独楽ログ〜こまログ〜

50代、女性、日本人、がひとりで毎日楽しくすごす方法を検証、実践、そして記録。

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タイ・マレーシア旅行2023②〜ケンピンスキー 世界中を食べ尽くす朝食篇

これがアジアのホテルの実力か

 …と、つくづく痛感したのが朝食タイム。種類の豊富さに度肝を抜かれた。パンケーキ、デニッシュ、卵料理に、ご飯、焼き魚系の和食…が朝食バイキングだと思っていたのだけど、このケンピンスキーには、キムチ・ナムルなどの韓国、パンケーキ、卵料理(オーダー制)、サラミ&ソーセージ、サラダなどのウエスタン、おかゆ・麺類・点心・炒めものメニューの中華、フムス、ピタパンなどの中近東、そしておなじみタイ料理に和食も少々と、とんでもない品揃えなのである。

キルティングチェアがかわいすぎる

 もちろん、以上のメニューのほか、フルーツジュース各種、カットフルーツ、シリアルにヨーグルトなど基本の朝食も備え、「なにももらさない」意気込みがすごい。有名陸マイラーさんが「アジアのホテルの良さはこれですよ、中華から洋食から各国のあらゆるメニューが並ぶ朝食ビュッフェ」的なことを書いていて、読み流しをしていたのだけど、実際目の当たりにして「これのことを言ってたのか…」とようやく納得。実際、このあと泊まった2つのホテルでも同じだったので、「そういうもの」らしい。マレーシアのホテルだとここにインド系、つまりカレー各種が加わるのだ。すごすぎる。ビュッフェを食べるためだけに旅行してもいいんじゃないだろうか。種類の多さ、豪華さではケンピンスキーが一番だった。

わたしは中華コーナーからたくさん。前日の機内で具合悪かったので、
弱ってるときに粥とか点心、めちゃしみる

 ちなみに奥にうつっているマンゴーがかなりおいしかった。日本で食べる濃厚甘々マンゴーではないのだが、このさっぱり感が妙に後味よくて、「もうちょっと。あとひとくち」と食べ終わらない。おかゆや麺には、自分で好きなものをトッピングし、好きに調味して完璧な味が作れるのもすごい。

さすがドイツ系ホテル。肉類のこの迫力よ…

ラグジュアリーっぷりもなかなかで、ココナッツジュースはこんなんだし、↓

ココナッツジュースもすごいし

↑バターはこんなんだし! 

 

コリアンコーナーも。ありすぎてどれを食べてよいかわからず、
迷いすぎて席に戻れなかった

 …と、ここまですごいすごいと書いていてなんなのだが、前述のとおり私は行きの機内でかなり具合が悪く、具合が悪いと速攻で胃腸に来るので弱ってあまり食べられなかった、というオチがつく。12日間の旅行中、つねに食欲は控えめで、元気になった今、思い返すにつけ悔しさがほとばしる。

 なんとなく元気ないときに、それでも食べたいものこそ、私が本当に好きなものなのかもなー、などと思いつつぐるぐるとビュッフェ台を巡り歩いていたのだけど、答えは中華だった。おかゆや点心のやわらかい触感、優しい味わい。チキンスープの温かさ。そこへ酢醤油系のしょっぱすっぱい調味料をたらし…。そうか、中華だったんだ…。

 とはいえ、翌日はお姉ちゃんたちが次々と焼き上げるパンケーキの魅力にも抗えず1枚だけ食べたが、これも異様においしかった。

 

早朝出発のスペシャルサービス

 そして感動したのが、チェックアウトの日。前日、フロントで飛行機の時間を告げたら「じゃあ朝5時に出ないと」と言われ、「朝4時に起きないとだめだね。朝食も食べれないからクロワッサンとコーヒーを届けようか? 4時でいい?」と…。この日の夜は朝食つけないプランで泊まっていたにも関わらず! 「えーと…ただなの?」「ただだよ!」サービスなのである。これはなかなか感動した。

クロワッサン、ほかほかしてた

おまけ秘話(?)

 ところで、我々はここに3泊、エアビーに2泊、の予定を立てていたので、3日めにタクシーに乗って移動した。30数階のハイライズコンドミニアム。プール・ジャグジー・ジムを備えた、かわいくて素敵な写真が並んでいたが、宿泊料金は一泊1万円ちょっと。すっごい素敵! やっぱり民泊安いなー、と感心しながら出かけたのだが、なんとこれが…。ドアを開けた瞬間絶句する部屋だった。

