独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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新年初・ホップ酵母パン

こなログ

1月4日(月)

晴れ

13℃

 

キタノカオリプルマン

真ん中で分割されてないけど…

 ついに焼けた…ホップ酵母パン。長かった。カンパーニュも食べたいのだが、とりあえずキタノカオリがあまってるので消費しないと、ということでこの粉オンリーのプルマン。18℃のワインセラーで14時間くらい。復温がたりなかったのか、二次に2時間以上かかる。こういう場合、型の9割まで無理やり膨らませても、結局庫内で爆発しない、過発酵、というのが定石。なので天井に焼きいろつかないことを覚悟していたけれど、ふたを開けてみれば(文字通り)、きれいに膨らんでいた…感動。ま、あともうすこし膨らんでくれてもよかったが、贅沢は言うまい。

 

 焼きたてで、切りにくいことこのうえない状態で無理やり切って、チーズも生で載せる。せっかくなのでトーストにするのもったいないので。

 いつもはたまごサンドなのだが、ただのチーズサンドが食べたくなった。

 

オープンチーズサンド

これが食べたかった。全然映えないけど

 でもうまい。

1月5日(金)

曇り

10℃

 

チーズトースト

翌日はただのチーズトースト。こちらも映えない…

 翌日は、今度はチーズトーストが食べたくなった。トマトとかピーマンとかなんにも載せないやつ。これまたうまい。こんなにおいしいのか、というほどだった。久々に酵母パンを食べたからかも。素朴なものを美味しいと思えるのは、ありがたいことだ。

 

映画

『PERFECT DAYS』(2023)※ネタバレあり

 これは年末に観に行ったもの。「ヴェンダースが・役所広司を使って・トイレ掃除人を描く」という情報だけで「え? なにそれ? どうなってるの?」という映画だったが、いやもう、素晴らしかった。役所広司が好きすぎるというのもあるが、筋のあるようなないような、日記みたいな話でよくぞここまで釘付けに…とひたすら感嘆。

 ヴェンダースが外国人だからか、東京の景色がすごくロマンチックに描かれている。亀戸のぼろアパートから渋谷まで、毎日掃除道具を積んだワンボックスで勤する平山さん(役所広司)。その道程、えんえんと首都高が撮られていくのだが、なんだろう、その流れていく絵がなんともいえずよいのだ。首都高がこんなに情緒に満ちているとは。そこに流れるのがルー・リード! これは反則では? 

 自転車で橋を渡る姿も、代々木八幡宮のベンチで見上げる木漏れびも、浅草駅なかの飲み屋街もいい。で、毎朝空を見上げて↓この笑顔を見せる平山さんは、なおいい。しかも、とても幽玄なのだ。溝口健二の映画なぞ思い出す。これってもしかして夢物語なのか?

 

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 しかしこんなこというとおこがましい(?)のだが、緑を眺めて毎日じわっと感動したり、寝る前に布団で読書してたり、毎日同じことを嬉々としてやってたりするとこは、なんだか自分みたいだなと思ってしまった。わたしはあんなに職業意識高くないし、あんな笑顔はしてないと思うけど。

 ひとりぼっちで社会的地位の底辺生活をしてる平山さん、どうも実はいろいろな過去があるらしい…と匂わせて、普通ならナニカが起こってその過去を解消する、折り合いつける的な展開が定石だと思うけれど、解決なんかしなかった。悲しみは悲しみのまま。それが良い。平山さんは「なにかを我慢して今の生活を耐えている」わけではないのだ。今がPERFECTでだから。この日々がゴールなのだ。育てている盆栽も撮りだめている写真も、誰にも評価されない。求めてもいない。

 使っている役者がみんな「味のある顔」をしていて、すごいなよく探したなー、と。顔だけで、たたずまいだけで意味をもたせてしまう人はなかなかいない。途中、あれ、研ナオコ? まさかね、と思ったら本人だったらしい…どうなっているんだ。スナックのママさんが石川さゆりで、アニマルズをこぶしまわしてうたいだしたのもたまげたけど、なんかとにかくいろいろ自由だった。物語の法則だとかリアリティがどうのとかいう映画及び物語のセオリーは無視して、撮りたいように撮りました、という感じであった。力ぬけてるのに傑作。若者にはできない。

 ラスト、朝日を浴びて首都高を疾走する平山さんのドアップが続く。哀しいのかうれしいのか、いろんな感情をにじませてえんえんと。この表情が泣きそうなのは、そうか朝日を浴びてまぶしいんだな、と思いつつ、亀戸から渋谷に向かうんだから朝日は浴びないよね…とつまらないことなども思った。

 あんまりよかったから、新年までとっとくべきだったかも、とすら思った。