独楽ログ〜こまログ〜

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ガスパチョの研究

どうして私のガスパチョはまずいのか?

 

 というのがここ数年の悩みのひとつだった。

ご存知、南欧の夏の冷たいスープ。

⇧真夏にスコーンのような粉っぽいものを食べるとき、ガスパチョ必須。ベランダのバジルが活躍してうれしい。ちなみにスコーンはホップ酵母で作った、サフラン風味のスコーン。

 

トマト、トマトジュース、きゅうり、たまねぎ、にんにく、オリーブオイル、塩。

 を、ミキサーで混ぜて寝かせるだけ、というきわめて単純なレシピなのだけど、うちで作ると、なんというか、きつい味になる。きつい味になるから、おかわりをする気になれない。作ってもあまる。ネットで調べてあれこれと挑戦したのだが、結局、おいしくならないまま数年すぎた。

 

 ガスパチョってものがそもそも好きではないのかも?と思い、しばらく飲んでいなかったのだが、ジョエル・ロブションのカフェで「これだ!」という味に出会って、ガスパチョが嫌いなのではない、私が作るガスパチョが間違っているだけなのだ、という結論になった。ロブション、たって、レストランではない。丸の内ブリックスクエアにある、プラスティックトレイに皿を載せるような、ほぼファーストフードのガスパチョである。500円。でもものすごくおいしい。去年食べに出かけたら「昨日終了しました」などと言われて、かなりショックだった。

 

 そんなわけで、やっぱり自分で作れるようにならないと、食べたいときに、食べたいだけ食べれないので、やはり自分で作ってもおいしくなるようにならなければいけないのだ、と痛感。

みんなはガスパチョにいろいろいれてるらしい 

 それで、もう一度前回とは別の方法で探求してみることにした。

前回は、「(基本の材料プラス)なにを入れればものすごくおいしくなるのか」ということを探していた。ネットには、かなりの量の「提案」があった。覚えているだけでも、昆布、桃、パイン、茄子、しょうゆ、砂糖、はちみつ、梅、キムチetc。で、何種類か試したのだが、「まあ、おいしいけど……」という微妙な味だった。なにより、家で作るガスパチョの「青臭さ」がとれない。

 

 もしかして、私好みのガスパチョ“きゅうりを入れない”のではないか? この青臭さはきゅうりのせいだよね?

 

 と、閃いたものの、閃いただけで実験もせず1年放置していた。生のきゅうりではなく、ピクルスとか入れてみようかなあ、とか。塩もみきゅうりはどう? とか。でも放置。

 で、その後、ロブションのガスパチョを飲んで衝撃を受けたのである。本やネットでレシピを調べたら、簡単に出てきた。そしたら、全然きゅうり、使っていた。


材料:4人分
・トマト 500g
・赤いパプリカ(種を取る) 60g
・きゅうり(皮をむく)  35g
・玉ねぎ(皮をむく)  25g
・にんにく(皮をむき、芽を取る) 1/2片
・食パンor イギリスパン (耳を除く) 10g
・トマトペースト 大さじ1
・トマトジュース 250g
・バジル 1束、シェリーヴィネガー 大さじ1、オリーブオイル大さじ2
・塩、こしょう

 

ガスパチョは前日に仕込む
1)大きなボウルにトマト、赤いパプリカ、きゅうり、タマネギをすべて小さく切ったもの、
  芽を取ったにんにく、キューブ状に切ったパンを入れる。
  オリーブオイル、トマトペースト、トマトジュース、シェリーヴィネガーを注ぎ、
  バジルの葉を数枚加え、塩(精製縁)をして、こしょうを挽く。
  ゴムベラで全体を混ぜ、ラップをする。
2)冷蔵庫に入れ、一晩寝かせる。
3)フードプロセッサーにサラダボウルの中身をあけ、全体に均一になるようにする。
4)さらに冷蔵庫で1時間ねかせる。
5)盛りつけ:深皿にガスパチョを盛り、オリーブオイルを全体にひとふりして、
  バジルの葉とクルトンを散らす。

日本テレビ世界一受けたい授業」のサイトより)

