と焼いて見たら、どうにかピエが立った。”あれ”ならいいのである。”あの”メレンゲなら。このブログをお菓子作りの参考にするために読んでくれている人はいないと思うので、”あの”メレンゲの写真はアップしませんが(ない。いつか撮ったらあげるかも)、ぴんぴんに立ってなくても、だらーんと全体がたるんでないのなら、マカロンもバタークリームもいけます。こうやって経験は積まれていく。

 ちなみに今回は、アーモンドパウダー消費のほか、冷凍ラズベリーの消費も兼ねているので、フィリングがフランボワーズなのである。ジャムを作ってマカロンにバタークリームと一緒にはさんだ。バタークリームと完全に混ぜてピンクのクリームを作るほうが王道のようだけど、私はこういう場合、ふたつの味をあえて完全に混ぜず、ここはフランボワーズの味がする、ここはクリームの味が、と各々感じられるのが好きなので、こうしてみた。古いラズベリーなのにめちゃおいしい。こうなるとマカロンコックを焼きすぎてしまったことが本当に悔やまれる。

 

レーズンサンド

 去年から夢中のレーズンサンド。めんどくさいけどあまりにもおいしいのでまたつくった。これは冷凍してあったシュクレ生地の始末と、コアントローに漬けたレーズンも古いので、その片付け用。バタークリームにはホワイトチョコレートが入っており、こちらも始末しなければ、と。

クリーム絞りを使わないとこうなってしまう

自家製あんこも残ってたのでレーズンと両方盛ってみた

 いやあ、うまい。猛烈においしい。我が家では取り合いになる。が、感動して結構あちこちに送ってみたのだけど、みなさんの反応はそこまでではなかった。とある家庭では「子供たちがちょっと…」とかいうコメントまでいただいてしまった。ショック! そうか、酒漬けだもんね…。「レーズンサンドって基本、強い味わいだから人を選ぶのでは?」と夫がなぐさめてくれた。まあしょうがないな。原価高く手間もかかるのになあ。悔しくてもっと勉強しようと、巷で大人気・入手困難の某レーズンサンドも送料1200円も払って取り寄せてみた。想像の半分くらいの小さい箱が来て驚いたのだけど、とくに変わったことはなく普通の味だった。おかしいなあ…。

抹茶とホワイトチョコのパウンドケーキ

自分では最高、とか思ったのだが

 抹茶が残ってたので。抹茶×ホワイトチョコレートという黄金の組み合わせで作る。が、抹茶の量を勘違いして入れすぎて失敗。抹茶を入れると生地がしまりすぎるということをすっかり忘れていた。かちこちになったパウンドケーキを焼いてしまい、半泣きで食べたら意外といける。材料の味わいで食感のまずさをカバーしているのだ! 捨てずにすんでよかったー、と思い、全部食べたあともう一度チャレンジしたのが上。とにかく生地をやわらかくするため、砂糖の一部を白あんに置き換え、砂糖もグラニューではなく、しっとりする上白糖で。もちろん抹茶の量も間違えない。自分では「おお!」と唸るうまさだったが、夫が「おいしいけどこの、ぽろぽろかすが出るのが気になる。出ないぐらいしっとりさせてほしい」などというリクエストが来た。写真にも写ってるが、こういう”かす”。なるほど、気づかなかった…。パウンドケーキってそういうものだと思ってたので…。

「じゃあカステラみたいな質感がよいってこと?」

「まあそうだね」

  ふーむ。まだまだしっとりが足りないということか。それはどうやって達成するのだろう。上白糖をカステラぐらい大量に入れればいいのだろうか。そしてそれっておいしいのだろうか…。課題ができたけどまだ追求してません。ぽろぽろするけど、私は美味しく食べた。

