東中野の自家焙煎と自家製スイーツのお店、Cafe 2U
最近発見し、なかなか衝撃的だったので記事にしてみることにした東中野のカフェ。衝撃なのは、コーヒー、ケーキともに「!」というほどおいしいのに、その種類が多く、そしてすべてが店主の男の子ひとりでやっていることである。
黒板に書かれた今日のケーキは6〜7種類、店頭にはパッケージ済のスコーン、カヌレ、クッキー、シフォンが並ぶ。え、これ、全部ひとりで? こんな凝ったスイーツを? しかも自家焙煎のコーヒーも? ハンドドリップで? 週5日営業! 開店は12時とはいえ、どういう時間と体力の割り振りでこんなことが可能なのだろうか。
店主は細身ではかなげな、汗や息切れの全く見えないお兄さん。「ケーキはオーナーの自家製だそうです」という事前リサーチで、勝手に女性をイメージして出かけたら素敵なお兄ちゃんが現れたので軽く驚く。いや、パティシエが男性なんて全く珍しくないのだが、店の様子(自分で内装したらしい)やケーキのプレゼンテーションがすごくラブリーなので、なんとなく女性かと…。
抹茶とホワイトチョコレートなのかな? ヴァローナ? 思ったより固めの、だからババロアとかではない抹茶生地、土台はカカオ風味のザクザク系。コーヒーが紅茶カップのように広口で出てくるのも新しい。
外側のガリガリ感がすごいカヌレと、しっかり固め系プリン。こんなに濃厚で、でも苦味はきつくないカラメルはどうやって作るのだろうか。いつもカラメルで悩んでいるので…。アイスティーのグラスがものすごくかわいい。
普段「沈黙は金」とか嘯いて極力人と口を聞かない夫が、あまりにハイレベルなケーキの味に驚いて「え、これ、お兄さんぜんぶひとりで作ってるの?」とでかい声でいきなり話しかけて、「うわあ、恥ずかしい親戚のおじさんみたい」と思っていたたまれなかった。だがお兄さんは嫌な顔ひとつせず、「あ、はい、いちおう作ってます」とか言って控えめに微笑んでいた。
お友達らしいお客さんが来ていたときも、「いやあ、ほんとにひとりで全部やってるの、すごすぎる」と私と同じ感想を繰り返すが、お兄さんはやはり「いえいえそんな」という感じで、涼しい顔である。
ケーキを仕込んで、パッケージして洗い物して開店準備して豆を焙煎し…いったい何時に起きているのだろうか。夜は何時まで働いているのだろうか。開店中に仕込んでいる様子は微塵もない。しているのかもしれないが。でも注文ごとにハンドドリップでコーヒー淹れている姿は優雅そのもので、粉の気配も見えない。
というわけで、魅力と謎いっぱいなので、最近週末になると通っている。全種類食べるのにも時間がかかるのだ、なにせたくさんあるから。