 想像の半分くらいの狭さ、そしてちゃちさ。いや、悪いのは私で、詐欺でもなんでもありません。たしかに洗濯機が激狭のバルコニーにあったり、キッチンテーブルが折りたたみ式で壁に埋め込まれていたり、そしてこの料金。これくらいの広さの、こうゆう部屋だということは予想しておくべきだった。泊まるところにうるさい自分を自負していたし、いままでエアビーで失敗したことなかったのだが、コロナ禍を経て脇が甘くなっていたのだろう。部屋の写真はホストが撮ったのだと思うけど、そこにたぶんコンドの商業用宣伝写真のプールやジャグジー、ロビー、外観などがまざっており、これで勘違いしてしまったのもある。「うっそ…」と思わず声がでるほど予想外だった。

 プールとジャグジーがあるからバスタブなくても我慢するか、と思い、部屋にはシャワーのみ。気を取り直してプールへ出かけてみるが、もちろん前述の通り真水で超つめたく、ジャグジーは発見すらできず、そしてそれらがものすごい高層階の、高所恐怖症にはたどりつくのも難儀な場所にあり(吊り橋みたいな階段を渡る)、対してガラス張りのジムは日光浴びすぎてサンルーム状態、とてもトレーニングするような環境ではなかった。すべてのあてがはずれたのである。

 やっちゃったなー……まあしょうがない、たった二晩だし、これも旅の醍醐味か…と気持ちを切り替え荷物を出す。そしてここの唯一のアドバンテージ、洗濯機でたまった汚れ物を洗う。しかし明日は、夫はこの部屋で長時間の打ち合わせが数本入ってたはずで、ここではかわいそうだなあ…私は明日は外出だからいいけど…と思いつつ奥行き15cmくらいのカウンター・テーブルに二人並んでネットサーフィンをしていたら、ケンピンスキーの部屋が私たちが予約したときより2〜3割安く出ていた。当日割というやつか。そもそも我々はキャンセル可の割高なやつ、朝食つき、なおかつちょい広い部屋を予約していたので、なおさら安く感じる。一番安い部屋だと5万円を切っていた。「へー、意外と安いよ、今はハイシーズンだと思ってたんだけど」などと言いつつ、バンコクで一番高いホテル、カペラバンコクなどの情報も見て、「みてみて、すごい、一泊12万円!」「げっ、そんなするの?」…等々。

 そこで夫のなんらかのスイッチが入ったらしく、10分くらいケンピンスキーのサイトを見つめたあと、「……帰ろうか」と呟いた。

「えっ、どこへ? ケンピンスキーへ?」

「……(うなずく)」

 ふだん贅沢・無駄遣いを憎んでいるはずの夫がこんなことを言うなんて。いつもだったら私が「帰りたい! 話が違う!」と(自分が予約したにもかかわらず)騒ぎ、夫が「これも経験だろう。おもしろいじゃないか。帰るなんて冗談じゃない、いくらすると思ってるんだ」的な会話が起こるはずだった。なのに、まるで逆のことが起きている。私はあっさりこの部屋を受け入れて、荷ほどきもしていたのだ。驚きすぎて事態がよく飲み込めず、何度も同じようなやりとりをする。しかし何度確認しても「帰ろう」ということらしいので、その場でネット予約をして、荷造りをして、洗濯物も濡れたまま畳んで、またGrabでタクシーを呼んで帰ったのであった……。おじさんとおばさんだからできる行為。年食うのも悪くない。

 あとで夫が言うには「おまえがあそこでカペラバンコクの話なんかするからだ。12万か…じゃあケンピンスキーは激安じゃないかと思ってしまったんだ」とのことである。んなわけない。というか、質素倹約・我慢大好き、を旨としてた夫も、要するに年を取ったのだと思う。楽なほうに流れてしまうようになったのだ。そういえば、昔は怖いものなしで無敵だったのに、ここ数年急に高所が怖いと言い出すようになったり。人はこうして弱っていく。

 ケンピンスキーのエントランスで車手配をしていた彼とか、さっき「ありがとーありがとー、さよならー」とか言って別れたはずなのに、早々に帰ってきた我々を目を丸くして眺めていた。

 

で、エアビーのほうはというと

 ちなみに、エアビーの部屋には落ち度はないのでほぼ満点をつけたのですが、「写真通りだった」の項目だけは違うよなーと思って満点の5ではなく4にした。そしたら「エアビーにおいて4はすごく悪い印象です。変えてくれませんか」とお願いメールが来て、「ごめん…でもそれはできん…」と対応した。ホストの方は迅速な連絡、丁寧なエントランス指示など、完璧だったので、そのいい点だけをレビューには書いた。そう、エアビーのレビューは難しいのである。ホストがよほどひどくなければ悪いことはあまり書きたくないのである。それで部屋の価値が決まっちゃうから。つまり忖度してしまう。なので、エアビーのレビューは3割引きで読まなきゃいけないんだ、とこのあとのマレーシアのエアビー体験も合わせて、つくづく学びました。