 ともかく現段階で私が確信しているのは、抹茶とホワイトチョコレートは最強のタッグで、そして抹茶はかなり上質のものを使わないといけない、ということ。製菓用抹茶、および安い抹茶は露骨に風味がない。宇治山政小山園(宇治丸久小山園という会社もある。どうなってるんだろう……)の抹茶は10種類くらいあってそれぞれ価格が違う。一度、魔が差して安いものを買ったら全然風味がなくて後悔したので、今回30g約1200円の小倉山にしたら驚くほど味が変わった。それぞれの風味の違いとか正直よくわからないので、値段で選ぶのだが、飲用の、まあまあ高価なものを買っておけば間違いないと思う。

 それでこれに合わせるのがヴァローナのホワイトチョコレートなのだから、なかなか原価の高いお菓子である。最近、「ココアの価格が高騰」「チョコレートの先物市場がとんでもなくあがってる」などというニュースをよく聞くので、ただでさえ高いチョコレート、ますます高くなるようだ。つらい。近所のカフェでも「ショコラテリーヌ」が売り切れになっていた。きっとチョコが高いからだ。

 

白あん入り、杏フィナンシェ

 白あん、アーモンドプードル消費のため。

焼き立て、20分後、6時間後、で味が変わる

 日本橋パティスリーeaseのシェフのレシピ。相葉マナブに載っていた。以前食べて、むっちゃくちゃ美味しい〜! と感激してレシピを探しまくったら出てきた。なんとテレビで紹介されていたとは…。白あんを入れるのが特徴的なのだが、他のウェブサイトでは、「遠藤製餡の白あんがちょうどよい水分」とシェフが語ってもいた。アプリコットも使い切らないといけないので入れてみたが、うまかった。すごく。最近、焼き立てフィナンシェが話題だけど、そうフィナンシェは当日と翌日では全然味わいが変わる。でも本当の焼きたて、オーブンから出して15分以内くらいだと、これまた違う。ふにゃっとしてる。あの”はしっこカリカリ”感が出てくるのは焼きあがり20分後くらいからなのだ。そこから6時間くらいは、カリカリしてる。その後、しっとりする。でもこれも悪くない。どっちもおいしいのだ。

『たけだかおる洋菓子研究室のマニアックレッスン』で、焦がしバターの作り方を改めて学んだので、トライ。今まで焦げるまでじーっと見てただけなのだけど、絶えずかき混ぜるべきらしい。そしたら、黒いカスの量が俄然減った。なんと…。学んだ。

2月26日(月)

晴れ

13℃

 

ハムチーズトースト

ハムとチーズをのせて、やっぱりこれならホワイトソースがほしいよな、と強く確信する

 

ツナとチーズのホットサンド、日本のドラマは大丈夫か

2月17日(土)

曇り

13℃

ツナとチーズのホットサンド

 洗い物が面倒であまり使わないホットサンドメーカー。この日は気合入れて出した。

ツナとチーズを乗せて、もう一枚パンをのせ、表も裏もバターを載せてハイカロリーに焼く。

 できた。バターのおかげで香ばしく焼ける。ほんとはもっといろいろ、めちゃくちゃに挟みまくらなければいけないのだが、挑戦できずにいる。

 

「ほぼ日」が主催する幡野広志さんの写真講座をオンライン受講。朝10時から午後4時くらいまで、(昼休憩は30分!)というスパルタな内容。1万円もしたけど、このボリューム、さらに事前・事後それぞれ、参加者からの質問にすべて答えた書類も届いて、すごい充実していた。持ってる一眼レフはEOS Kiss×3と20年くらい前のカメラで、しかもレンズは幡野さんが「絶対だめ」という望遠レンズ。別に本格的に写真を始める気もないのだが、いつもiPhoneで撮っていて疑問に思うことに答えてもらえそうだったから、思い切って参加してみた。物撮りの際の光の見方などすごく勉強になった。

 さて、問題はこの古いEOSで構わず撮るのか、売って新しいものを買うのか、iPhoneで撮るだけにするのか、を決めなければならない。これ以上やること増やしてどうする、とも思うのだが…。悩ましい…。

