夏は革命の季節?
“毎日雑巾がけ”キャンペーン、意外と続いています! やる前はとてつもなく面倒くさいことだと思っていたことも、習慣にしてしまえばなんでもない、という、手垢のついた格言(?)を、“ほんとだなあ~”と実感しながら、連続記録を更新中。そう、このブログおよび私の毎日は、「そりゃそうでしょ」と多くの人々が当たり前に思っていること、知っていること、をいちいち腹の底で実感して噛みしめなおす、ことを目的とした中高年の成長記録なのである。
めきめき成長しているゴーヤを眺め、切られてしまった大銀杏の木のあった空間をせつなく眺め、暑さと闘っている2017年の夏。
浮気の謝罪をするというとほほなテーマで傑作アルバムを作ったJAY-Zの新譜を、いろんな意味ですごいよなあ、と感心しながら聴き込んでいる夏。
どうもここ数年、夏は自分改革の季節らしくて、今年も自分が、そして自分の見えている世界が大きく変わりそうな感じがしている。ついこの間まで、調子悪いしろくなことないし、「うわあ、つらいな今年」と、音を上げかけていたのだが、そんなことも吹き飛ぶ意識改革がやってきそうな予感があるのだ。
なので、はっきりいって何もしていない夏なのだが、目にはいるものすべて、やることなすことすべて、を慈しんでいる。熱い風に吹かれている洗濯物とか、オリーブの葉とか、それらに水をやるとか、扇風機の音とか、大相撲が始まったというニュースだとか、炊き上がったとうもろこしとチキンのバターご飯とか、湯船に入れたはっか油とか、生活のすみずみまで、なんというか満たされている感じ。なにもない、ただの日常なのだが。
生まれたときからずーっとすべてを覆っていた透明なシート、“なにもかもどうでもいいし、だいたい無意味だし”という虚無のシートが、もしかしてはがれかけているのかもしれない。だから生活のすみずみに今始めて色がついてきたような、そういう感覚がある。
⇧すっかり葉が落ちたウンベラータ! もちろん、ここから新緑が出るのよね…?
JAY-Zの話を続けると
浮気して、激怒する奥さん(ビヨンセ)に土下座する様をアルバムにする、吐露ついでにお母さんがレズビアンだとも告白し(母本人も登場)、そしてそれを素晴らしいアルバムに仕立てるっていうのは…この人って、根っからのエンターテイナー、芸能人なのだ。
人にはそれぞれ役割があるよなあ、とここ数年思うのだけど、今回のJAY-Zとか、あと市川海老蔵にもつくづくそれを感じる。彼らは根っから“表に出る人”なのだ。自分の身に起こることはすべて躊躇なく世間と共有し、芸の肥やしにしてしまう。売名行為とかそういうのを超えて、共有することが当たり前だ、という自然体な風情がある。ふたりとも自分の役割をわかっていて、それを存分に演じきっている。
人にはそれぞれ役割が説
「人には役割がある」という物言い、人の可能性を限定しているようで昔はすごく嫌だったけど、最近は肯定的に感じる。これも年のせい? どんなに否定しても、ちょっと社会を見渡すと実例があふれている。あの人はここで笑われる役だよね…あの人はここでびしっと怒鳴って場を締める…あの人はそう、いつのまにか帰っちゃうし…あの人はそれで笑われた彼を慰めて…云々。そういう多種多様な役割が絡み合って、社会はまわっていく。だからドラマが生まれる。そして、自分の役割をある程度把握していると、自分のすべきこともわかるし、他人も見えるし、そうすると全体像ってのも見えてくるだろうし、いろんなことがスムーズにいく。
だがしかし。
おもしろいのは、その役割は別に絶対的なものではなくて、突然めちゃくちゃに破壊してもいいってことだ。人には役割があってそれが絶対で、と思うと息苦しくてたまらないけど、たまにはそれをひっくり返したっていいんだよね。別にがちがちに守らなきゃいけないなんてことはないんだ…と、ある日気づいた。例えば、「私はいつもここで面倒な役を買って出る役」なんて自覚して、それをそつなくこなしていたとしても、ときには「勘弁してっての!」と吐き捨てて帰っちゃったっていい。自分の役割を自覚することと、それを忠実に守ることはまた別問題なのだ。そう気づいたら「人間役割説」がおもしろく思えてきた。
最近、自分の身に起こる“衝撃的なこと”は、具体的な事件とかではなく、“…と突然気づいた”系のことばっかりだな、ということにも今、気づいた。事件は自分の内部で起きてるってことなのかな。
で、ようやく本題。
いつかに飴色玉葱の作り方を書いたので、その活用法を書きます。
夏トースト
まず、写真にうつらないけど、ピザトースト。トマトソースのかわりに玉葱ペーストを塗って、いつもの具…チーズ、トマト等…を載せて焼いて、夏トースト。トマトソースに劣らないパンチが出る。青唐辛子酢(タバスコでも可)を上にふるとますますメキシカンな感じで気分出ます。
飴玉パン
小さなパンにチーズと飴色玉葱を入れて。パン生地全体に混ぜるかどうか散々悩んだのだが、今回は中心にぐっと塊を入れて。すっごくうまい。
飴色玉葱のキッシュ
人にあげて異様に喜ばれるのがこのキッシュ。ベースのレシピは小嶋ルミさんのものなのだが、独自にホアジャオ、クミン、ナツメグの3種のスパイスを加えている。家にあるものを適当に入れたら人にあげたらめっちゃウケたので、定番になってもう何年も作り続けている。今回はアパレイユの材料の生クリームを牛乳に替えてみた。
アパレイユは飴色玉葱、生クリーム、全卵&卵黄、塩、小麦粉、スパイス
なのだけど、この生クリームがネックで、「キッシュつくろっかな……あ、生クリームないや」というので断念することがすごく多い。生クリームを入れるのはたぶんこのレシピの肝で、こここそが大事。変えるなんて考えたこともなかったのだが、今回、私のなかで自分革命が起きてる最中なので、こういう不変の掟も変えてしまう。生クリームが牛乳でいいなら、今の3倍くらい作る機会ができそうだ。
結果、OKでした。そもそも基本的にくどいものがやや苦手の私には、牛乳でちょうどいいのかも、とすら。そのぶん、濃厚さを求める方には、物足りないかも? いつも食べてもらっている数人に食べさせて判断を仰がなくてはならいが。
というわけでだいぶ替えてしまったので、アパレイユのレシピだけ書いておきます。お好きなキッシュ台に入れて焼いてください。食パンをくり抜いて入れて焼いてもおいしいと思います。
15cm丸型1台分
[材料]
飴色玉葱55g
薄力粉 8g
牛乳100g
全卵 30g
卵黄 10g
塩 小さじ1/3
ナツメグ、ホワジャオ、クミン…各少々(入れすぎ注意!)