エアビーにおける4は「すごく悪い」である。

 

タイ・マレーシア旅行2023①〜バンコク・シンドーン・ケンピンスキー宿泊記・お部屋篇

2023年秋。東南アジアへ行くことに決めたのは

 2023年11月。長かった…ようやく障害がなくなりチケットも取れて、海外へ行くことができた。今回は仕事のリサーチと休暇を兼ねた東南アジア旅行。全12日。日記形式ではなく、これは! というトピックだけ書いていこうと思います。

 いや、それにしても半世紀生きてきて、東南アジアのことを考えたことがほとんどなく、当然行ったこともなく、なんなら一生行かないかも、くらいの人間だったのだが、今回初めて行って考えを180℃改めました。アジア、いい。楽しい。すぐにでもまた行きたい。

 東南アジアに興味がなかったのは、なにしろ暑いから。毎年、夏になるとへたりまくる私。寝れない食べれない力わかない、ここ数年は本当に生命の危機を感じており、暑さと湿気を真剣に憎むようになっていたので、アジアごはんは大好きだけど、わざわざ暑いところに行くなんてありえない…と思っていたのでした。

 が、海外に行けない日々が4年近く続き、ようやく行けそうか…となっても、飛行機が飛んでない。ANAマイルで航空券が全然取れない。だんだん「ああ、もうどこでもいいから知らないところへ行きたい!」となっていたとことへ、夫の「タイ行こうよタイ。本場のタイ料理食べたい」と言い、「今はもう日本の夏のほうが東南アジアよりつらいはず。あっちのほうが楽に感じるに違いない」、さらに「タイは仕事関連の人がいるから会って話聞いてみたいし、クアラルンプールも仕事で会う人いるし、移住にいいらしいから現地の不動産とかオフィス、住み心地をリサーチしたい」などとも言い張るので、「わかった行こう」となった。ちなみにアジアだってチケットは全然取れなかったのだが、毎日空きスケジュールをにらんでいたら、偶然行きバンコク、帰りクアラルンプール、というのを見つけた。ヨーロッパよりは便数が全然多いのでチャンスも多いのである。調べたら11月あたりから乾季になるらしい、ということで選んだ日程である。

 なぜかあんまりおすすめされてないケンピンスキー

 で、今回まず書いておきたいのが、バンコクのホテルが最高に当たりだったこと。「どこでも眠れる」というタイプとはほど遠いので、ホテル選びには数ヶ月かける。一度決めても「本当にここでいいのか」「実は…というネガティブポイントはないのか」「もっといいところがあるかも」と、あらゆる旅行サイトの口コミを読み込む。いつもはエアビーでそれをやるのだが、今回は冒険というより仕事だし、それ以外はリラックスしたいし、3年間海外旅行してないし、ということで高級ホテルにすることにした。

 バスタブ絶対。独立したシャワーブースも。広さは55平米はほしい。写真を見た瞬間、「あ、落ち着く!」と思わせてくれるインテリア。がっつりくつろげそうなソファ。ジムあり。プールあり。…と、書き出してて恥ずかしくなるような贅沢条件をずらずら掲げて、11月の旅行のために5月から探した。

 東南アジアならリーズナブルに…というのは昔の話で、タイはもうあまり日本と物価は変わらないときく。そんな覚悟でリサーチ。まあ、それでも体感では東京の同クラスのホテルよりは2〜3割安いのかなあ。「うわ、やっす!」という感じでは全然ないが。

 

エントランスからして別世界

 シンドーン・ケンピンスキーは、ロビーから客室からすべての写真が異空間な感じで、しかし価格は1泊5〜6万円と、ラグジュアリーにしてはそこそこリーズナブル。フォーシーズンズやカペラ・バンコク(雨季で10万、乾季で12万円)なんかより4割くらい安いので「ほんとかな?」と疑っていた。この値段でこんなに素敵なの? 撮り方がうまいだけだよね? と、とにかくハードルを下げて考えていた。というのも、このホテル、情報が少なくてガイドブックや旅行サイトなどにもあんまり載ってないのだ。この値段でこの広さ(一番狭い部屋で66平米)と設備&豪華さなら客が殺到するはずだが…。

 ちなみにドイツ系のケンピンスキーホテルはバンコクに2つあるのだが、こちらはシンドーン地区にあるほう。

ロビーも広大だし素敵だし…

 

