独楽ログ〜こまログ〜

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スペイン旅行記 その24 番外編 オンライン英会話の内容と効果を詳しく語る後編

英会話の話の前に身の上の話をしていいでしょうか?

 

 ぎっくり腰になってしまった。もともと腰痛もちで、10数年前に激しいヘルニアをやって寝込んだのを、鍼と整形外科のリハビリで奇跡的な復活(…と、鍼の先生が言った。なぜ治ったのか詳しく教えろ、と連絡が来た)を遂げて以来、年に数回痛くなるので、その都度自分で編み出した療法などでやりすごしてわりと仲良く腰痛とつきあっているのだけれど、今回は、「あ、やべ、痛いかも…」と思っていた1時間後に花粉症による大きなくしゃみをして、思いっきりギックリしてしまった。音が聞こえたような気がするほど、それはそれは大きなギックリだった。

 

 今回は寝てても痛いといういつかのヘルニアの再来かのような重症で、数日前に仕事が終わって幸いだけれど、同時に4月28日までの国立近代美術館「茶碗の中の宇宙」展覧会チケットを競り落としたばかりでもあり、これに行けるのか非常に心配だ…。ていうかその前に、日常生活すべてが困難だ。

 まあ、とにかくこんなときは読書と映画鑑賞しかないですよね。ちょうどエルロイのぶあっつい暗黒小説「ホワイト・ジャズ」を読み始めたばかりだったので、これにどっぷりつかってすさむのも悪くない…と思っていたのだが、よく考えたらそうもいかない。前の日から仕込んでいた大量のいちごジャム7パックぶん、が砂糖にまみれ大鍋に入って台所を占領しているし、さらに同じく前の日に仕込んだカレー風味ビスケットの生地も、はやく焼いてくれ、と冷蔵庫でスタンバイしているし、夫は出張中だから食事も自分で料理しなければ食べられず、なおかつこれまた前の日から冷蔵庫で解凍中の鶏肉を必ず今日使わなければならないし、なにか作ったら洗い物が待ってるし…と、ギックリ女には多すぎるタスク。

 くの字に固まった腰をひきずって、台所に立っては休み、立っては休み、を繰り返して、なんとかすべてをこなして、鶏肉で作ったカレーが病人とは思えない出来で、うれしかった。それにしてもこの腰で銅の大鍋(ジャム用。間違えて大きすぎるものを買った)とか、鋳鉄フライパン(うちのメインフライパンはこれ)をもつのって、すごい労苦。持った瞬間にぐわーんと腰に響いて、体ってつながってるんだなあ、としみじみ。

 

  寝てても痛いのだから、もうなすすべがない、と思っていたのだけど、机に座ってみると、これが以外に楽で、もちろん同じ姿勢を続けるとアウトなので長時間は無理だけれど、オンライン英会話やブログ書きはできなくはない。不幸中の幸い。

「あたしとっても腰が痛いです。だから途中で授業やめるかもしれない。そしたらごめんなさい」と言いながら、机に上半身を預けた変な姿勢でつたない英語をしゃべる自分。そんなに英語やりたいのか、と妙に感心してしまった。

 

私が最上だと思った英語学習法 

 えーとそれで、2か月後のスペイン旅行で宿のホストと楽しくおしゃべりするために、オンライン英会話を1日2レッスン(25分×2)受けることにした、のが前回までのあらすじ。カランメソッドで口がよくまわるように下地を作っておき、フリートークで「自分の言いたいことをすぐ英語にする」訓練をする、という目論見です。やっぱりこれは両方やったほうがいい、と、途中片方だけにして痛感した。あ、でも、カランは「日常的でない文」ばかり言わされるとみんな言うし私も言ったけれど、でも半分以上は日常的です。ここで覚えたフレーズもたくさん使えます、念のため。

 

 あ、それから、カランをやって、頬のたるみがやや解消しました! これはあまりにも想定外の効果。でもたしかに、確実に、すこしだけ、頬があがったのだ。これまでたくさんカランについての記事を読んできたけど、これを書いている人はいなかった。

 

 とはいえ、しかし最強の英語学習法はこれだけではたりないのであった…。残念ながら。

「仕事に比べたら英語の勉強なんて全然いいよ。だってやればやっただけ、絶対にななにかしら報われるんだもの」

 と、たしか以前、私は友人に言った。某大企業に努めている友達が、「社内で英語ができないのは私だけ。すでに業務に支障が出始めている。でもあたし勉強嫌いなのよ…。英語の基礎なんてないも同然だし…」と嘆いていたときに、励ましの言葉として言ったのだけど、言いながら、実は自分の言葉を疑ってもいた。なぜならば、どれだけ英語をやり続けても、旅行に行くたびに話せなくなってるし、たしかに単語も文法も以前より全然よくわかっているという実感はあるけれど----たとえば英語の映画やドラマを観ていると、以前より全然わかる----、肝心の、いざ英語をしゃべる段階になると、「私は退化している」という実感しか持てないからである。

 

 さんざん英語学習人のサイトを渡り歩いたり、様々なテキストを買ってはぼろぼろになるまでやりこんだり、無料のニュースヒアリングサイトを繰り返したり、今思うとかなりいろいろやってきた。だけど、どうしても「これじゃだめかもな…」という感触が拭えない。

 そんなときにオンライン英会話にたどりついて、「どれだけ泳法の本を読み込んでも、プールに入らなければ泳げるようにならない」という、極めて当たり前のことを実感して、「しゃべりたいなら、しゃべらなきゃだめでしょ」と結論した。当たり前か。

