独楽ログ〜こまログ〜

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熊本旅行2022 その4 玉名温泉…へ行く前に

二泊めは玉名温泉郷

 今回はいつもと違って「旅でできるかぎりめいっぱい動く」ではなく、年齢に合わせて「だらだらする」を取り入れてみた。なので一泊は温泉旅館がいれたくて、しかも部屋にお風呂があるのが理想。だらだらっとして、「あ、風呂入ろ」と入る、まただらだらっとする、また入る。というのをやりたかった。そしてなにより、大浴場の湯船は私にはいつも熱すぎて入ってられないので、部屋のお風呂ならそれが調節できるのかも?と。

 当初は別府空港→別府または由布院温泉→阿蘇ドライブ→熊本市内を2日かけてやろうと思っていたが、やっぱり遠すぎる、と断念。なにしろ年々車酔が激しくなるもので。それで熊本の近場の温泉、で探し直したら玉名温泉郷八芳園を見つけたのである。

 …と、そこへ向かう前に市内をうろうろする。朝、熊本城見学、ホテルに戻ってチェックアウト、坂口恭平美術館、昼食、玉名へ…という流れ。途中、nimocaカードのポイントをANAマイルに交換に行ったら「ポイントは0です」とか言われて、噴火して電話でやりあったり、というトラブル込み。あれはほんとうに疲れた。

 さらに坂口恭平美術館は休み。「休みでもビルの管理人の人に言えば開けてくれるよー」というTwitterを見たのでそれを当てにしていたのだが、それらしき部屋は見つからず。うろうろしていたらテナントの人が出てきて不審そうに「なんですか」と聞くので、入れる方法ご存知ですか、と聞いたけれど「いやーわかりません」。しょうがないので写真だけ撮って帰る。あー残念。

ちょっとだけ絵が見えて、よけいくやしい…

 その近くにある伝説の某書店にも行くが、開店時間になっても開く気配なし。ただここは、「常連さんにはすごく優しいが一見にはかなり冷たい」とのレビューコメント多めで、心配でもあった。なので、哀しい気持ちになるから(←打たれ弱い)やってなくてよかったのかも、と自分を慰めつつ、「不特定多数の人を常に笑顔で迎える」のが当然とされている接客業の難しさについて、もやもや考える。サービス大国日本で暮らしていると「お客さんは誰でも、つねに大歓迎の笑顔で対応」がデフォルトになっているけれど、あれって実は限られた人にしかできない技なのではないか。とくにSNSで神格化されたりすると、神対応を勝手に期待する人が大量に押し寄せるだろうから、それですっかり人嫌い、接客嫌いになってしまう可能性も高い。   

 いつも行くインドカレー屋の奥さんも、カウンター越しに目の前で調理しているのだが、「話しかけないでくださいね」というバリアをめちゃくちゃ感じる。業務は常に笑顔でしてくれるから全然問題ないんだけど「パーソナルスペースは広めですから!」というすごい気合を感じるんのだ。試しにこの間初めて「これって…カレーとは言わないんですかね?」と不要不急な会話を試みてみたら「あー、うーん、まあインド料理はすべてカレーと言っても間違いではないので…」と笑顔で答えつつ、その先はなかった。あ、終わり? もう一言くらいない? そうか…。よしわかった、とこちらも潔く引き下がる。いやでも、全然感じ悪くないんですよ? ただ、よくいる「誰とでも仲良くなりたいんです!」というオープンマインドネスは微塵もないということだ。「よくいる」と書いたけど、やはりあれは特殊技能なのだ。私も基本、深く濃いつきあいが苦手なので奥さんの気持ちは痛いほどわかる。このくらいびしっと境界線を引いてないと、切りがなくなるというか、どんどん入り込まれて業務に支障が出るんだろうな。

 その商売に向いている、愛しているという才能と、「誰のことも歓迎できる」はまた別の才能なのだろう。

 

 が、「歓迎」といえば、この熊本旅行ではあちこちで「大歓迎」された。レンタカーの事務所で、道の駅で、レストランで、お城で。会う人会う人、やたら笑顔で親切に出迎えてくれるのである。あれは感動した。コロナになってから「東京から来たら嫌がられるかも」という心配がいつもちらちらあり、実際「ああ、嫌がられてる」と思うことも何回かあり、今回も覚悟していたのだが、全然違った。そもそも「会話をする」ことを最小限にされるのだろうと思ってたけど、レンタカー事務所のおじちゃんはわずか10分の間に弾丸のように熊本の見どころをしゃべってたし、熊本城も、ルールにはCOCOAアプリを入れてなければ入れないとか、あれをしろこれをしろ、といろいろ書いてあったけど、実際はただうれしそうにチケットをもぎっただけ。天守閣にいた案内人の方も目が合った瞬間にいろいろ説明してくれた。「八芳園」の仲居さんも、朝食をサーブする手を完全に止めて、自分の連休の過ごし方から熊本がいかに都会かまで、根が生えそうなほど話してくれたっけ。みんな地元が好きなんだなあ。よく来てくれました!という気持ちに満ち満ちていた。

強烈すぎた勝烈亭

熊本市内に4店舗。こちらは新市街本店

 べつにとんかつが食べたいとはまるで思っていなかったのだが、グーグル・マップで探したら(うーん便利)、驚異的なレビュー数(=3000!)と得点(=4.5)が出てきて、確認せずにはいられず、ちょうど近くにいたので出かけていく。

いろいろ盛り合わせの日替わり(手前)と、奥はメンチ&チキンカツ定食

 まず備品がすごい。カツ用のソース2種、キャベツ用(たぶんカツにかけてもいい)のドレッシングが2種(ゆずとイタリアンかな?)の2種類、大根おろし、それにかける(カツにかけてもいいだろう)ポン酢。エビフライがあるならタルタルソース。からし。おかわり自由のご飯が無限に食べられる高菜漬け。食後のコーヒーはセルフでご自由に。キャベツもごはんも味噌汁もおかわり無料。サービスの鬼みたいなしつらえに加えて、肝心のカツが軽くてどんどん食べられる。なぜ? 油? 秘技が? とにかく軽くておいしい。さらにポン酢をかけた大根おろしとともに食べると、うまさが三倍くらいになって、ほんと無限に食べれてしまうのだ。

「なんなの? この店なんなの?」と夫は東京に帰ってからもまだ言っているほどだ。もちろん、平日のランチタイムはすごい勢いでお客さんがやってきて、あっという間に席がうまっていく。それも壮観で「活気があるなあ!」とこちらも元気になった。熊本にはどんどん支店ができてるようだが、東京にはできないのかな。もう一度食べたいのですが。

 

hayashi-sangyo.jp


 

ようやく玉名温泉へ向かう!

 

 絶景を求めて、山道を選んで、途中有明海沿いに遠回りしつつ、1時間半くらいかけて玉名温泉郷へ。海があって、すぐ山があるのは和歌山の熊野地方に似ている。みかんが名産なのも同じだ。段々畑の向こうに海と島。車酔いしつつ、絶景だーと眺めやる。

 そして地元のスーパーに立ち寄りつつ、ようやく着いたのだが、書きすぎたのでまた明日〜。