独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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10月のこなログと10月の思い出①

 すっかり年の瀬なのだけど、パンの記録をためたままである。正月に向かって高揚している中、10月の記録を投稿するのはほんとうにしらけるのだが、そのまま放置しておくわけにもいかないし…(?)。今年後半を振り返るというていで、日記も交えて書いてみます。パン制作のために気温と天気を書いてたけど、省略…。

 

10月5日(土)

セーグルカンパーニュ

 9月終わりのマレーシア旅行から帰って、「さあ頑張っていつもの生活をしよう」と意気込んで焼いたもの。勢い余って撮影する前に切ってしまったので、くっつけた。まあまあ…かなあ…。

 旅行が好きなのだが、メンタルがヘタレなので散々に疲れ切って帰ってくる。あらゆる乗り物が嫌いなのに海外旅行するんだから、そりゃ疲れるに決まってる。帰ってくると日本はいいなあ、としみじみ安堵して、いつものルーティンワークがより楽しくなる。「またあの、いつもやってることやろっと!」とうきうきしてしまう。明け方に起きてジュース作ったりコーヒー入れたり、ヨーグルトとグラノーラ食べながらBSの報道番組見る(ウクライナ戦争以来、毎朝観るのが習慣になってしまった)とか、パンを焼くことご飯を作ること近所を走ること泳ぐこと映画を観ること寝ること(最近不眠症ひどいけど)。自分のように毎日本当に同じことばかり繰り返して生きている人間には、(たとえそのルーティンがどれだけ好きでも)ダレてくるので、旅行は良いカンフル剤になる。というわけで10月はなんか気持ちがフレッシュだった気がする。

 あ、あと、ようやく涼しくなったからよけい元気だったのかも。「暑くもない! 寒くもない!」と叫びながら散歩してた。うれしくて。今は寒い。あんなに冬が好きだったのに、去年から「え? 寒いのって辛くない?」と思いだして、いやになってしまった…。加齢と関係あるのかな。

 

10月6日(日)

にんじんチーズトースト

 

 姪っ子がにんじん好きだったので、いままでジュースの材料、煮込みもののベースとしてしかみてなかったのだが、もっと使おうと思ったのが今年の新発見。毎年、「いままで素通りしてた素材」を使う、ということを少なくともひとつやろうと思っているのである。

 で、ほそーく千切りした(スライサー使用)生にんじんを思い切ってチーズトーストに載せて焼いてみた。なんとなく塩を降ったら、それがけっこういいアクセントになった。中途半端に火が通ったときのにんじんの青臭さが苦手で、なのでにんじんを調理するときは思いっきり煮込むか思いっきりローストするか、が肝心になる。トーストだとそれができないので、極限まで細く小さくしてみた。

 

10月7日(月)

ベーコンズッキーニトースト

 生野菜をほそーくうすーくカットして焼くトーストの実験。この日はズッキーニ。やっぱりスライサーで超うすぎりにして、うまみだしにベーコンをちぎって載せて焼く。ズッキーニって絵になる…。

 

10月8日(火)

ズッキーニハムエッグプレート

 ベーコンの油をズッキーニに吸わせる。

 

レーズンサンド試作

 レーズンサンド。めちゃおいしいと思うのだが、「美しく」作れないし詰められないのでずーっと試行錯誤している。最近の正解は、サブレは包丁でカットするのではなく、四角い型で抜くということ。断然きれいにできる。もう”きれいに切る”ことは諦めよう。私には無理なのだ。でもこれで大きく進歩した。さらにサイズぴったりのいい感じの箱も見つけた(それでも両端が数ミリあまるのだが…)。しかしサブレの型で抜くことがいい、となったので、箱に合わせてカットはできない。ここは妥協。あとは…あとは…クリームをどうしたらきれいに絞れるんだ問題。このあと、Youtubeの製菓チャンネルをみまくって「なるほどね!」と思った。思ったのだが、実行しないで数ヶ月過ごしていたら見事に忘れてしまった…………。ま、でも解決法がある、とわかっただけでいいか。また見よう。

 箱に詰めて気付いたのは、高さもきっちり揃えないといけないんだということ。え、当たり前? ですよね…。だからますますクリームをきれいに・きっちり同じに・絞らないといけないわけですよ。

 

10月10日(木)

のりチーズトースト

 手抜きしてトマトソースをしかなかったが、のりとチーズだけでも、これはこれであり。

 

 涼しくなったので走るのが楽しい。公園に行くとどんどん木々の葉がどんどん色づいていく。

 

ドラマ『ファーゴ』

 この秋は昔途中まで観てやめていたドラマ『ファーゴ』を5シーズン全部観よう、ということもやっていた。3シーズンまでは観たのだが、そのときの印象が「豪華キャストで凝った脚本でおもしろいけど胸糞わるい」だったので、続きは見なくていいと思っていたのだが、なぜか「全部観る」ことになった。我が家では「ドラマを毎晩1本ずつ観る」ということをしている。

 一番面白かったのがシーズン2なのだけど、これが「キルスティン・ダンストがめっちゃおばさんになって出てる!」と衝撃を受けたこと以外、前に観た記憶がなにもなく、なのに今観るとすごくおもしろいので、いったいどういうことだろう? 1話のことだけ覚えてるのだが。でもユアン・マクレガーが出てたシーズン3は全部観たので、2だけ途中でやめたのというのも考えづらい。

 とすると、当時は忘れちゃうくらいつまらなかった、ということなのだが、たった数年でそれが「すっごいおもしろい」になるのか? 15年ぶりに観たならわかるけど、たった数年しかたってないのだけど。でももしそうなら、私の映画の観方、つまり価値観が激変しているということなのだが………。若い頃からは別人? というくらい考え方も価値観も変わったけど、ここ数年でも激変? 我ながら怖い。