  というか、なんの変哲もない材料だった。もちろんこれと完全に同じではないだろうけど、基本は同じだろうし、あのファーストフード的店舗で出すスープが、この基本以上にあれこれ入れているとも思えない。

 

 きゅうり、入れてるのかあ。

 …と不安に思いつつ、いや一度、レシピどおりにきっちり作ってみようではないか。それでも気に入らなかったらもう諦めよう、ということで再挑戦。

 

ロブションのガスパチョは 

 じっと材料表をにらんでいたら、発見が2つあった。

 きゅうりは入れている。入れているが、ものっすごく少量だった。トマト500gにトマトジュース250g、ほかにオイルだのビネガーだのパプリカだのも入って、だいたい800gの総量のなかで、きゅうりの重量はたった35gだった! なるほど……私は量を入れすぎていたのか。いつもかなーり適当に作ってたからなあ。で、さらに“皮をむく”とある! そうだった! きゅうりの青臭さは皮にあるのだった! そうかそうか、これが失敗の原因だったのかも!

 

 なるほどね~と思いつつ、珍しくお菓子のようにきちんと計量して作っていると、なんて繊細なレシピなんだ、と感心してしまった。きゅうりも玉葱も食パンも、ものすごい少量なのだ。「それなら入れなくてもいいのでは?」というくらい、少ない。おいしくなる分量、というものを見極めて作っている感じ。さすがだなあ、と思いつつ、手に入れたばかりのクラッシュミルサーにかけて液状に。

 

しかしひとつよけいな手間をかけた

 ちなみにひとつだけレシピ外のことをしていて、それはパプリカを生ではなく、ローストして使ったということ。理由は、パプリカはローストすると3倍くらいおいしくなるから。面倒なのだけど、焼いたパプリカのおいしさを思い出すと、ついつい手間をかけてしまう。でもこれもほーんのちょっとしか使わないんだよね…。

 

 ガスグリルで真っ黒に焼いて、ふたつきの容器に入れてしばらく放置して、蒸らす。そして皮をむく。

 

 

 そしてできあがった味は!

 うん、おいしい! なるほど、やっぱりきゅうり入れすぎだったのか…。

 

 うーん、うまし、と思いつつ、もう少し実験してみようと思い、アレンジを考えた。

 

  1. ●ローストパプリカをレシピの4倍入れる。
  2. ●昆布(真昆布)を入れる
  3. ●パイナップルを入れる

 ⇧左に真昆布、右にローストパプリカ。

⇧パイナップル。

 

 で、それぞれ作ってまたしばらく寝かしたが、だんとつでおいしかったのは昆布を入れたものだった! うましと言いつつも、基本のレシピではほーんのわずかに青臭さ、きつさを感じないでもなかったのだが、実は。が、昆布を半日入れたら、完全に消去されていた。何味が足された、というわけでもないのだが、全体的にまろやかになって、めっちゃくちゃおいしい。そう感じるのは私が日本人だから? いつでもストックしておける昆布がうまみだしの決め手になるとは、ありがたい。

 

 パプリカもおいしかった。うっすらと甘みがついて、ごくわずかな青臭さも99.9%消去された。…つまり、昆布に比べると消去はされていない、ということでもあるのだけど…。パプリカのうまみでめくらましされているような感じである。

 

 では、パイナップルはどうか。甘みのほか、たしかなにやら酵素が入っているはず。

こちらも甘い。フルーツジュースにより近い甘み。そして青臭さ、消えていた。酵素のおかげ? これも悪くない。

 

 あともうひとつ、焼き茄子を入れてもたぶんおいしいんだよなあ、と思いつつ、実践できず。しかし以前、ほとんどガスパチョの材料で、焼きナスを加えているパスタソースのレシピ、というのがあって、それがかなりおいしかったので、間違いないと思う。

 

 そんなわけで夏の自由研究は終わり。まだ夏は始まったばかりだけど…。そろそろロブションでもガスパチョが始まってるはず(いや、まだとうもろこしかな?)なので、行って食べて、もう一度確認してみなければ。夏のおでかけの予定ができた。