 しかも旅行前にチャットで予約確認したら(秋頃、エクスペディアでの予約は、部屋が確保されてないことがある、という話題がSNSで盛り上がったため。この会社の悪評はそれまでほとんど知らなかったので狼狽して確認していた)、「予約はできてます。禁煙室ということだけど空き室状況によってかわるかも」などと言ってくるので、「わたしは禁煙室を予約した。タバコの煙に激しいアレルギーがあるので、変更は困る」と返事したら、それまで「他になにかある?なんでも言ってね〜」みたいなやりとりをさんざんしてたのにも関わらず、途端に返事が全然来なくなって、「おーい。誰かあ?」「…………」2日経過。「おーいおーい。返事してくれませんかねー?」「……わかりました、禁煙室をご用意します」という、非常に不安で不愉快なやりとりがあり、正直「大丈夫かなあこのホテル…」みたいな感じだったのである。

 が、すべて杞憂だった。

 素晴らしいホテルであった。

サイトの写真より実際のほうが感動が大きかった客室。
奥がスリーピングエリア、手前にはテーブル&椅子も

 ふだんめったに感動しない体温低い夫が、部屋のドアを開けた瞬間に「うわ、すごい。すごいじゃん!」などと言うので、こっちが驚いた。ハードル下げていたせいで夫にそこまで煽ってなかったからもしれない。とにかく部屋に入った瞬間、あ、写真よりいい! と感動。

バスルームもこの広さ!

シャワー室にはベンチつき

 ベンチのあるシャワーブースも初めて。アメニティはナチュラ・ヴィセというドイツのメーカーで、ここのクリームや化粧水を、一時期使っていたことを突如思い出した。うわ、なつかしい! そして完全に忘れていた!

眺め抜群。ホテル自慢の森が見える

このバルコニーがまた大活躍しまして

バルコニーから。ジャングルのような森が最高。
むちゃくちゃ癒やされた。


 このホテルが素晴らしいのは、森のような庭園があること。同じエリアに同名のレジデンス、キンプトンホテル、高級モールなどもあり、それら全部含めてシンドーン地区、ということらしい。街歩きしてわかったけど、他のホテルは大通りの喧騒喧騒また喧騒、みたいな新宿的なところに建っており、まあ、バンコクはそれこそが魅力なわけだけど、中高年にはそれはちょっときつい。パークハイアットなどは駅と直結の豪華絢爛モールの上階部分だったりして、この上にあるのかあ…おばさんには無理だったかも、と思った。このホテルは最寄り駅からは歩くぶん、静かでゆったり、そして緑いっぱいな立地なのだ。バンコクは歌舞伎町みたいなものだろう、と覚悟して来たので(実際そんな感じだった)、この癒やし空間は予想外のプレゼントだった。そして、このホテルがいまひとつ地味なのは、バンコクのラグジュアリーホテルはだいたい河沿いに建っていて、舟で対岸から乗り付けるのが定番らしく、そこからもれてるからかもしれない。私には森のほうがよい。

 目の前の緑がめちゃめちゃ気持ちよく、バルコニーに出て生ぬるい風に当たりながら読書したり、南国らしく異様に元気に育っている木々を眺めてぼけっとしてたりするのが最高。11月下旬のバンコクは、地元の人によると「ようやく涼しくなった」とのことで、最高気温30℃弱くらい。朝夕などはほんとに「なまぬるい」気温で、暑いの大嫌いと言い続けてきた自分も「なるほど、この暑さはあり」と、あっさり立ち位置を変えてしまった。

ベッドルームのすみにワークデスク

クローゼットの隣にドレッサー

バンコクのホテルにはほとんどプールがある! が。

素敵なプールもある。あるが…

 ホテル調べをしていて気づいたのは、タイもマレーシアもプールがあるホテルのほうが多いということ。このあとエアビーにも泊まるので探したけれど、住宅コンドにもプールつきが少なくない。泳ぐの大好きなのでやったあやったあ、とリゾート用以外にいつもの競泳水着まで持参した。到着日、よく眠れるように夜に入ろうと出かけた。…が。が! 

 水が…水が激冷たい…。そうだった。アメリカのホテルのプールもかなり冷たくて困ったっけ。日本の温水プールは温かいのだ。でもあれより冷たいと思う。泳いでいれば温まる、という域を出ていたから。ホットジャグジーがあれば…と探したがそれも見当たらない。プール温度29℃、と表示が出ていたので、それでもここはいちおう温水らしい。ほかのホテルなんて真水だった。そうかー。常夏の国だもんなあ。オンライン英会話の先生が「え、シャワーは水だよ。温水使う人はいるけど少ない」と言っていたことも思い出す。そうかーそうかー。慣れの問題なのだろうが、これでは泳げない…。きっと一ヶ月前だったら真水で泳げるほど暑かったのだろう。あーあ。しかしくやしいので、無理やり数回往復泳いで部屋に戻って風呂に入る。冷え切った。これは本当に盲点だった。次回からはプールのほかに、ホットタブ(サウナでもいい)が近くにあるかを確認しなくては。