2月21日(水)

13℃

キタノカオリカンパーニュ

いつものカンパーニュは

グリストミル 50g

セーグルライ 35g

キタノカオリ 50g

ラ・トラディション・フランセーズ(か、スローブレッドクラシック) 125g

 という配合なのだけど、グリストミルを買い忘れたのでキタノカオリ100gにして焼く。

 そうすると、露骨に違うものができるんだなあ…。前も書いたけど。味が薄くなって、風船みたいに膨らんで、そのせいでクープも消えかかる。うーん。グリストミル…買わなければならないのか…。

 

ハムサンド

 そのいまいちなパンで、サンドイッチ。あえてバターを塊ではさむ。ハムとバター、そしてパンの組み合わせはなぜこんなに優しくておいしいのか。

 

2月23日(金)

4℃!

さむっ。

 

絹さやとベーコンのトースト

なんとベーコンと絹さやを小さく小さくカットすると、またなんか違うかんじのものができあがるのだ…と、軽く感動。

2月24日(土)

晴れ

9℃

チキンと野菜のタイ風トースト

 前日のおかずをチーズトーストのうえに載せた。だけ…。

ドラマ

THE LAST OF US』(2023)など(ネタバレあり)

 

「超話題」「大人気」というので観てみた

 我が家には晩のお楽しみとして、連続ドラマを1本観るという慣習があるのだけど、次はなに観る? となったとき、”ものすごい人気らしいから”という理由で日本の『VIVANT』とアメリカの『THE LAST OF US』があがった。どっちでもいいけどじゃあ『VIVANT』から、となったのが1月末くらい。最初の5分で「ん? 大丈夫かなこのドラマ…」と嫌な予感がしたのだが、その予感を抱えたまま全話見通した。「もしかしたら予想もつかない展開があるのかもしれない」と。しかしそれは訪れなかった…。予想もつかないほどひどい終わり方はやってきたが。いやもう、衝撃的なまでにひどい。役所広司が出ていてもひどかった。悲しい。あんまりネガティブな説明ははぶく。

 次に観た『THE LAST OF US』。もとはゲームで、世界の終わり系の話、という前知識だけで観た。そういうジャンルにほとんど興味がないので、前回の失敗もふまえ、ハードルをめちゃくちゃ下げてみた。だめならすぐやめよう、くらいの低〜いハードル。そしたら今度は予想外におもしろかった。おもしろいだけでなく、3話「長い間」は、観終わったあとちょっと呆然としてしまうほど感動的であった。

『VIVANT』は最後、「国を守るために自分は犠牲になる』であり、『ラスアス』は最後、「自分の愛する人を守るためなら誰でも殺す」であった。しかも激しく殺す。最近のアメリカドラマで多い、”これじゃどっちが悪人なんだか…”という展開だ。そしておもしろかったのは後者……。わたしの人間性にも問題があるのだろう、ということはおいといて、とにかく面白かったのは後者だ。

 もちろん、テーマ以外に撮影だの照明だのキャラ設定だの演技だのいろいろ他におもしろ様子はあるので一言では言えないけど、「善人・正義のはずが気がついたら誰よりも悪い」っていう、じわじわと人が変化していくのを見せていくっていうのがなあ…。観終わったあともいちいち思い出して考えてしまう。『ブレイキング・バッド』も同じだった。気がつくと単なる極悪人じゃん、というあの「気がついたら変わってた」というのが、まさに人間の業という感じでたまらない。

 

www.youtube.com

 