 で、このオンライン英会話に、さらにもうひとつ加えることで、「日々上達」をはっきりと実感できるようになったのである。

 

もう参考書は買わなくていい、と決めさせた「ENGLISH EX」

 それがこの「ENGLISH EX」。いわゆる文法書で、文法項目別に2000文くらいの例文が、詳細な解説つきでついている。CDの音声テキストつき。さらにエクセルの例文一覧表までついている。全540ページで、1800円しかしない。これは……すごい。これはすごい本です。(写真右)。

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 簡単に言うと、ここにある例文を毎日少しずつ暗唱しつつ、日々オンライン英会話をしていると、フリートークでめちゃくちゃ役に立つのだ。

 

授業中、言いたいことが頭に浮かぶ→あ、これあの例文にあったな、と思い出す→毎日暗唱しているからすっと口から出てくる

 

 という現象が、たびたび起こる。

 覚えたての単語を、ドラマや英語で聞くと、妙にうれしいものだけれど、この「言いたいことを思いつく→EX で覚えたフレーズを思い出す→言う」の喜びは、これの3倍くらいあると思う。

 

 まず、この例文の「使えっぷり」がすごい。

1

なんでまたそんなに急に考えが変わったのですか?

What has caused you to change your mind so suddenly?

 

2

「帰り道、少し雨に降られました」

On the way home ,I was caught in some rain.

 

3

「この問題に関して、なにか質問のある人はいますか?」

Dose anyone have any questions regarding this problem?

 

4

「残念ながら後者の要望は叶えられません」

Unfortunately,the latter requirement is impossible to satisfy.

 

5

「まだ雨が降っていたので、私たちはカードをして時間をつぶした」

It was still raining outside,we killed some time playing cards.

 

6

「彼女が見た、僕と一緒にいた女の子っていうのは、僕の妹だよ」

The girs that she saw me with was my sister.

 

7

「全体的にその翻訳はよく書かれているし、正確です」

On the whole,the translation reads well and is accurate.

 

8

「そのサラダは冷蔵庫で数日もちます」

The salada keeps for  several days in the refrigerator.

 

 などの、普通の、よく使うありがたいフレーズがずらりと並んでいる。「そういえばこれ、英語でなんていうんだろう?」というような表現であふれているのだ。

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ページ構成もわかりやすく、左に例文、右に解説、となっているのだが、この解説が詳細。ここで、なぜこんな言い方になるのかをしっかり理解するからこそ、文章そのものも頭に入る(もちろん、意味抜きで覚える慣用句もあるが)。この効果は絶大で、一覧表を見ただけで、解説を読まずに覚えた英文はすごい勢いで忘れてしまうが、「なぜこの文をこの項目(名詞節とか完了形とか…)で採用しているのか」という文法的な理由を理解していると、忘れないし、すぐ思い出す。

 例えば、7と8は自動詞がテーマ。read もkeepも自動詞としても機能するので、「この翻訳はよく読める(=読みやすい)」という使い方でthis transration reads wellと書けるし、「サラダは数日もつ」とも書ける、とか。4では、「be impossibel to+V(動詞)」で「Vするのは不可能」という意味になるが、逆の「be possibel+V」で「Vすることは可能」と表現することはない、とか。「そうなのか!」と印象に残ることが多いので、自然と文章も覚えるのだろう。

私のつかいかた 

 毎日7~10の例文を覚え、今やっている項目(A~Zまである)と、過去にやった項目を任意に選んで暗唱する。どれだけ覚えた、と思ってもしばらく暗唱しないとあやふやになっているので、これが欠かせない。逆にこれをやっていると、フリートークのとき、口をついてでてくる。

 耳で覚えるために音声を流し、一覧表の和文を見て、音声と合わせるようにして英文を言うのも大事だし、音声なしで和文を見て英文を言う、のも両方大事。音として覚えなくちゃいけないけれど、いつも音声だけで練習していると、その音にひきずられてうまく言えなくても流してしまうからだ。和文を見て0から自分の頭のなかから英文をひきずり出す訓練も必要だと思う。だから両方大事。

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⇧驚くほど便利な、付属の例文ファイル。

 

 ちなみにこの音声、男性と女性ひとりづついるのだけれど、この女性の声が秀逸です。すごく耳に残るので、意味以前に音を覚える、ということが、彼女の言う文章だととてもやりやすい。

 

 なにせ例文の数が膨大なので、はっきりいっていつ終わるのか全く見えない。年内でも無理だと思う。むしろライフワークとして終わりは見ないでやるほうがよいと思う。でも、この本にも書いてあったけれど、ここにある文章を全部覚えれば、日常会話ではまず不自由しないだろう。

 

 そんなわけで、私は私なりの英語勉強法を、ようやく確立したのであります。オンライン英会話のカラン、フリートーク、そしてこの文法書EXの暗唱をしていると、日々「私、すごい進化してる」と体感できる。「どんどん覚えるし、どんどん聞けるし、どんどんしゃべれてる!」と。この感覚は初めてです。爽快です。効果が出ると勉強が楽しくなる。ぎっくり腰でよろよろしていても、それでも勉強したい、そんなことまでおきる。

 まあでも、私がドラマ「ハウス・オブ・カード」と「HOMELAND」(ともに今観てるドラマ)を字幕なしで完全に理解できる日はたぶん来ないと思うけど……。

 

追記

QQ Englishにおける、私の講師の選び方などを詳しくかくつもりでこのタイトルにしたのだけど、書いてたらなんとなく暗い気持ちになったので、保留。よって、オンラインの内容というより、私の勉強法、になってしまいました。スミマセン。