 今回の旅ではとりあえず、ジムで汗だくになるまで運動して、そのままプール、という方法を採用した。でもこれはマレーシアのホテルの話で、ケンピンスキーでは断念。プールのすぐ隣にジムがなかった(そして撮り忘れ)。別棟でなかなか遠かったのでたぶんクーラーがんがんの館内を歩いているうちに冷えてしまうだろう。

 

お茶セットなど細かいサービスも素晴らしい

ターンダウンのあとは夜お茶セットを整えてくれる

 このティーセットはかなりよいのではないだろうか。欲しい。寝る前にハーブティーを飲むのもなごんでよし。
 

 そして当初の予定では、ここに3泊、エアビーで2泊、だったのだが…。続きは「ケンピンスキー・朝食篇」で書きます!

 

www.kempinski.com

新年初・ホップ酵母パン

こなログ

1月4日(月)

晴れ

13℃

 

キタノカオリプルマン

真ん中で分割されてないけど…

 ついに焼けた…ホップ酵母パン。長かった。カンパーニュも食べたいのだが、とりあえずキタノカオリがあまってるので消費しないと、ということでこの粉オンリーのプルマン。18℃のワインセラーで14時間くらい。復温がたりなかったのか、二次に2時間以上かかる。こういう場合、型の9割まで無理やり膨らませても、結局庫内で爆発しない、過発酵、というのが定石。なので天井に焼きいろつかないことを覚悟していたけれど、ふたを開けてみれば(文字通り)、きれいに膨らんでいた…感動。ま、あともうすこし膨らんでくれてもよかったが、贅沢は言うまい。

 

 焼きたてで、切りにくいことこのうえない状態で無理やり切って、チーズも生で載せる。せっかくなのでトーストにするのもったいないので。

 いつもはたまごサンドなのだが、ただのチーズサンドが食べたくなった。

 

オープンチーズサンド

これが食べたかった。全然映えないけど

 でもうまい。

1月5日(金)

曇り

10℃

 

チーズトースト

翌日はただのチーズトースト。こちらも映えない…

 翌日は、今度はチーズトーストが食べたくなった。トマトとかピーマンとかなんにも載せないやつ。これまたうまい。こんなにおいしいのか、というほどだった。久々に酵母パンを食べたからかも。素朴なものを美味しいと思えるのは、ありがたいことだ。

 

映画

『PERFECT DAYS』(2023)※ネタバレあり

 これは年末に観に行ったもの。「ヴェンダースが・役所広司を使って・トイレ掃除人を描く」という情報だけで「え? なにそれ? どうなってるの?」という映画だったが、いやもう、素晴らしかった。役所広司が好きすぎるというのもあるが、筋のあるようなないような、日記みたいな話でよくぞここまで釘付けに…とひたすら感嘆。

 ヴェンダースが外国人だからか、東京の景色がすごくロマンチックに描かれている。亀戸のぼろアパートから渋谷まで、毎日掃除道具を積んだワンボックスで勤する平山さん(役所広司)。その道程、えんえんと首都高が撮られていくのだが、なんだろう、その流れていく絵がなんともいえずよいのだ。首都高がこんなに情緒に満ちているとは。そこに流れるのがルー・リード! これは反則では? 

 自転車で橋を渡る姿も、代々木八幡宮のベンチで見上げる木漏れびも、浅草駅なかの飲み屋街もいい。で、毎朝空を見上げて↓この笑顔を見せる平山さんは、なおいい。しかも、とても幽玄なのだ。溝口健二の映画なぞ思い出す。これってもしかして夢物語なのか?

 

www.youtube.com

 しかしこんなこというとおこがましい(?)のだが、緑を眺めて毎日じわっと感動したり、寝る前に布団で読書してたり、毎日同じことを嬉々としてやってたりするとこは、なんだか自分みたいだなと思ってしまった。わたしはあんなに職業意識高くないし、あんな笑顔はしてないと思うけど。

 ひとりぼっちで社会的地位の底辺生活をしてる平山さん、どうも実はいろいろな過去があるらしい…と匂わせて、普通ならナニカが起こってその過去を解消する、折り合いつける的な展開が定石だと思うけれど、解決なんかしなかった。悲しみは悲しみのまま。それが良い。平山さんは「なにかを我慢して今の生活を耐えている」わけではないのだ。今がPERFECTでだから。この日々がゴールなのだ。育てている盆栽も撮りだめている写真も、誰にも評価されない。求めてもいない。

 使っている役者がみんな「味のある顔」をしていて、すごいなよく探したなー、と。顔だけで、たたずまいだけで意味をもたせてしまう人はなかなかいない。途中、あれ、研ナオコ? まさかね、と思ったら本人だったらしい…どうなっているんだ。スナックのママさんが石川さゆりで、アニマルズをこぶしまわしてうたいだしたのもたまげたけど、なんかとにかくいろいろ自由だった。物語の法則だとかリアリティがどうのとかいう映画及び物語のセオリーは無視して、撮りたいように撮りました、という感じであった。力ぬけてるのに傑作。若者にはできない。

