2回めの庄内チャレンジ
私は賭けに勝った。1回目、「悪天候につき条件付き運行(着陸できなかったら引き返します)」と言われ、「私の経験上ですが、おそらくちゃんと着陸できると思います、でも揺れるとは思います」とANAの方に言われ、現地も荒れ模様だというのですべて済ましてラウンジにまで入ったというのに、やめて引き返したのだ。次回よい天気になるかはなんの保証もなかったが。
で、再度設定して毎日天気予報を睨んでいたのだが、どうもその前日のほうがいい天気らしい、ということでまた日程変更。行く予定の2つの美術館やプールがその日営業してるか確認しつつ。変更できるチケットだったのだ、たまたま…よかった。
で、ついに決行した。そしてこの賭けに勝った。朝から一日、完璧な晴れだったのだ。
これによると、だだちゃ豆、米、フルーツが名産らしい。
バスに乗って滑走路へ行く。新鮮! いい天気!
機材は738…
今回は前回を反省してANAからの「機内エンターテインメントのお知らせ」メールを熟読、どんな仕様なのか把握して準備していくのですべて予想通り。
リクライニングもアナログだ…。
朝ごはん
が、よく考えれば那覇だって10月だった。なぜあのときだけ違ったんだろう。違って、豪華だった。そしておいしかった。なぜなのか。しかし味がいまいちと感じても、こっちの体調のせいかもしれない。機内で心の平安が得られないととたんに食欲がなくなり、ものがおいしく感じられなくなるので。
飲み物はペリエとりんごジュースを半々で割ってもらったもの。「えっ、あんた、そんなめんどくさいこと頼んでんの?」と後日夫に非難がましく驚かれたが、まあいいじゃないか。プレミアムクラスには8人しか乗ってないんだよ? 彼女たちだって仕事がしたいはず。お酒も飲まない私は損してる気がするしさあ…。「りんごジュースとペリエを半々で割ってください。全体の量はごくごく少なめで」といろいろオーダーする私に、CAさんは笑顔で承諾してくれ、その後作ったドリンクをもじもじしながら差し出す。「あの、割ってみたんですが…割合がこれでよいかどうか…あのう、調整しますのでおっしゃってくださいね」。そうだよね、めんどくさいオーダーですよね。迷惑かけてごめんなさい。割合? パーフェクトです、ありがとう。ほんと、この日本でしかありえない素晴らしい接客のおかげで、私の飛行機不安はだいぶ解消されている。「彼女たちは日常的に飛行機に乗って仕事している、それも完璧に」という事実が私を勇気づけるのである。
この日、体調は悪かったのか。うーん、どうだろう。機体が小さくて「うっ」と圧迫感と不安を感じたのは事実。このサイズに慣れてないのだ。しかも初めての窓際で、空の下がよく見えてしまう。怖いくせに写真は撮る。撮ると、自分が上空にいること、機体が斜めになっていることを実感する。…という感じで、まあ、かなり不安だった。だから空きっ腹で来てるのに全然おなかすかない。
怖い怖いと言いつつ、眺めはたしかに素晴らしいのだよ…だからつい覗き込んでしまい、それでさらに怖くなる、という。いやでも、ほんときれい。
素晴らしく美しい庄内空港に到着
とにかくこの日は予報通り快晴だった。森のなかにある「おいしい庄内空港」が、めちゃくちゃ美しくて驚く。ぐるりと360℃、紅葉の木々に囲まれているのだ。気持ちいい! 美しい! 初めて自分でレンタカーを借りて、さて、空港着いたらどうしたらいいのかわからず困ったのも事実だが、そんなことよりもとにかく景色が素晴らしい。
「もう私は高齢者に近いですから車に乗りません」宣言をしたのが1年前。だが、今回様々な地方旅行を計画するにあたり、どう考えても公共交通機関では身動きとれないことが発覚。レンタカーに頼ることにした。自分で運転すれば車酔いはほぼない。止まりたければいつでも止まれて気楽。そのかわり、運転に集中しなければいけないので景色はあまり楽しめないだろう。とにかくそそっかしい自分は事故の可能性もある……が、夫に「レンタカー借りて運転するのも修行だろ」と言われ、受け入れた。てか、あれ? 私、なんの修行してるんだっけ。
しかし空港からだいたい車で数分のところにあるレンタカー事務所、ここにもワゴン車とかで行かなければいけないのよね。ワゴン車、密閉感すごいので苦手。というか無理。やっと飛行機降りれたのにさらに狭いとこに乗るって…。こういう、普通の人にはなんの問題もないことが問題になるのである…。
なので、地図を見て歩いて事務所に行く。200Mくらいだった。事務所のお姉さんはめちゃくちゃ感じがよい。「恐ろしい」とか言ってるわりにすべてのオプション保険を断り(うちの家訓)、いざ乗り込む。ホンダのN-box。エンジンもサイドブレーキもボタンになっていてよくわからない。時の流れを感じる。BluetoothでiPhoneをつなぐが、ものすごくちっちゃい音しか出ない。まあでも、今日の私には運転しながら爆音をエンジョイできる余裕はないだろうから、これでヨシ。「酒田方面ですか? ここをずっとただまっすぐ行くだけです。たぶん、すごく簡単です、行ってらっしゃいませ〜」。
黄金色に輝く稲、青い空、紅と黄色の木々、きらきらひかる川、まだ緑の残る遠くの山…。まあとにかく、空港も酒田駅への道も美しくて庄内のイメージが爆上がり。しかし久々の運転に夢中でなかなか降りて写真が撮れず。
続きます。