はらりとした食感が新しいギリシャパイ
GFG Greek from Greece (ギリシャ料理)
https://gfg-bakery.com/#greek-pies
最近支店を増やしつつあるギリシャのベーカリーレストラン。故郷から遠く離れたギリシャ人たちがホームを感じられるような味を作りたい、とHPに書いてある。
パイやペストリー、ギリシャヨーグルトを使った濃厚なヨーグルトパルフェ、それから定番のスープやサラダなどが主なメニューで、朝食に最適だ。。私たちが行ったのはブルックリン橋のたもと、William支店。できたばかりらしく、明るくぴかぴかで気分が良い。他に、9Ave・50&51stやバッテリーパーク近くのブロードウェイ沿いにもあり、1Ave・51stにもオープン予定らしい。
サンドイッチやオムレツなど定番朝メニューもあるが、ここではやはりパイを食べたい。ギリシャでは朝食や軽食にパイを食べることが多いのだそうで、いわゆるギリシャ名物だ。それも甘いものよりどちらかというとおかず系の塩味パイ。
ギリシャ風パイの一番特徴的なのは生地。いわゆるアップルパイなどのフィユタージュ生地とは違い、セロハン紙のような極薄の層を重ねたパートフィロという生地を使う。この店にはほうれん草パイ、チーズパイ、地中海パイ(グリークサラダの具を入れたもの)などがあった。我々はほうれん草を選んだ。…というか、もうひとつ別の味のパイを選んだはずなのだが、覚えていない…。ほうれん草の印象が強すぎた。一口食べてふたりとも「これは…!」と驚きの声をあげた。まず、生地がうまい。噛むとはらはらはら、と繊細に砕けて、実に軽やか。いくらでも入りそうだ。その生地にほうれん草のペーストがよく合う。
このときは安い料理ほどおいしいという法則に気づいていなかったので、ハードルがほとんどなく、だからよけい衝撃が大きかった。「ん? おいしい! いや、ここはただのチェーン店ファストフードのはず…」と半信半疑でヨーグルトパルフェも食べてみたら、これもかなりのハイレベル。濃厚な、しかし酸味はほどよく抑えられたクリームのようなギリシャヨーグルトに、フレッシュでこちらも濃厚なフルーツとざくざくと香ばしいグラノーラ。うーん。すごく充実感がある。それでようやく確信した。ここは、おいしいのだ。
土曜のウォール街なので通りにも店にも人気はなく、工事人のおじさんが朝ごはんを隣で食べているのみ。冷たい雨の降る寒い日で、まあここでいいかと入った店が実は大当たりで…。期待していないときの食事がおいしいと妙にうれしいものだ。
最近は新しい店に入るときは念入りに下調べをするのが当たり前だが、たまには偶然と嗅覚に頼った店選びもしないとだめだなあ、野生の勘を眠らせないためにも。
パイ 各$6.95
ヨーグルトパルフェ $4.95(2019年8月現在)