 ラスト、朝日を浴びて首都高を疾走する平山さんのドアップが続く。哀しいのかうれしいのか、いろんな感情をにじませてえんえんと。この表情が泣きそうなのは、そうか朝日を浴びてまぶしいんだな、と思いつつ、亀戸から渋谷に向かうんだから朝日は浴びないよね…とつまらないことなども思った。

 あんまりよかったから、新年までとっとくべきだったかも、とすら思った。

 

2年後しのおでん

うちでおでん、と願って2年

 おでん、やりたいなあと思ったのはコロナのときだった。そこから実現するまでなぜこんなに時間がかかったのか。

あ、おでんってきっちりきれいに詰めるのが基本だっけか…
若布も入れないよね。でも入れた

 作り方がよくわからなかったからである。もちろんレシピは山のようにあるが、どれが信頼すべきものなのか判断もできない状態で、さらに巷では練り物だけでなく、大根やら卵やらスープまでもセットになった、「あっためればいい」系もたくさん出ており、いよいよ選べなくなっていた。

 そして当時は「牛すじ絶対」と思いこんでいたので、まずたまに店頭に現れる牛すじを手に入れて圧力鍋で煮て、それと同じタイミングで、近所ではスーパー三徳だけで”ときどき”売っている神茂のはんぺんも手に入れなければいけない。とにかくこのはんぺんが食べたいから、おでんがやりたいのである。そのほか、前日から大根の準備しないといけないよね? ていうかああいう”味しみ”系は、どれだけ煮込めばいいの? いやでも食べるのってやっぱり冬だよね? などともやもやしていたら、年を取っていた。

茅乃舎登場

なんと3種のだしが。さすが茅の舎

 とある日の午後、ふと茅の舎に立ち寄ったときこれを見つけて、ああこれだ、これでいい。自分でだしを…とか、やめようと思って購入。「次、寒くなったらおでんを」と思いながら待機させていた。

作り方。破れててすみません

 開けてみると、だしだのつゆだのがいっぱい出てきた。まず特製だしを煮出す。沸いたら昆布つゆを入れ、大根、こんにゃくを入れて一時間以上煮る。その後、仕上げつゆを入れて、他の具材を煮る。という手順。大根は予めレンジで火を通して水分を出してから鍋へ。

こんにゃく系と大根はあらかじめとことん煮ておく

どれがいいのか選ぶのも難しいおでん種セット

 スーパーにはかなりの数のおでんの練り物セットが売っている。選べない。しかし試さないと始まらないのでこれにした。ほかに結び昆布も買う。ゆで卵もゆでる。さらに旨味を加えるため、ミニトマトも。

 神茂のはんぺんは事前調べによると「日曜に入荷する」というので、開催日を日曜昼に設定。午前中に買いに行ったら、1個だけあった。あったら2つ買ってた。次回は予約しよう。

www.hanpen.co.jp

 

 あ、それから悩みのたねのひとつだった牛すじは「いらねんじゃね?」の夫の一言でなくなった。牛すじいらないなら、断然簡単である。次はすぐ作れそう。

 すべてを煮終わったあと、はんぺんを入れて、いただく。

 おりしも暖冬だったのが一転、突然寒くなった12月の日曜日であった。

 

 おお、おいしい! さすがのだし。さらにトマトが効いてる。はんぺんはふわっふわで雑味なし。こんにゃくも大根も完璧に味がしみてる。素晴らしい。

だしセットは2回ぶんなので、あと1回できる。この冬もう一度やらねば。

「おでんって、でも鍋の一種だよね? でも他の鍋とは明確な線引がされてるよね」などと話し合いつつあっという間に食べ終わる。

おまけのおかず

白菜は弱火で炒め煮して、水分をぬく

 おでんのスープがあまったので捨てずにとっておく。白菜やわかめ、大根などあまってた野菜を煮てみたら、当たり前だけど激うまだった。鶏肉入れてもいいな。

激動のお正月2024年のこころがけ

謹賀新年2024

 

 あけましておめでとうございます。いやもう、お屠蘇気分ゼロの正月でしたね…。昨年から「来年は世界も日本も大変だろうなあ」と覚悟はしてたものの、まさか元旦から災害事件事故の連発とは。被災された方にお見舞い申し上げます。

 

 わたしの大好きな年始年末のニュース「列島のようす」みたいなやつが全然観れなかった。地方の神社に参る人々とか新幹線東京駅の混雑とか祖父母と孫たちのお迎え・お見送りとか東名帰省大渋滞情報とか。

