独楽ログ〜こまログ〜

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タイ・マレーシア旅行2023②〜ケンピンスキー 世界中を食べ尽くす朝食篇

これがアジアのホテルの実力か

 …と、つくづく痛感したのが朝食タイム。種類の豊富さに度肝を抜かれた。パンケーキ、デニッシュ、卵料理に、ご飯、焼き魚系の和食…が朝食バイキングだと思っていたのだけど、このケンピンスキーには、キムチ・ナムルなどの韓国、パンケーキ、卵料理(オーダー制)、サラミ&ソーセージ、サラダなどのウエスタン、おかゆ・麺類・点心・炒めものメニューの中華、フムス、ピタパンなどの中近東、そしておなじみタイ料理に和食も少々と、とんでもない品揃えなのである。

キルティングチェアがかわいすぎる

 もちろん、以上のメニューのほか、フルーツジュース各種、カットフルーツ、シリアルにヨーグルトなど基本の朝食も備え、「なにももらさない」意気込みがすごい。有名陸マイラーさんが「アジアのホテルの良さはこれですよ、中華から洋食から各国のあらゆるメニューが並ぶ朝食ビュッフェ」的なことを書いていて、読み流しをしていたのだけど、実際目の当たりにして「これのことを言ってたのか…」とようやく納得。実際、このあと泊まった2つのホテルでも同じだったので、「そういうもの」らしい。マレーシアのホテルだとここにインド系、つまりカレー各種が加わるのだ。すごすぎる。ビュッフェを食べるためだけに旅行してもいいんじゃないだろうか。種類の多さ、豪華さではケンピンスキーが一番だった。

わたしは中華コーナーからたくさん。前日の機内で具合悪かったので、
弱ってるときに粥とか点心、めちゃしみる

 ちなみに奥にうつっているマンゴーがかなりおいしかった。日本で食べる濃厚甘々マンゴーではないのだが、このさっぱり感が妙に後味よくて、「もうちょっと。あとひとくち」と食べ終わらない。おかゆや麺には、自分で好きなものをトッピングし、好きに調味して完璧な味が作れるのもすごい。

さすがドイツ系ホテル。肉類のこの迫力よ…

ラグジュアリーっぷりもなかなかで、ココナッツジュースはこんなんだし、↓

ココナッツジュースもすごいし

↑バターはこんなんだし! 

 

コリアンコーナーも。ありすぎてどれを食べてよいかわからず、
迷いすぎて席に戻れなかった

 …と、ここまですごいすごいと書いていてなんなのだが、前述のとおり私は行きの機内でかなり具合が悪く、具合が悪いと速攻で胃腸に来るので弱ってあまり食べられなかった、というオチがつく。12日間の旅行中、つねに食欲は控えめで、元気になった今、思い返すにつけ悔しさがほとばしる。

 なんとなく元気ないときに、それでも食べたいものこそ、私が本当に好きなものなのかもなー、などと思いつつぐるぐるとビュッフェ台を巡り歩いていたのだけど、答えは中華だった。おかゆや点心のやわらかい触感、優しい味わい。チキンスープの温かさ。そこへ酢醤油系のしょっぱすっぱい調味料をたらし…。そうか、中華だったんだ…。

 とはいえ、翌日はお姉ちゃんたちが次々と焼き上げるパンケーキの魅力にも抗えず1枚だけ食べたが、これも異様においしかった。

 

早朝出発のスペシャルサービス

 そして感動したのが、チェックアウトの日。前日、フロントで飛行機の時間を告げたら「じゃあ朝5時に出ないと」と言われ、「朝4時に起きないとだめだね。朝食も食べれないからクロワッサンとコーヒーを届けようか? 4時でいい?」と…。この日の夜は朝食つけないプランで泊まっていたにも関わらず! 「えーと…ただなの?」「ただだよ!」サービスなのである。これはなかなか感動した。

クロワッサン、ほかほかしてた

おまけ秘話(?)

 ところで、我々はここに3泊、エアビーに2泊、の予定を立てていたので、3日めにタクシーに乗って移動した。30数階のハイライズコンドミニアム。プール・ジャグジー・ジムを備えた、かわいくて素敵な写真が並んでいたが、宿泊料金は一泊1万円ちょっと。すっごい素敵! やっぱり民泊安いなー、と感心しながら出かけたのだが、なんとこれが…。ドアを開けた瞬間絶句する部屋だった。