[作り方]
飴色玉葱に薄力粉を奮って入れ、よくまぜる。牛乳を2回にわけて入れ、よく混ぜ、全卵と卵黄も加え混ぜる。仕上げにスパイスと塩を入れる。キッシュ台に流し入れ、180℃のオーブンで30分焼く。
酵母スコーン
酵母スコーンにも入れてみた。パンがうまいならスコーンだってうまいだろう。生地全体に入れるはずが忘れて、焼く直前に横に3分割してはさんでぎゅっとプレスした。てっぺんにも載せて焼いたら、これがいい具合に焼き色ついて成功だった。生地に混ぜ込むよりも玉葱の塊が存在して、これがうまみの元に。酵母スコーンは種を作って3日めくらいがいちばんおいしいかも。日を追うごとに発酵がすすんで、軽く、ふわっと焼きあがる。
レシピは高橋雅子さんの「ゆっくり発酵スコーンとざっくりビスコッティ」より。本ではイーストを使うが、私はホップ酵母で作る。
これもだいぶ変えたので、レシピ書いてみる。
[材料]
準強力粉 60g
薄力粉 60g
全粒粉 30g
グラニュー糖 10g
塩3g
バター 70g(角切りにして、凍らせておく)
水切りヨーグルト(大さじ1) コーヒーペーパーで一晩水切りする。
ホップ酵母 20g
サフラン 少量(水切りしたヨーグルトをレンジで20秒温め、そこにサフランを入れてラップをし、香りと色を抽出する)
クミンパウダー、コリアンダーパウダー 各少々
[作り方]
1フードプロセッサーに粉類、砂糖、塩と凍らせたバターを入れてそぼろ状になるまで回す。
2ヨーグルトとホップ酵母を入れてまた回し、生地をまとめる。
3一塊にして(長方形)ラップでくるみ、室温に1時間~1時間半おく。冷蔵庫に入れて8時間以上熟成させる。
4好きな形に切って、170~180℃のオーブンで20分焼く。
ヨーグルトはまあ、水切りしなくてもいいと思います。実は私は今回、忘れてました。でもおいしくできたから、しなくてもまあ大丈夫です。
ディップもつくれる
チーズと合うのだからクリームチーズもいいだろう、と思って混ぜてみた。玉葱はごくごく少量でよいみたい。さらにほんの一滴、しょうゆをたらし、黒胡椒をふる。
ローストしたピーカンナッツも加えた。
まさに「おつまみ系」の味になる。パンや野菜につけてどうぞ。ちなみに、飴色玉葱ではなく、おろしたまねぎ少量でも、さらに大人な味になっておすすめ。飴色玉葱だとパンチがあってジャンク感というか、子供も大人も好きそうな味になるが、おろし玉葱だと大人ウケしそうな感じの味にある。
ケークサレの隠し味も
ケークサレの場合は、隠し味、コク出しの意味合いが強いです。この日はあまっていたライスサラダ(ブロッコリー、キノコ類、トマト、ドライトマト、焼き鮭、押し麦、ムングダール)を具にした。なにを入れてもいいのかなあと思って…。同じくコク出しの意味で、白味噌をほんのすこし。小さじ1/2くらい。ほーんの少しいれるだけで、焼いてるときの香りが素晴らしくよくなる。
関係ないけど、ケークサレって、飽きませんか? 私はけっこう飽きてしまうので、1本焼いたら、後半はトマトソース添えたり、チーズ乗せて焼いたり、味変にいそしみます。
もちろんカレーも
当たり前すぎて書かなかったけれど、カレーは飴色玉葱を最も大量に使うメニュー。飴色玉葱を大量に入れたカレーを食べて、「あ、カレーというものはスパイス風味の玉葱を味わうものなのだな」と改めて痛感した。あれは玉葱の料理なのだ(異論は受け付けません)。だからほかのときは隠し味的に使っても、カレーのときは大量に使わなければいけない。
⇧野菜入りチキンカレー。たっぷりの飴色玉ねぎに、おろしにんにく&しょうが、生姜の黒糖煮を入れて香りを立たせて、ガラムマサラとチリペッパーを入れて、鶏肉→野菜を投入。火が通ったらバルサミコ酢を好みの量入れて出来上がり。
生姜の黒糖煮はこちら。
たくさん活用法を作ったら、あっというまに冷凍してあるぶんがなくなってしまった!