 年末に猛烈に働いて掃除と料理をしてだいたい激しい腰痛になって倒れ込むように新年を迎え、全部やり尽くしたはずなのに元旦から大量に料理しなくちゃいけないことに首をかしげ(結局雑煮とかじゃがいもグラタンとか当日の仕事だから。あとかまぼこや塊肉系をスライスして並べるとか白髪ねぎを作るとか細かい作業が積み重なる)つつ、やれやれと言いながらごちそうを食べ、夫がかぶりつきで見るお笑い番組や列島ニュースを横目で見つつ、自分は本や漫画やスマホを見る、午後は近所の、行列のない小さな神社へ行って初詣、という正月が結構好きなのだが、それは特殊な生活(?)をしている自分だけの正月で、どうやらほかのまっとうな人たちにとって、正月って、たぶん全然違うのかも? と今年初めて思い至った。

 ちょっと有名な神社にはものすごい長蛇の列ができてて、まずこれに並んでお参りするのに数時間かかりそうだし、みんなお持たせらしい菓子折りの袋をいくつも下げて歩いてたりするし、知り合いたちは「まず奥さんの実家へ行って、そのあと自分んちへ」なんていう予定らしいし、それがあっちへは新幹線で、こっちへは飛行機で、とか言ってたりするし、たぶん、普通の正月休みってめちゃ忙しいのだろう。で、ようやくふーっ、と思ったら明日から仕事、とか。大変だ……。実家に行くのも初詣も、とにかく「空いてるときに行う」がモットーなので、いつも行事が世間とずれる。しかも訪ねる人もほぼいない。「自分ってマジョリティじゃないんだなー」とはしみじみ思う。

 

2024我が家のおせち

今年もお重、買わなかったなあ

 鯵の南蛮漬け、叉焼、キャベツとマスタードのマリネ、蒸し野菜各種、ツナペースト、鮭の昆布巻、たけのこと若布煮、かまぼこ、ローストビーフ、じゃがいもグラタン、鯛の塩焼き、お雑煮。必死でおろした鯵の南蛮漬けがおいしくてうれしい。

なんでいつも斜めの食卓写真なのかというと、カウンターで食べてるので
…真正面から写すとコンロとか冷蔵庫とか写っちゃって…

 マイノリティなのでおせちも定番的なものはほとんど作らず、食べたいものを食べたいように作って並べてるだけなのだが、ここ十年くらい定着していたメニューが、今年初めて「飽きたかも」と思った。ローストビーフは5年前から、などマイナーチェンジはしているのだが、それでも飽きを感じた。来年はフルモデルチェンジが必要かもしれない。考えることからしてとてつもなく面倒くさいので、実行するかどうかは不明だけれど。物事は変わる。いろいろ転換点なのかも。

 惜しむらくは、昆布巻が失敗したこと。焦がしてしまったのだ。作り直してもよかったのだけど、「そこまで昆布巻好きだっけ?」という根本的な問いが発生。来年はもう作らないかもしれない…。ローストビーフは、今年ついに「芯温52℃」を達成したのだけど、若干火入れがたりなかった気もして…と悩んでいたけれど、「プロのローストビーフと家庭のローストビーフ」の比較動画を見て、あっ、これでいいんだと確信して安心。でもふるさと納税で手に入れた和牛の塊肉を冷凍して作ったのは失敗だった。たとえ冷蔵庫で解凍しても大量のドリップが出る。塊肉を冷凍するな、とはこういう意味だったのか…反省。しかしじゃがいもグラタン、醤油たまねぎソース、クレソンとともに食べるローストビーフはやはり激うまい。これは飽きないと思う。

 去年から、煮て→焼くだった叉焼を、オーソドックスにただじっくりオーブンで焼くことにした叉焼もおいしかった。全然、楽だった…。煮豚でできる大量のスープの始末とか、ほんと大変だったんだよ…。

 そんなわけで最近は「抜ける手は抜く。前々からちまちま準備しておく」をモットーにして、とにかくクリスマス後にパニックにならないようにがんばった。失敗してもすぐ忘れる。「ああああー」とか泣かない。なにかたりなくても「まいいや」でなしですます。おせちに限らないけど、去年はすごくそれを意識した。失敗すると、以前は「次はやらないように分析し、覚えておかなければ」と思っていたけど、もうつらいのでやめ。「だめだった。よし、次」と、そこに滞留しない。で、理想通りじゃなくてもいい。これを徹底すると、わりといろいろ楽になる。私は思い込みが激しいので、自分で自分の首を締めがち…。

 (たぶん)激動の2024年は、とにかく柔軟にタフに、を心がけよう。無理なものを追いかけない。自分に期待しない。考えもどんどん変える。そんで、生活を楽しむ。

 