もうアメリカでヒット&評価なんて目指さなくていいのでは? いやでも…ああ

 先日のオスカー授賞式での人種差別案件はなかなか不愉快だった。ごくナチュラルに透明人間扱いされた中国人俳優、キー・ホイ・クァンミシェル・ヨーが、昨年アジア人悲願のオスカー獲得ということで「ついにこの日が来ました。アジア人が、アジア映画が!」とスピーチしてたとき、「それにしてもありがたがりすぎでは?」などと思っていたので、今年のひどい応対などを見ると「もうそんな祭りに参加しなくていいよ」などとも思う。…なので、「アメリカのドラマ(映画)はさすがだ。日本はだめ」なんて書きたくないのだが…。だが…。この2本のドラマを比べると、明らかにハリウッド大作風を狙った『VIVANT』のていたらくがなんとも情けないのも事実である。

 そして、完全に欧米かぶれで育ってしまった自分が、「もうばかばかしいからあっちの映画は観ない」などとはとても言えない、という事情もある。自分の生活からアメリカ映画とドラマがなくなるのはちょっと耐え難い。

 そこらへんの問題は根が深すぎて解決法も思いつかないので話を戻す。

 まあとにかくハリウッドを目指しちゃだめなんだと思う。お金ないんだもん。『PERFECT DAYS』のスタッフの制作裏話で、「ルー・リードやアニマルズとか、名曲がばんばん使えるのも外国製作ならではですよね。うらやましい。日本映画じゃこんな贅沢できない」的なことを言っており、「あ、そうか、曲使うのもお金かかるんだ」と当たり前のことに今更気づいた。映画ってお金かかるんだよなあ…。『VIVANT』に最初からのめりこめなかったのも、照明がちゃちぃかららしい。誰かが言っていて気づいた。そうだよねえ、あの画面じゃあ現実逃避できない。

 今の日本映画はとにかく予算がない。低予算でアメリカや韓国の大作映画と張り合うには無理がある。このドラマの場合、予算のなさに加えて、人を小馬鹿にした適当な脚本とキャラ設定も問題だが、これも「こういうのがハリウッド及び世界ではうけるんだよね?」というところからスタートしてるからこんななっちゃうのだろう。なぜ張り合うのか? でも「いける、張り合える」と思ったらしいから、Netflixで配信したのだ、このドラマ。そして惨敗だったという。あれが世界中で大人気になるはず、と本気で信じていたとしたらかなり問題だと思う。なにを大事にしてドラマを作っているのだろうか。

それでも日本のドラマにはクドカンがいた

 しかしよく考えれば日本映画って、本当は素晴らしいのだ。黒澤や小津に溝口、今なら是枝裕和濱口竜介みたいに、自分だけのやり方でいい映画を撮る監督は今も昔もちゃんといる。ハリウッド大作を目指さなきゃいいのだ。

 で、そこで登場するのがクドカンである。

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 上記2本のドラマを観たあとに控えていたのが本ドラマだった。ポリコレものということでちょっと不安だったのだが、そして1話を観たとき「めっちゃおもしろい」と思ったけど、「でもこれ、もつのかな? 世代間ギャップで笑わせかつ、今のポリコレムードに一石投じて、でもそれだけで最後までいけるのかしら?」という不安もよぎった。……が、杞憂でした! 現在7話めでどうなるかわからないけど、「うおおおお…」とうなる展開に加え、線なんて回収しなくていいとか自分の終わりを知ってしまった人間はどうやって生きるべきなのか等、あとあとまで心に残る奥深いテーマ性もすごい。さすが、本当にさすがである。

 奥深いテーマ性ながらも、おそらく三原じゅん子キョンキョンもマッチも知らない外国の方には全然笑えないかもしれない。それでも、”内輪ウケ”だけでは片付けられない、なんかすごいものがここには詰まっている。相変わらず1本に普通のドラマの3本くらい実がつまってる。観たあとは軽く息があがってるほど体力使う。そしてあとでいろいろ思い出す。クドカンがいるかぎり日本のドラマ、まだいける。