 キルスティン・ダンストが「キラキラ生きたい」「あたしらしく生きたい」欲望が抑えられない、子どものような主婦を演じているのだけど、これがむちゃくちゃリアル。夫が開業のために必死で貯めた貯金を、自己啓発セミナーにつぎこんでしまったりする。子どものようだから悪意はないのだが、思慮も浅いしうかつなので、どんどん犯罪に巻き込まれ、しかも彼女の善良な夫はさらに激しく巻き込まれ…。しかし最後まで「あたしだって被害者なのよ」と言い張る。「普通の、善良(風)な、でも愚かな市民の犯罪」が『ファーゴ』の、少なくとも最初の頃のテーマなのだが、見事にそれが貫かれていた。たぶん最初に観たときにはあまり気づいてなかった、ジェシー・プレモンス演じる善良な夫の執拗なまでの「俺は絶対にアメリカン・ドリームを叶えるんだ」という思い込みも、今観るとなんとも痛々しく、身につまされた。彼の夢は別に大金持ちになることではなく、小さな肉屋を構えてかわいい奥さんと子どもと末永く暮らす、ただそれだけなのだ。「キラキラ生きたい」と願っていたのは妻だけでなく、夫もそうだった。そしてどちらもそこに執着しすぎていっさいの路線変更を許さなかった。…なんというか、他人事ではない。すべての現代人に刺さるではないだろうか。

 キルスティン・ダンストって、その昔「超いけてる」存在としてデビューして、マリー・アントワネットだって演じたくらいなのに、自分の”正統派美人ではない、むしろぶさいく”という自分のルックスを自覚して、加齢とともにおばさん役(脇役も多い)をリアルに演じてて、とても頼もしい。醜い姿をさらすことを厭わず、かつ活き活きと演じて結果魅力的、って俳優として最高だよなあ。

 

 シーズン1と3の感想は数年前と同じ。おもしろいけど、後味悪し。

 シーズン5もおもしろかった。それこそ15年前くらいから推していたが、最近急に頭角を現してきたジュノー・テンプルがタイガーとあだ名されるほど強い女を演じてて、それがめちゃくちゃはまってて痛快なのだが、いかんせんポリコレに汚染されていて観ている途中で興が覚めるのが惜しい。『マッドメン』のジョン・ハムが強烈なヴィランを演じてて、おお、新境地? というのもよかった。

www.20thcenturystudios.jp

 

10月12日(土)

ポテトグラタントースト

 ポテトグラタンをトーストに載せる、という禁断の炭水化物メニュー。ポテトサラダサンドイッチとかも、禁断すぎて作ったことない。でもこの日は作った。なんでだろう。いや、作ったらおいしかったよ? もちろん。グラタンがパンに載っていて熱々で、チーズがこんがりしていて、おいしくないわけない。

 

箱根彫刻の森美術館

「今週末、箱根行きますから」といきなり宣言して、そのままぐいぐい出かけた。「えーっと今週ってなんかなかったっけ?」「いや、まだ開催してるからとりあえず考えて」「天気予報は?」…などのもろもろの検討事項を全部すっ飛ばして、力技で予定を入れ、ロマンスカーと美術館の予約をする。

 ほんと「行きたかったけどな〜(終わってた)」みたいなことが多すぎるので、「行きたい。行く」と腰を上げなきゃだめだと思ったのだ。すぐに上げたくても上がらない年になってしまうのだ。この間亡くなった小倉さんも、半年くらい前新聞に「老後にやろうと思ってたことはほとんどできない。だからすぐやりなさい」と記事を載せていて、むちゃくちゃ反響してたっけ。時間がないのだ、もう私には。

これがどうしても観たかった

 展覧会も素晴らしかったのだけど、建物から出たら↓こんな景色が広がっていて思わず「おおおお〜」と声が出てしまった。

森、山、空、彫刻

 十代〜二十代の頃、深夜にフジテレビを観ていると、トラウマになりそうなほどこの美術館のCMが流れていて(それほどフジを観てたってことか…あの頃は偉かった)、なんとなく”テレビ局が金に飽かせて作ったバブリーな美術館”という偏見しかなかった箱根彫刻の森美術館。当時小田急線沿線に住んでいたにも関わらず、行こうと思ったこともなかった。まあ、その頃美術館を楽しむなんて考えたこともなかったんだけど。

 で、数十年かけてたどりついたわけだ。感慨深い。そしたら予想の何倍も素敵な場所だった。「なにこれ?」と言い募ってしまうほど素晴らしい場所だった。めちゃくちゃ気持ちよかった。夫に「誘ってくれてありがとう」と殊勝に感謝されるほど、よい体験だった。舟越桂展には期待してたけど、この美術館についてはまるでハードルを上げていなかったので、なおさら。やはり事前になにも期待しない、というのが物事を楽しむのに大事な要素らしい。

 

 ネットの森という子どもが遊べる施設もあるのだが、

ネットがこれまた美しくて

 子どもを遊ばせる施設も必要だよねー、とこれまたいっさい期待せずに中を覗いたら、むちゃくちゃ美しいネットが現れて、また感動。登山鉄道で文字通りえっちらおっちら山を登ったり降りたりするのも、日曜なので観光客でごった返す箱根湯本駅も、みな楽しかった。「混んでるときは出かけない」とか思ってたので、日曜に観光地に行くってことが、もう新しい体験なのだ。コロナ以降、土曜でも日曜でも出かけるようになった。もう時間がないからね。

 それにしても満席の帰りのロマンスカーで思ったことは、みんな、お土産をたくさんたくさん買うんだね! ということ。誰もかれも紙袋を2つも3つも下げている。あげる人がいるんだなーとちょっとうらやましくなった。