 みなさんも、どうぞよき一年をお過ごしください。

大和橘を知っているか?②〜お菓子作った篇

たちばなロールと名付けてみた、ものを作る

 先日作った大和橘のジャムとピールで、義妹にお菓子を作って送ることにする。”こんなんになったよー”の報告のつもり。まずはロールケーキ。クリームチーズと生クリームを合わせたクリームと橘ジャムを巻く。生地にはピールを細かく切って散らす。昔、ゆずジャムでよく作っていたのだが、そのアレンジ。…いやなにもうこれ…うまいじゃないか…。衝撃。2本焼けばよかった…。

ロールケーキのルックスはときめくなあ
切る前の一本撮りを忘れたけど…

ギフト用の1本はこんな箱に

 かわいすぎる、この箱。秋のペナン島旅行で、ホテルのウェルカム(ドライ)フルーツだったので。いくらか食べると、翌日また置いといてくれる。箱がかわいすぎて3箱も持ち帰ってしまった…。

こんなふうに置いてあるのだ。愛らしすぎる

直径が見事に合致。素晴らしい

焼き菓子は紅茶と橘のケイク

 焼き菓子はアールグレイの葉を入れて、バターの一部をサワークリームに替えて、やわらかめに。あと隠し味に白味噌をほんのちょっと。

家のおやつ用。

やはりアイシングの白が入ったほうが美味しそうか? と悩む

 白と黄色のほうが色合いはかわいいのだが、アイシング×ジャムを美的に載せるのがなんか難しい。

ギフト用。ようやくこのモリスの箱が使えた

 千代田金属のミニクグロフ型はなにを焼いても映える。上のミニマフィン型だって、カドがシャープに焼き上がって、毎回惚れ惚れしてしまう。箱は100均のセリアにて、W・モリス柄箱が大量に売っていて、これは…と使うあてもないのに買ったやつ。ようやく使えた。これもサイズがうまいことあった。よかった…。ギフト菓子と箱のサイズ問題、本当に単なる賭けなのでいつもどきどきして心臓が疲れる。それにしてもアイシングがけ、ようわからん。どうしたら美しく思い通りにかけられるのか。

ラッピング終了。あとはヤマトへゴー

 義妹から”もんのすごいおいしかった!”と連絡が来て、もう今年は最高に終われるなあ、とご機嫌に。さて、大晦日、最後の料理と掃除を片付けよう。いまからチダイをおろす。

 今年もこんな個人の日記を読みに来ていただき、ありがとうございます。来年もよろしければ遊びに来てくださいませ。秋の旅行感想文を書きます。

 みなさんも、よいお年をお迎えください。

 

↓いかにしてピールとジャムができたか。

camecon.hatenablog.com

 

 

酵母復活。まずはパンケーキ

こなログ

12月22日(金)

晴れ

10℃

 

まずは酵母パンケーキ

セルクルを使って丸く焼いてみた。

面倒だけどやっぱりきれいに焼ける

 あー。やっとホップ酵母が復活! 長かった…毎日作って失敗してたの、あれ真夏だからなあ。それで力尽き、涼しくなったので再開しようと思ったけれど、秋に長い旅行に行くからお世話ができない、じゃあ、ということで帰国までイーストでバゲットの練習に励んでいた。その道はもちろん半ばなのだが、いよいよカンパーニュや食パンが食べたい、いやとにかくパンケーキが食べたい! と意欲が高まったので、また酵母を継いでみたけれど、涼しいのに2回失敗して、もう暑さのせいにもできない! なんでー!と頭をかきむしる。しかしかきむしっても酵母はできないので、愚直に再チャレンジするほかない。ただ同じことを繰り返す。

 …で、ついにできた。あのときは2回めで死んでしまった、あのときは4回目で…とかやってたのだが、ついに5回とも成功した。

ほんとはもっとぶくぶくの姿も見られたのだが…撮影忘れ。
ともかく完成! 

 耳をすませるときゅーきゅーと鳴いている。そして液の数センチ上に酵母のあとが見られれば、それは数時間前にぶくぶくに膨れていた証拠で、このふたつが現れれば成功。おかえり酵母くん。またふたりでがんばっていこうな。

 

 で、最初に酵母パンケーキを作る。このパンケーキは外で食べられないからだ。パンのようなケーキのような独特の食べごたえ。いったん思い出すと「うわー、食べたい」と欲求が止まらなくなる。

 この日はおいしい菜(ほぼ菜花)とじゃがいものマスタードソテーとベーコンを添えて、上にはメープルシロップで、甘じょっぱいプレート。パンケーキ専用にしているマイヤーのフライパンでじっくり焼く。いやあ、おいしい。今年に間に合ってよかったなあ。