おまけ:音楽も欧米離れが始まってるらしい

 ちなみに主題歌、Creepy Nutsの『二度寝』も、”常にソウルとファンクに憧れ続けてきた日本のラップ”をかなぐり捨てた名曲な気がする。この音の詰め込みかたYOASOBIなどのアニソン系J-POPから来てるのでは(違ったらすみません)? 「最近、日本人は洋楽を全然聴かない」とか「J-popが世界で聴かれ始めている」とかよく聞くのだけど、そういうことなのかな。音楽も、ついに大谷のいうとおり”アメリカに憧れる”をやめるのか。映画とドラマはとにかく、やめよう憧れるの。

カインズに目覚めて、そして結局買ったもの

いつのまにかすごい進化を遂げていたカインズ

正月に撮ったもので申し訳ない……

 十数年前に田舎に住んでいた頃、近くにカインズがあったのでたまに行っていた。ほかのホームセンターとどう違うのか、よくわからないなあという感じでゆるーくつきあっていたのだが、ここ数年、カインズの噂をときどき聞いてはいた。おもしろい商品があるらしいとか、リニューアルしたとか。しかし2024年まで全く近寄らなかったのだが、今年初めて売り場に行き、なるほど! おもしろいかも! と興奮。100均より高品質で値段もやや高く、しかしあくまでも高価ではなく、そして「なるほどね〜」という工夫のある品物が多い。これは見飽きない。

洋服がずり落ちないハンガーとか。なんかおしゃれだし

干すときにかがまなくていい、高さ調整ができる洗濯カゴとか。
これはおしゃれではないが…

むちゃ便利だった。首を曲げなくてよい

 買ったのはこれ。スマホや本を読むとき、首がつらかったんだよなあ。こんなものがあるのか、と軽い衝撃。しかも表と裏で角度が二段階ある。

これも買った。トングがすごい

なんとただ握るだけで開閉が操作できるのだ! 
通常品で必要な、開閉のたびにいちいちフックを押す動作が消滅。すごい

さらに私が衝撃を受けたのがこれ

 上までは正月に行って買ったもので、今回2月に出かけてみつけたのが、これ。背もたれ。がっちり固定されているから思い切りもたれられる背もたれクッション。リクライニングも何段階かにわけてできる。しかも¥5000弱。デザインも悪くない! とにかくうちのソファは背もたれがないも同然で、つらくてたまらなかったのである。

 ソファは絶対ハイバックのほうが身体にはいい。しかし、おしゃれなのはローバック。狭いリビングにはなおさら…というものすごいジレンマがある。そこでこれの登場だ。まあ、おしゃれなローバックソファにこれを置いたら、おしゃれは消滅してしまうのだけど、それはともかく今あるソファでどうにか快適に座りたいと思うと、背もたれは絶対必要なのだ。背もたれを必要としない正しい姿勢の座り方を接骨院で教えてもらったけど、続かない。できない。数年やって諦めた。なので背もたれがいるのだ。

バックはこんな構造。何段階かにわけてリクライニングできる

 値札に3480円とあるけど、それはワンサイズ小さいほうの価格。(上写真の後ろ、ブラウンのやつ)たしかこっちは4980円くらいだったような…。すごいこれは絶対買う、重たくて持って帰れないので通販で、と意気込んで帰宅。なにか家具系のものを買うときは必ず夫ともめる。「買うよ」「なんで? 本当にいるの?」的なやりとりをするのがしんどいのだが、ここはがんばらなければいけない。断固として買う、という姿勢を示す。予想通り「ええ〜?」という夫は、すぐ引き下がりつつもその後「背もたれ」を猛烈に検索したらしい。数々の代替品を提案してきた。

 週末中もめたすえ、

これになった…
mogu というブランドで、名前はボディジョイのビッグです

 普通にネット通販で買った。さんざんカインズをあげといてどういう結末? まあ事実として、こうなってしまったのである。まだあの背もたれに未練はあるし(幅が70cmあるぜ、と言われ断念。のちにデマだったことが判明…またもめた)、カインズが偉いのは変わらない。

 このクッションがいいのかは正直よくわからなかったのだが、夫が数日、狂気のような形相で「背もたれ」を検索しており、なんか根負けしたというか…。せっかく打ち出した「断固とした姿勢」はあっというまに瓦解。

