7月10日
くもりのち晴れ
33℃
夏の気配!
トマトバジルトースト
ベランダのバジルがものすごく良い香り。育ちすぎて硬くなるまえに、花が咲く前に収穫せねば、とあせっていたら、だんだんなくなってきてしまった。バランスが難しい。でもいちいち、バジル、紫蘇、コリアンダーを買わなくていいというのは思いの外便利だ。
映画
『ライ麦畑の反逆児〜ひとりぼっちのサリンジャー』(2019)
図書館の本に追われていて、全然映画が観れていなかった。なかなかおもしろかった。サリンジャーがいかに心を閉じていったか、がよくわかる。よくわかるけど、サリンジャーの娘が書いた本などに書いてある非道さが全然出ておらず、そうすると彼が普通に善人に近い印象になり、同時に彼の抱えた病の深さもあまり感じられないので、やや物足りなかった。もっと凄みのある物語になってもいいのだけれど。
『ビリー』(2019)
そう、映画といえば水曜日、7日に観に出かけていたのだった。出かける前に「ビリー・ホリデイって、悲しい歌をうたってたけど、人生も悲しいの?」と聞かれ、昔、伝記を読んだはずなのだが、「たぶん…どうだったかな」と答えて出かけたのだが、悲しいどころではない、それはもう苦味に満ちた人生だった。ドキュメンタリーなのでフィクションと違い、彼女の内面に迫るのが難しく、想像や推定や伝聞などだけで彼女を追わなければならない。そのぶん物語に感情移入はしづらいのだが、反面、彼女本人の歌声と姿を思う存分堪能できる。幸せになることだけが人の生ではない、とわかってはいるが、ああ、もうすこしなんとかならなかったのか。自己破滅願望なのだろうか。それでも生前最後のテレビ出演、別人のように痩せていたにも関わらず、歌声はそのままだった。誰にも似てない、どこにもない声である。素晴らしい才能を持っていることと、破滅願望はどのように関係しているのだろうか、とチャーリー・パーカー、チェット・ベイカー、ビル・エヴァンス、スタン・ゲッツなどを思い出して考えてみるけれど、答えは出ません。