8月12日(金)
曇り
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台風接近中。
ツナチーズトースト
本
20年近く前、この本を読んで「…なんだかひどい文章だ」と思って、誰もが称える向田さんだが、私はもういいや、と挫折してしまった。それで20年ぶりに「やっぱりもっかい読んでみよう」ということで『思い出トランプ』という短編集を読んだら、名人芸のような技に圧倒されて、あれ? やっぱり私はなにもわかってなかった!と反省し、売ってしまった本書を図書館で借りてきた。
そしたらやっぱり「んー?」という文章で、読むのがつらかった。おかしい。これ、名作だよね? 歯をくいしばって最後まで読もうと耐えていたら、ふと表紙にものすごーく小さい字で”原作 向田邦子”と書いてある。え? 原作? どうゆうこと? しかし本の背表紙にはただ”向田邦子”としか書いてないし、著作リストには「向田邦子の本」となって、他の本と一緒に並んでる。ページをあれこれめくったら、やはり小さい字で「これは向田邦子の脚本をもとに小説家したものです」と書いてあるではないか…。しかも本人でなく別の方が。ああああー。なるほどー。だから変だったのだー。
脚本をもとに、他の人が小説化したら、そりゃ不自然になるよなあ。下手にいじれないし。なんてことだ。文春文庫って、ひどい。もっと大きく書くべきではないのか。数十年前の私の判断は正しかったのだ。気づくのに時間かかりすぎだ…。ロマンを感じるほど長かった。