 根負けしたものの、こちらのmogu、通販なのでもたれ心地も置いた感じもなにもわからず、かなり賭けだった。が、幸い当たりだった。がっちりホールドしてくれて、素晴らしく快適。色もさんざんもめたすえ、またも私が妥協して赤になったのだけど、なんか悪くない。この物体がおしゃれかどうかは意見が分かれるとは思うが……。

 

気に入りすぎてミニサイズまで買った…4400円

HPがうまく出てこないので、アドレス貼ってみます。

https://mogustore.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=002001JOY_bb&bid=main&cat=002

 それにしても、背もたれクッションってすごい一大産業なのね…全然知らなかった。いや、あまりに姿勢がつらくて探したことはあったのだが、わたしが見つけたのはどうにも実用一辺倒で、とても部屋に置く気になれなかったので諦めたのだ。もっともっと探せばあったのだろう。カインズしかり、背もたれしかり、「なに、世の中こんなことになってるわけ?」といちいち驚いた。

 これは島忠ホームセンターで3万円のソファベッドを見て思ったのだが、それは素晴らしく機能的で、そんなに見てくれも悪くなく、ベッドの脚がソファの手すりになるような構造なので、その脚が汚れないようにカバーまでついていて、それでいて3万円程度で、まったくもって驚いた。「もうデフレは終わり」「安くていいものなんて、存在しないんです、日本だけです、そんな寝言を言ってるのは。いいものは高いんです!」とある人が叫んでいて、「ほんとそうだわ。安さばかり追求するのは終わり」と基本は思っているのだが、それにしてもこんな「すごく安くていいもの(ベッドだから使わなきゃわからないけど)」を目の当たりにすると、「日本はデフレの30年、とにかく「どれだけ低い予算でいいものを作れるか、という技術をとことん磨いてきたんだなあ」と思わざるを得ない。100均に行くたびに「これを100円で作ってきたか…」と日々ため息をついてきたけど、ほんとやすかろう悪かろうではなく、安いけどいいもの、を作ろうとがむしゃらだった気がする。で、たぶんそれは日本人の気質に合ってたのだろうとも思う。 

 最近、雨後の筍のように林立する近所の新築アパートやマンションを見ると、「すごいテキトーじゃない……? 昔なら窓を作っただろう場所に窓ないし、ベランダないし、庇もないし、自転車置場なんてこれ、雨ざらしだし…」とか思うことが多い。棒ユニットバスメーカーの風呂やトイレを、格安ビジネスホテルで見ると「ぺなぺな! 安っぽすぎる!」と思ったり。でもこれらはほんとごく最近思うことで、10年くらい前までは「安い。なのに悪くない」と思うものが圧倒的に多かった。だからもう、制作費削減の限界を超えてしまったということなんだろうと思う。これからは値下げのことは考えず、普通にいいものを作ってほしいとも思う。が、「どれだけ安く、いいものが作れるか競争」に、日本人はとっても向いてたんだろうな、ともしみじみ思うのである。

おまけ:新宿タカシマヤにはハンズもある

洗面所のシンク掃除用。OXOを卒業したかった

 こういうなんでもない雑貨を「店頭で見て買う」というのが本当に稀になってしまった。だからたまにやると興奮する。このブラシはとくになにがすごいというものでもないのだけど、一緒に買ったので。なかなか美しい形だと思う。

 こちらはハンズで購入。そう、タカシマヤの2〜7階がハンズで、8階がカインズがあるのである。すごい並びだ。この2店舗を一気に見ると、無性にDIYやら片付け欲やらが湧いてきてたまらない。やる気ないときに出かけるといいかもしれない。まあ、あんまりやる気なさすぎるときに行くと、物量に圧倒されてますます堕ちる可能性もあるけど、そこまでひどかったらそもそも出かけないだろうし…。

 おわり。