 想像の半分くらいの狭さ、そしてちゃちさ。いや、悪いのは私で、詐欺でもなんでもありません。たしかに洗濯機が激狭のバルコニーにあったり、キッチンテーブルが折りたたみ式で壁に埋め込まれていたり、そしてこの料金。これくらいの広さの、こうゆう部屋だということは予想しておくべきだった。泊まるところにうるさい自分を自負していたし、いままでエアビーで失敗したことなかったのだが、コロナ禍を経て脇が甘くなっていたのだろう。部屋の写真はホストが撮ったのだと思うけど、そこにたぶんコンドの商業用宣伝写真のプールやジャグジー、ロビー、外観などがまざっており、これで勘違いしてしまったのもある。「うっそ…」と思わず声がでるほど予想外だった。

 プールとジャグジーがあるからバスタブなくても我慢するか、と思い、部屋にはシャワーのみ。気を取り直してプールへ出かけてみるが、もちろん前述の通り真水で超つめたく、ジャグジーは発見すらできず、そしてそれらがものすごい高層階の、高所恐怖症にはたどりつくのも難儀な場所にあり(吊り橋みたいな階段を渡る)、対してガラス張りのジムは日光浴びすぎてサンルーム状態、とてもトレーニングするような環境ではなかった。すべてのあてがはずれたのである。

 やっちゃったなー……まあしょうがない、たった二晩だし、これも旅の醍醐味か…と気持ちを切り替え荷物を出す。そしてここの唯一のアドバンテージ、洗濯機でたまった汚れ物を洗う。しかし明日は、夫はこの部屋で長時間の打ち合わせが数本入ってたはずで、ここではかわいそうだなあ…私は明日は外出だからいいけど…と思いつつ奥行き15cmくらいのカウンター・テーブルに二人並んでネットサーフィンをしていたら、ケンピンスキーの部屋が私たちが予約したときより2〜3割安く出ていた。当日割というやつか。そもそも我々はキャンセル可の割高なやつ、朝食つき、なおかつちょい広い部屋を予約していたので、なおさら安く感じる。一番安い部屋だと5万円を切っていた。「へー、意外と安いよ、今はハイシーズンだと思ってたんだけど」などと言いつつ、バンコクで一番高いホテル、カペラバンコクなどの情報も見て、「みてみて、すごい、一泊12万円!」「げっ、そんなするの?」…等々。

 そこで夫のなんらかのスイッチが入ったらしく、10分くらいケンピンスキーのサイトを見つめたあと、「……帰ろうか」と呟いた。

「えっ、どこへ? ケンピンスキーへ?」

「……(うなずく)」

 ふだん贅沢・無駄遣いを憎んでいるはずの夫がこんなことを言うなんて。いつもだったら私が「帰りたい! 話が違う!」と(自分が予約したにもかかわらず)騒ぎ、夫が「これも経験だろう。おもしろいじゃないか。帰るなんて冗談じゃない、いくらすると思ってるんだ」的な会話が起こるはずだった。なのに、まるで逆のことが起きている。私はあっさりこの部屋を受け入れて、荷ほどきもしていたのだ。驚きすぎて事態がよく飲み込めず、何度も同じようなやりとりをする。しかし何度確認しても「帰ろう」ということらしいので、その場でネット予約をして、荷造りをして、洗濯物も濡れたまま畳んで、またGrabでタクシーを呼んで帰ったのであった……。おじさんとおばさんだからできる行為。年食うのも悪くない。

 あとで夫が言うには「おまえがあそこでカペラバンコクの話なんかするからだ。12万か…じゃあケンピンスキーは激安じゃないかと思ってしまったんだ」とのことである。んなわけない。というか、質素倹約・我慢大好き、を旨としてた夫も、要するに年を取ったのだと思う。楽なほうに流れてしまうようになったのだ。そういえば、昔は怖いものなしで無敵だったのに、ここ数年急に高所が怖いと言い出すようになったり。人はこうして弱っていく。

 ケンピンスキーのエントランスで車手配をしていた彼とか、さっき「ありがとーありがとー、さよならー」とか言って別れたはずなのに、早々に帰ってきた我々を目を丸くして眺めていた。

 

で、エアビーのほうはというと

 ちなみに、エアビーの部屋には落ち度はないのでほぼ満点をつけたのですが、「写真通りだった」の項目だけは違うよなーと思って満点の5ではなく4にした。そしたら「エアビーにおいて4はすごく悪い印象です。変えてくれませんか」とお願いメールが来て、「ごめん…でもそれはできん…」と対応した。ホストの方は迅速な連絡、丁寧なエントランス指示など、完璧だったので、そのいい点だけをレビューには書いた。そう、エアビーのレビューは難しいのである。ホストがよほどひどくなければ悪いことはあまり書きたくないのである。それで部屋の価値が決まっちゃうから。つまり忖度してしまう。なので、エアビーのレビューは3割引きで読まなきゃいけないんだ、とこのあとのマレーシアのエアビー体験も合わせて、つくづく学びました。

エアビーにおける4は「すごく悪い」である。